シカ全身骨格と同棲する:可動式全身骨格標本の一作例
12分圧縮の動画版が出ました👇️
視聴して物足りなかったらこの記事を読むといいです。
Q. これは何?
A. こんなやつです

はいスミマセン、もうちょっと真面目に経緯を書きます。
詩花羽なぬのさん主催の「学術V本気の自由研究2025~素人質問で恐縮ですが~」というイベントがあり、かねてより温めていたネタがあったので軽率に参加表明したら通ってしまい、そこで「夏休みの自由研究」をポスター形式にまとめて提出する、ということがあった。わたくし、昔は確かに学術っぽいことでVTuberデビューしていたが、今となってはマダミスとTRPGの人であり、出戻りで参加させて頂き恐縮である。主催とジャンル被ってシマ荒らしに来たんかみたいになってるし。
このイベント、時が経つにつれて規模感が大きくなっていった。YouTubeのライブ配信から始まり(ここ私はノータッチ)、千葉県四街道駅のVTuber用ライブハウス(そんな場所あるんだ)「Startrail」ロビーでのポスター掲示、さらに同所の現地/オンラインの有料トークイベント、加えてポスターのネットプリント版配布と、手広くアウトリーチしており、すごい。情報解禁の決まりごとのため、この記事が表に出るのはトークイベント後となるが、ここを見ている人もポスター掲示(10/5日曜まで)とネットプリント(10/27月曜まで)はまだ間に合うかもしれない。状況が少々流動的なので、最新情報についてはX(Twitter)の#学術V本気の自由研究2025を見るとよい。

で、件の自由研究、けっこう頑張ったし、大掛かりかつ出来の良い成果物も得られたので、折角ならYouTube動画にもしたいな~と思いメモ帳を立ち上げたものの、びっくりするほど筆が進まない。思うに動画の原稿というのは、文章の余計な部分を切り詰めて再構成する必要があり、それをいきなり書き出そうというのは、私にとっては慣れない高負荷の作業だったようだ。
つまりこの記事は、動画の原稿を作るにあたっての削る前の全部乗せ草稿であり、余計ないろいろも含め、私が思いつくままにそのまま流し込んだ内容になっている。これを読んでいる時、もしかしたら出ているかもしれない動画版は、本記事より内容が圧縮され、かつ画で見せるものになっていると思われるが、より徒然としたものをお好みの奇特な方は読んでいってください。

1. 序論
1-1. 筆者の紹介
わたくし、俎ほどき(名字は『俎上の鯉』に使われる字)は、混沌のVTuberを標榜しており、あるいは博物趣味のシナリオライター/アナログゲームデザイナーとも名乗っている。2025年現在、マーダーミステリーやTRPGといった、いわゆる卓上ゲームを作ったり遊んだりを主要な活動とさせて頂いている。

しかし、7年前の活動開始当初は、まさに骨格標本の作製を主題として動き出しており、これについていくつか動画を出していた。当時にそのカテゴライズがあったかはわからないが、学術系といってよいものであった。活動内容のシフトがなぜ起こったのか、はっきりとは覚えていないが、ハウツーをメインにしたものを数個出したところ、手の内を大体明かせてしまい満足してしまったという感じだった気がする。

活動内容は変われど、興味関心の方向性は不変だという自認があり、それを一言で表すなら「驚異の部屋」である。この珍品を集めた博物陳列室には、怪奇と科学の境目が曖昧な時代の、私好みの黴臭い空気がある。だから私は、混沌で、博物趣味なのである。
そして実際に、自室をささやかながらも驚異的な物品で満たし、暮らしの中で日々のインスピレーションを得ている。全く隠す気がないので骨とか丸見えの状態で人を家に上げるのだが、エアコンの設置とかで来る業者の方には、現在までスルーされ続けている。なぜなのかぜんぜんわからない。

1-2. 背景
VTuberを始める前から続けていることとして、これまで私は、様々な骨を採集し、自室に飾ってきた。最大級のものを挙げると、イノシシの頭蓋骨やアオサギの全身骨格標本がある。一番かさばるものでいうと、立派な角つきのエゾシカ雄の頭蓋骨になるだろう(帽子掛けとして使っている)。それなりに数も種類もあるのだが、これらはある制限の中に収まっている。すなわち、棚の中や、家具の上に置けるサイズであるというものだ。

以前、大型哺乳類であるエゾシカのほぼ全身分の骨を手に入れる機会があり、これを使って全身骨格標本(専門的な言い方をすると交連骨格)の組み立てにチャレンジしたいという気持ちはずっと持ち続けていた。博物趣味者の私とって、大型の全身骨格標本というのは、いわば博物館的空間のアイコンであり、その自作と所有は憧れであった。

しかし、現実的な問題として存在するのが、そんなものを自宅に置くと、間違いなく部屋を圧迫するという点だ。エゾシカの場合、一般的な台座付きで立ち姿勢の全身骨格標本のサイズは、角を除いた場合でざっくり試算すると、幅1メートル、奥行0.6メートル、高さ1メートルが最低ラインとなる。我が家の家具類に巻き尺をあてて近い寸法のものを探したところ、マンションサイズのドラム式洗濯乾燥機を2台横に並べると近い数値になることがわかった。一切の家事に貢献しない洗濯機2台を許容できる室内空間は、あなたのご自宅に存在するだろうか? 多くの場合、答えはノーである。
そこで今回行ったのは、可動式の全身骨格標本として組み立てることによって省スペース化を図る、という試みである。アイディアとしてはシンプルなもので、おそらくより洗練された方法論で作製されたと思われる「本物の骨で作られたマリオネット」を昔にインターネット上で見かけた覚えがある(現在は情報が見れなくなっているので詳細は控える)。具体的には、糸で骨同士を関節可動域を保持したまま繋ぐ、という手段をとる。非固定かつ台座なしで作製すれば、首や四肢を適宜折り曲げてコンパクトにでき、しっかりした床面に限らず設置や保管が可能な、大型動物の全身骨格標本が実現可能なのでは、というロジックだ。
リアル事情を付け加えると、現住所が以前より広い物件であり、VRとかをやる用に確保した空間をそれほど使わないということが判明したので、まぁ置く場所はどうにでもなるやろ、という楽観の後押しもあった。

ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
