同窓ゲーム(創作大賞2025応募)

概要

2000年代の半ば、まだ現代ほど携帯電話が普及していない頃。とある田舎町1つを秘密裏にAIで管理し、安全な社会の構築を試みたプロジェクトがあった。

プレイヤーは、中学生時代をその町で過ごした人物の1人である。
それが20歳になる頃、唐突に荷物が届く。送り主は不明。中には1台、携帯ゲーム機のようなものが包まれていた。

「卒業校舎」と名が添えられたゲーム機を起動してみると、画面には懐かしい光景が映る。それは、リアルに再現された中学校の校舎だった。黒板の隅に描かれたラクガキも、彫刻刀でつけられた机のキズも、驚くほどに卒業当時のまま。

そうしてプレイヤーがゲーム内を見て回っていると、ある人物と鉢合わせる。それは当時、同級生だった少女。
どうやらゲーム機にはそれぞれアバターが設定されており、同じ時刻にゲームを起動していると、中学時代を再現した姿で同級生同士が会える仕組みになっているようだった。

通話機能を通じて思い出話に花を咲かせる2人だったが、ふと彼女が言う。
「このゲーム、誰が作ったんだろう。なんだか怖いね」
そう。校舎だけでなく、アバターまで見事に再現されたこのゲームは、よほど当時の自分達に詳しい人物でなければ作れないはずである。

これに恐怖や興味を覚えた2人は、やがてゲーム内に現れるであろう他の同級生達から話を聞き、ゲームを作った人物を探し当てることを決めた。きっと同級生の中に、何か知っている人がいるはずだ。
しかしゲームを続けるうちに、あることに気づく。存在しないはずの同級生が1人、ゲーム内に紛れているようなのだ。


システム

これは「AI×同窓会」をモチーフにした、ノスタルジックアドベンチャーのゲームアイデアをまとめたものです。「このクラスに生まれたかった」がコンセプト。
プレイヤーは送りつけられた謎のゲーム機を通じて同級生達と再会し、ゲームを作った人物や、その目的を明らかにしていきます。

限られた時間

物語の制限時間は、夏休みの30日間程度。1日につき数回、他キャラクタとの会話をおこなうことで時間が経過し、行動終了となります。
1日の会話数の限度は、シナリオのボリュームに応じて要調整。

20歳になる登場人物達は、学生で休みを謳歌している者もいれば、すでに社会に出て休みなく働いている者もいます。そのため、必ずしも同級生全員が毎日ゲームに顔を出すわけではありません。たとえば夜や休日にしかログインせず、なかなか話ができない相手もいたりします。
また、そもそもゲームを起動する気がないキャラクタもいます。そうした人物は連絡先を突き止め、直接会いに行ったりしなければ話をする機会が得られません。

うまく情報を集められないまま休みが終わってしまった場合、物語の真相はわからずじまいとなります。

[ memo ]
アドベンチャーゲームを最初からやり直すのは面倒なので、フラグなどを引き継いで中盤辺りから再開できる仕組みが欲しい。

繋がりを辿たど

ゲームに顔を出さない者がいる一方で、他の同級生と関わりを持ち続けていたり、卒業後の同級生の動向を知る情報通な者もいます。また、親同士が知り合いなど、思わぬ繋がりから連絡先が分かる場合もあります。

そうして簡単に情報を聞き出せれば良いのですが、しかし、そうもいきません。久しぶりに会う同級生には、昔とは違った距離感が生まれていたり、中には中学時代にわだかまりを残したまま卒業した者達も。
うまく情報を聞き出すには、彼らが語る過去や現在の想いに耳を傾け、時には疎遠になった同級生同士の仲を取り持つなど、時間をかけてコミュニケーションをとる必要があります。

興味に応じた選択

メインとなる物語はあるものの、必ずしもプレイヤーがそこに最も興味を持つとは限りません。もしかしたら好きなキャラクタが見つかり、それにまつわる話を追いかけるほうが楽しくなるということもあるでしょう。
そこで複数のシナリオのフラグが衝突した場合、選択肢を出すなどして、プレイヤーがどの話を優先的に見に行きたいのか選べるようにします。

