落としてくれないかな
( #ショートショート 本文:526字)
ハンカチを落とすときは、彼のところに必ず落とすと決めていた。
毎回だと怪しまれるから、10回に1回くらいは別の子のところに落とした。
小学生のとき、よく遊んだ『ハンカチ落とし』。
彼はハンカチを落とされたことにいつも気づかず、一周してきた私にタッチされて鬼を交代する。このときの彼の「え? いつの間に?」という顔が好きだった。
でも、彼は鬼になっても、私のところにハンカチを落としてくれたことはなかった。まるで避けているかのように。
ただの遊び。でも、一度くらいは彼にハンカチを落とされて、彼の背中を追いかけたかった。
それから彼とは、中学、高校、大学とずっといっしょだった。なのに一度もまともに話せていない。私から声をかけるのは恥ずかしいので、偶然を装おって、なるべく近くにいることにはしているが、距離が縮まらない。
逃げてるのかな。意識してくれてるのだったらいいな。
小学生のときの、あのびっくりした彼の顔がまた見たい。そして、ちゃんと話をしたい。
こんな子どもじみた恋があってもいいでしょ。
私は今日も彼のあとを追う。
ポケットからハンカチが落ちたとき、拾って声をかけるんだ。
「ハンカチ、落ちましたよ」と。
それくらいの勇気は私にもあるはずだ。


はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加します。
小牧幸助さん、いつもありがとうございます。
よろしくお願いします。
主宰: #小牧幸助さん
企画: #シロクマ文芸部
お題: #ハンカチを
最近、片想いのショートショートが多い気がする。私、あなたに片想いしてます!

創作大賞に応募しています。読みに来てね。読みに行くよ。
ファンタジー小説部門(連載中)
エンタメ原作部門(完結済)
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

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