おもしろくて印象に残った本をいくつか
「忙しい」という言い訳をするたび小じわが増える気もするけれど、本当に最近、やる事が多くてあまり本が読めていない。しかも仕事やプライベートで読まざるを得ない雑誌やハウツー本が溜まっているため、楽しむというより「やらなきゃ」と焦ってばかりいる。
そんな自分の態度を反省するためにもここ半年くらいで読んだものの中で「これよかった」というものを振り返ろうと思う(すでに感想をUPしたものを除く)。
その① 山口文憲さんの「香港世界」 1984年に発行された作品の文庫版(2021年刊行)

「よく本を読む子供」だった私が児童書の次に手を伸ばしたのがエッセイ類(玉村豊男さんの大ファンだった)。この香港世界も中学生の時に読んだはずだけど、いま改めて読み返してもの凄く考えさせられた。
社会ってこういうもの、政府ってこういうもの、という思い込みなんて容易にひっくり返るし中断される。でも(一例を挙げるとすると)海外に行ってその国の人に間違えられたいという人間の浅ましい欲みたいなものはいつまでも変わらない。
テーマによってはバブル時代の日本人特有な上から目線が気になるけれど、どこよりもキラキラしていた80年代の香港と、その裏の深い影を思い出せた一冊だった。
その②東大ファッション論 集中講座 著者は平芳裕子さん
実はこの本、長時間の移動を前に「暇つぶし」目的に手に取ったのだけれど、想像以上に深い作品だった。ファッションの歴史から始まって、ファッションという概念が持つ深い意味と文化的な貢献など、たいへん広い範囲まで議論が及ぶし勉強になった。冒頭でファッションは「浅い」と言われたというエピソードが出てくるけれど、暇つぶし用にこの本を手に取った私も「ファッションだから楽に読めるでしょ」という偏見があったのかもしれない。ちなみにこの本を読んで、いつか読もうと思っていた「モードの迷宮」を書いました(まだ読んでないけど)。
その③異国の味 稲田俊輔さん
友人が「おすすめ」と言って(回して)くれた本。稲田さんの文章はネット上ではよく見かけていたけれど、紙の本で読むのはこれが初めてだった。で、結果として「そうそうこういうの読みたかったの!」という感じで夢中でページをめくった。
著者は経営者でもあるので、ただ単に食べ歩きの感想だけでなく、食事を出す側の意識についても触れているのが興味深い。特に冒頭の中華料理の章と、最終の東京エスニックが面白かった。みんなあんまり主張しないけど、東京の独特の「味」ってあるんですよ。
と、3冊あげたけれど、実はこれ以上に積んであるだけの本が溜まってきていてですね、しかも積んでいるだけの本の方が分厚くて読み応えあるものが多くて...。
まだ11月だけど、これは来年の自分に一気に託そうかと思っている。
