【書籍紹介22】異常(アノマリー)
こんばんは。ほげーた2号です。
今回ご紹介する書籍紹介はこちら↓

エルヴェ ル テリエ (著), 加藤 かおり (翻訳)
「異常(アノマリー)」です。
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
嵐に突入する旅客機。パイロットからの緊急連絡を受けた管制官は、パイロットが伝える旅客機の情報に驚愕する。そして合衆国が想定する中でも最も起こる確率が低いとされる非常事態、プロトコル42の発動を宣言。
米国全土から集められた各分野の最高頭脳たちを前に、
事態の詳細が明かされる。
それはー
タプル(重複)。
この旅客機は、3ヶ月前に同じ空港に着陸していた。しかしそれは機体が同一なだけではなく、乗組員や乗客までが全て同じ。つまりこの世界に同じ人間が2人存在する異常事態。
科学者たちはこの事態を説明する理論として、シミュレーション仮説を打ち立てる。そして、もう一人の自分と対面することになる乗客たちの運命は。
デジタル分野の進化は凄まじいですが、十分な演算能力を持ったコンピューターなら、人間を含むすべてを生み出すことができる。我々は高度な文明によってシミュレートされたプログラムに過ぎない、というのがシミュレーション仮説です。現在のテクノロジーの進化スピードを考えれば、この仮説がそう遠くない将来、証明される、そんな可能性は十分ありえます。
しかし、本書は、そのような仮説をめぐる科学者の探求もほどほどに、乗客たちの運命や人生のほうがメインテーマと言ってよいと思います。
この世界は、人間一人ひとりが唯一無二の存在であることを前提にして回っていると思います。社会システムはもちろんのこと、家族や友人などの人間関係、そして私たち個人のアイデンティティ、私を私たらしめているものに、この唯一無二性があるはずです。もう一人の私が現れた時、これらを保てるのか、深く考えさせられるテーマだと思います。
SF+人間ドラマ。この辺りのジャンルが好きな方にお勧めです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
※Talesで小説を書いています。こちらもよろしくお願いします。