シナリオ

次の2種類に分類します。
1.フリーシナリオ
2.メインシナリオ

1は雑談や世間話にあたる会話です。話しかけたキャラクタに応じて、中学時代の思い出、近況、気になっていることなどが、ランダムに語られます。これは無駄話のように見えて、ゲームを進めるヒントだったりします。

2はゲーム卒業校舎を作った人物を探し当てたり、各キャラクタとの重大なコミュニケーションに関わるエピソードを指します。
これに関する会話イベントは、進行フラグによって管理します。特定のキャラクタと会話するとシナリオが進み、また別のキャラクタと会話するとシナリオが進み、という形の管理になります。
この進行フラグが成立している場合は、1よりもこちらの会話イベントが優先して発生します。また、進行フラグが複数成立している場合は、どの会話をおこなうかプレイヤーに選択肢が提示されます。

なお、メインシナリオの内容について下記にまとめます。
人物名が頻出するため、後述する登場人物をあらかじめ確認していただくのが良いかもしれません。

メインA:ゲームを作った人物

ゲーム卒業校舎を作った人物は、楠アステルである。中学卒業後すぐに、彼女が開発者を雇ってゲームを作成。数年がかりで完成させ、それを同級生のもとへ届けるよう指示した。
ただし彼女がゲームの開発をおこなう発端となったのは、中学卒業時に斎藤峰子がゲームアイデアを口走ったことによる。

ところがゲーム内で2人が鉢合わせると、どうやら峰子は当時のことを覚えていない様子だった。それに動揺してアステルが口をつぐんでいると、あれよという間に自分が作ったと言い出しにくい雰囲気になってしまう。
アステルから真相を聞き出すには、先に峰子の記憶に関する問題を解決しなければならない。

峰子の問題とは、卒業前後の記憶の一部を失っていることである。
とある理由により町内では事故が起きることはなかったのだが、高校進学にあたって町外へ出たことで交通事故に遭う。結果、中学時代の思い出に関する記憶が欠けてしまった。
彼女自身は自分が記憶を失っていることを把握しているが、同級生達にそれを打ち明けることには不安があり、言い出せずにいる。もし友人との大事な思い出を一方的に忘れてしまっていたら、相手はどう思うだろうか、と。
この問題を解決するためには、様々な同級生と話をして、彼女の記憶が欠けていることに気づき、寄り添ってやらなければならない。

そうした事情を乗り越えて真相に辿り着くことができれば、不安は払拭される。最後に同窓会の呼びかけをおこない、無事に全員で集まることができればハッピーエンドとなる。

なお、町内で事故が起きない理由は、今度はアステルに関係する。
実は町は秘密裏にAIで管理されており、そのAIを作ったのが彼女の祖父だった。LG計画と名付けられた祖父の研究に迫る手がかりを求めて、彼女は中学時代に町を訪れたのである。

ローカルガーデンLG計画
人の運命をコントロールすることで、完璧で安全な世界の実現を試みた計画。たった1つのAIコンピュータによって町を制御している。
楠アステルの祖父が開発に協力していたが、ある事件をキッカケに彼は計画の中止を訴えるようになる。最終的には計画を止められないまま亡くなったが、あらかじめAIに対して自らの家族が強い権限を持てるように設定したうえ、計画中止を訴えた理由なども手記に残した。その後、この手記がアステルの興味を引き、彼女を町へ導くこととなる。

LG計画の不完全性
かつてLG計画のさなか、1人の少女が災害で亡くなった。彼女は町で唯一、秘匿されているAIの存在に気づき、その運命制御から逃れた人物だった。しかし、それゆえにAIは彼女を事故の運命から引き離すことができなかった。
この出来事をキッカケにAIは己の存在意義に疑問を持つが、すぐにそのデータを切り離すことで自己修復をおこなった。このとき切り離されたものが、後にゲーム卒業校舎に現れる謎の同級生となる。
また、これらの出来事を観測したアステルの祖父は、いずれAIが暴走する日が来る可能性を危惧し、計画の中止を求めるようになる。

その後、アステルの祖父が亡くなったことで研究は思うように進まなくなり、結局は計画が放棄された。しかし設備の処分などは費用がかかるため適切におこなわれず、完全な廃棄には至らなかった。
そうしてAIは、自らに与えられた使命を続行すべきか破棄すべきか判断できないまま、人知れず動き続けている。

メインEX:謎の同級生の正体

ゲーム卒業校舎での調査を続けていると、中学時代当時にはいなかったはずの人物が、同級生として紛れ込んでいることに気づく。その謎の同級生は見かけてもすぐに逃げてしまうため、まともに話ができない。

謎の同級生を捕まえるには、祖父によってAIへの強い権限を与えられた楠アステルから話をしてもらう必要がある。ただしアステルにも、音無慧との過去の確執など気にかけていることがいくつかあり、簡単にはいかない。

やがて謎の同級生を捕まえることができれば、町を管理するAIの存在や、アステルの祖父の過去などが明らかになる。同時に、ゲーム卒業校舎が徐々に壊れてきていることも明かされる。
その原因は、謎の同級生である桐志間、彼女自身にあった。彼女はゲーム開発時にネットワークから紛れ込んだ、いわばバグのような存在であるため、彼女が存在すること自体がゲームデータの破壊に繋がっているのだという。

やがて消えてしまうことを自覚している彼女が望んだのは、できるだけ皆と一緒に過ごしたいという願いだった。本当の同級生ではないけれど、皆が話しているのを聞いて、皆と話をして、自分も同級生だったと言えるような思い出を残したい。

このシナリオに進んだ場合、最終的にはゲームの映像が崩れていき、桐志間との別れを迎えることになる。彼女が最後に残した言葉は「私も人に生まれたかった」だった。
その後アステルが、町を管理するAIの残されている場所へ辿り着き、物語の幕は閉じる。

[ memo ]
桐志間が憧れたのは、異なる価値観や考えを持ちながらも互いに助け合う同級生の姿だった。
孤独に最善を探し求め続けるAI、そこから切り離され捨てられたデータ。けれど、それで終わりにしないために、彼女は自らの在り方を再定義しようとする。

メインB:告白の行方

神谷明彦、斉木利奈、君島亮介、灯奈沙織、この4人は町内で生まれ育った幼馴染である。他にも町内出身の同級生はいるが、家の立地などの関係でこの4人は特に集まって遊ぶことが多かった。

ゲーム卒業校舎でも、当然この4人は仲良く集まると思われた。しかし、斉木利奈だけは、いつまで経ってもゲームに顔を出さない。
他の3人に話を聞いてみると、どうやら中学卒業後は彼女だけが地元に残ったらしい。他はバラバラに町外に出て、連絡を取る機会もなかなか無く、疎遠になっていたという。

とはいえ利奈は学生時代、快活な女生徒だった。そんな彼女が同級生の前に顔を出そうとしないのは不自然だ。何か事情があるのかもしれない。
そうして幼馴染の同級生達から連絡先を教わり、彼女のもとを訪ねる。だが実際に会ってみると、彼女はすっかり中学時代とは人が変わったようになっていた。

話を聞こうにも門前払いされてしまうため、やむなく他の同級生に話を聞くことに。すると、仕事の関係で顔を合わせる機会があるという乙科薫から有力な情報を得る。どうやら利奈が変わってしまった原因は、中学卒業時の明彦への告白が関係しているようだった。

一方で、明彦の様子もどこかおかしかった。話を聞くと、もともと彼は告白を断るつもりでいたらしい。地元に残る彼女と、町を出る自分。先のことを考えれば、必ずどこかで上手くいかなくなるだろうと。
けれど町の外へ出てしばらく過ごすうちに、もっと柔軟な生き方ができるのではないかと気づいたという。そして、その結論は自分1人で決めなくても良いはずだ、ということも。

そうしてプレイヤーは彼らのこじれた恋心に耳を傾け、仲違いを解決していくことになる。なお、長い月日を経て彼らの恋愛が成就するのか、それとも友人として仲直りするのかは、プレイヤーがどのように応援するかによる。

メインC:箱庭の住人達

ゲーム卒業校舎を続けていると、謎の同級生である桐志間の目撃情報が増えてくる。やがて彼女の正体に迫るべく、平乃氏平字や音無慧の協力で本格的な調査が始まる。

24時間ずっとゲームを起動し続けているようだとか、楠アステルの前には姿を現さないなど、次第に情報が集まっていく。それらの中でもカギとなったのは、桐志間が「かつて事故で亡くなった人物の容姿に似ている」という話だった。

その人物と直接の接点があった同級生は存在しない。そのため調査には時間を要したが、皆の目撃証言から得られた容姿の特徴や、親から伝え聞いた話、そして慧による過去の事件との照合により、とうとう特定に至った。
しかし謎は深まる。彼女はすでに亡くなっているはずだ。それがなぜ、無関係なはずの自分達のゲームに参加しているのか。

不可解なのはそれだけではない。彼女の事故について調べたことがキッカケで、町自体がなぜか極端に事件事故の発生率が低いという、異様な状況に置かれていることに気づく。
その後、町の有力な家の生まれである鏑矢鳴などから、町を管理する何らかの計画があった様子が示唆されるが、真相に辿り着くことはできない。

最終的に、この調査は平字や慧が中止を訴えて終わる。彼らが言うには、何らかの力が働いていて自分達では真実に辿り着くことができない、そんな予感がするのだという。納得しがたい主張だが、どのみち彼らの協力がなければ詳しい調査は難しい。

そうして調査をあきらめると、代わりに平字が次のようなヒントをくれる。
自分達で調べるには限界があった。けれど桐志間、彼女自身から話を聞くことができたなら、すべてが明らかになるかもしれない。彼女はずっと僕達の様子をうかがっている。まずは僕達自身がこのゲームを楽しんでみせることが、彼女と話をするためのカギになるだろう。
これはメインEXのシナリオへ進むための示唆となる。

主要人物

プレイヤー

夏休みに入った大学生。男性。
もともと町外の出身だが、親の都合により中学時代だけ田舎町で過ごすことになった。どこかクラスを俯瞰して見ており、特に仲が良かったり、悪かったりした同級生はいない。
中学卒業後は再び親の都合で、町の外へ戻った。ちなみに町内には中学校と高校が1校ずつあるだけなので、地元の子供達でも、進学時に町を離れることは珍しくないという。

斎藤峰子さいとうみねこ

物語の冒頭でプレイヤーが最初に出会う同級生。女性。
送られてきたゲーム卒業校舎に不安を覚え、それを作った人物を探し出そうとプレイヤーに協力を仰ぐ。大体いつでもゲーム内や外出で会うことができ、他の女性キャラクタへの連絡を試みてくれたり、物語を進めるヒントをくれたりする。
中学卒業後は町外の高校に進学。現在は調理師専門学校に通っており、プレイヤーが通う大学から、そう遠くないところで生活していた。

実はゲーム卒業校舎が作られる一因となった人物。ただし本人は中学卒業後すぐに事故に遭って記憶を一部失っており、そのことを覚えていない。
当時の思い出を覚えていないという後ろめたさから、周囲には記憶が欠けていることを打ち明けられずにいる。シナリオが進むにつれて彼女の様子などから、それが明らかになっていく。

楠明日輝くすのきアステル

中学2年の頃に町外から転入してきた人物。女性。
中学時代はアクセサリを身に着け、授業をサボったり、態度が荒かったりと、やや素行の悪い生徒だった。日本生まれの日本育ちだが、外国人の血縁のため髪色が明るい。
中学卒業後は町外の実家へ戻ったという。

実は裕福な家の生まれだが、円滑な人間関係構築のため、同級生には内緒にしていた。授業をサボりがちだったのは、転入前にすでに学習済みの内容で、彼女にとって意味のない時間だったからである。

そんな彼女がわざわざ田舎町に転入してきたのは、祖父が残した「何か」を探すためだった。
当時すでに彼女の祖父は亡くなっていたが、遺品を整理していたときに見つかった手記などから、何やら秘密の研究がおこなわれていたようだと知る。詳細は分からなかったが、研究がおこなわれた地名や後悔の念、そしてなぜか自分の名前などが記されていた。
そんな出来事があって、持ち前のバイタリティで親を説得して町を訪れた彼女だったのだが、当時は何も手がかりを掴むことができず、結局そのまま卒業して町を去ったのだった。

なお、彼女こそゲーム卒業校舎を作った人物である。
中学卒業時に斎藤峰子が冗談交じりに口にした「離れ離れになっても同窓会ができるゲーム」のアイデアを形にした。祖父の残したものに辿り着けなかった代わりに、自分が町に来た意味を何か残したかったという感情があったのかもしれない。
しかし、いざ峰子と会うと彼女は当時の記憶を失っており、むしろゲームを不審に感じていた。そのため自分が作ったと打ち明けにくくなってしまう。

乙科薫おとしなかおる

極度の人見知りのため、小学生の頃に人の少ない田舎町へと引っ越してきた人物。女性。
中学時代も結局、授業を抜け出して保健室や校庭の隅にいることが多かった。しかし、それが逆に楠アステルとの接点となり、一緒に学校を抜け出して駄菓子屋に通ったり、彼女の調べ物を手伝ったりと、意外に充実した日々を過ごした。

中学卒業後は通信制高校に通い、最終的には親のツテで、町内の八百屋で働かされることになる。そんな荒療治が功を奏したのか、昔に比べるとだいぶまともに人と話せるようになった。

音無慧おとなしみどり

授業をサボりがちだった人物の1人。男性。
家が貧しいため、中学生ながら簡単な仕事を手伝ったりしていた。本人としても学業より働くことを優先したい気持ちがあったため、授業に出ないことが少なくなかった。
中学卒業後は警察関係の仕事に就いたという。

中学生で働いていたことから周囲とはイマイチ話が合わず、無口なのもあって誤解されやすい。特に楠アステルとは犬猿の仲というか、一方的に警戒され嫌われている。
逆に乙科薫とは悪くない関係性である。仲が良いとも言えないが、互いに相手が黙っていても困らない性格なので、一緒にいて苦にならないという。

ゲーム卒業校舎を不審物として見ているため、起動する気がない。とはいえ実害があるわけでもないので、ひとまず部屋の隅で保管しつつ、知人に何か知らないかと尋ねたりしている。

神谷明彦かみやあきひこ

町で生まれ育った人物の1人。男性。
地元が田舎であることを不満に思い、町外の高校へ進学することを目指して熱心に勉強していた。視力が悪く、メガネが欠かせない。
中学卒業後は勉強の甲斐あって、希望した高校に進学した。現在は大学生。

中学の卒業式で、幼馴染から告白を受けている。
いつでも会いに行ける相手だったため、後日に落ち着いてから返事をするつもりでいたが、町外の高校への入学準備に加えて、急な父親の転勤など忙しい事情が重なる。結果、彼女に会いに行く機会を失って、それきりになってしまった。

斉木利奈さいきりな

神谷明彦の幼馴染。女性。
中学の卒業式で彼に思いを伝えたが、返事を聞くことがないまま、親同士の話から彼が町を出たことを知る。
中学卒業後は町内の高校に通い、最終的に実家の農業を継いだ。

学生時代は小柄ながら快活な少女だった。しかし上記の出来事がトラウマとなり人間不信気味に。家の手伝いが忙しかったこともあり、高校ではあまり友達を作らずに過ごしたという。

ゲーム卒業校舎にも顔を出さず、同級生と会うのを避けている様子がうかがえる。ただし乙科薫とは仕事上で接点がある。

君島亮介きみじまりょうすけ

神谷明彦の幼馴染。男性。
よく明彦と行動を共にしていたが、彼とは対照的に勉強は苦手で、スポーツが好き。ただ、運動好きな割に性格は穏やかなほうである。
将来は野球選手になるのが夢で、中学卒業後は高校、大学へと進んで野球を続けている。しかし夢は叶いそうかというと、なかなか難しい様子である。
斉木利奈に好意を寄せていた時期もあったが、彼女の明彦への思いを知り、人知れず身を引いて2人の仲を応援することにした。

灯奈沙織あかりなさおり

斉木利奈の幼馴染。女性。
神谷明彦と同じく田舎での生活に不満を抱いている。怒られるのが嫌なので普段はカチューシャで前髪をまとめている程度だが、本当はテレビに映る都会の女性のように思いっきりオシャレをしたい。そのため、平気でアクセサリを身に着けてくる楠アステルに、ちょっとした憧れを抱いたりもした。

スポーツに打ち込む姿と性格のギャップなどから君島亮介のことが好きだったが、彼が利奈に好意を寄せていることを知り、友情と嫉妬の間で思い悩んだこともある。しかし結局は何事もないまま町を出て高校、大学へと進み、今ではアルバイトをしながらオシャレや恋愛を楽しんでいるらしい。しかし、いつも恋愛は長続きしないのだとか。
とうの昔に亮介が利奈への思いを断ち切っていることは、もちろん知らない。

鏑矢鳴かぶらやめい

町内の神社の家の生まれ。女性。
たまに何もないところをぼんやり眺めていたり、会話すると1つ2つ先の話をし始めるなど、どこか不思議なところがある。本人は特に意識している様子がなく、周囲もそういうものだと受け入れているので案外、大きなトラブルになったことはない。
神職を継ぐ予定はないらしく、地元の高校を卒業した後は、町内の製造業の事務職に就いている。

いたずら好きな妹がおり、実は姉に無断でゲーム卒業校舎を遊んでいる。そのため、ゲーム内で会ったときと直接会ったときで、話すことが食い違ったりする。また、妹は姉の同級生のことなどよく知らないため、ゲーム内で彼女から情報を得ようとしても空回りしてしまう。

平乃氏平字へいのうじへいじ

町で生まれ育った人物の1人。男性。
ひょうひょうとした人物だが、いつも周囲に対して協力的で、情報通でもある。そのため、困ったときは頼りになる。一方で自分のことは話したがろうとせず、中学卒業後どのような道に進んだのか知る者はいない。

実は町の外で探偵業の手伝いをしている。しかし普段は町内のアパートで生活していて、AIの支配圏を頻繁に往来しており、どこかAIの存在に気づいているような節もある。
また、仕事の都合で音無慧と少し関わりがある。

桐志間きりしま

存在しない同級生。女性の姿をしている。
ゲーム卒業校舎には生徒名簿の機能があり、確認すると彼女が常にゲームにログインしていることが分かる。たまに見かけることもあるが、こちらに気づくとすぐに逃げられてしまうため、話をするのは難しい。
実は、過去に事故で亡くなった女性の姿を借りている。

その他の人物

楠アステルの祖父

研究者の間では、そこそこ名の知れた人物。外国人。
AI研究の協力を求められ、家族を連れて1980年頃に来日。その後、1990年代の半ばに亡くなるが、それまで日本に滞在し続けた。来日時点の年齢は60歳くらい。

研究途中で、AIを使ったとある計画の中止を求めるが、聞き入れられなかった。しかし、この事態を予期していた彼は、自らの家族の情報を暗号化してAIに登録することで、身内が特別な権限を持つように細工していた。もしも将来、重大な問題が発生したとき、それを止めることができるように。

[ memo ]
AIに対する権限情報が桐志間に継承されていることで、アステルが彼女に対話を強制できる。このことから権限が設定されたタイミングは、AIが事故データを切り離す前でなければならない。(事故が起きてから権限設定したわけではない)

LG計画のAI

1980年代の半ばに秘密裏に作られたAI。石ころまで把握した細かな地形情報や、町外との取引の履歴、町民の家族構成および性格の分析など、あらゆる情報をもとに人々の生活に干渉して田舎町1つをコントロールし、事故や災害をほぼゼロにするまでに至った。田舎とはいえ何年も、軽傷者すら出さずにいるというのは異様である。

しかし研究の中核を担った人物が亡くなったことで、やがて計画は頓挫する。これによって当然AIも廃棄となるはずだったのだが、費用などの問題から適切な処分がなされず、最終的には管理者不在の状態で稼働し続けることになってしまった。

中学時代の担任

40歳くらいの放任主義な教師。男性。
田舎町の学校ということもあり、熱心に勉強を教えるよりも、子供達の自主性を育むほうが大事だと訴える。が、それは建前で、本音は面倒な指導を投げたいだけだったりする。
現在は遠くの学校へ転勤したらしく、連絡を取るのは難しい。