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実録:縁切りの店(前編)~黄色いお好み焼き屋の奇妙な法則~

これは以前から不思議に思っていたことだったのだけど
今回、あえて書いてみる。

入社した会社の仕事は「孤独のワンオペ」業務

西暦2008年、私は齢四十を回っていた。
私はとあるY市の会社に入社した時、なぜか私だけ同じY市の
取引先会社のデータセンター内にある「小部屋」に一人で
赴任するようになった。
クリミナル・マインドのペネロープ・ガルシアのように
ワンオペでコールセンターの受付と現地作業者手配とリモートで
故障解析をすることになったのである。
この話については、実は色々エピソードがあるのだが今回は割愛する。
問題はその「はなれ」での昼食だった。

朝は最寄り駅のドトールでモーニングか商店街のパン屋で買って
事務所で食べていた。昼食をとる場所があるにはあったが
最寄り駅から事務所は徒歩で15分近く離れていて
更にワンオペの都合上
「昼食中でも携帯に問い合わせが転送されたらすぐに戻れ」
という制約があったので、とにかく近所で済ますしかない。
しかも事務所の周りはファミレスと年一ペースで店名が変わる
中華レストラン^^;あとは駐車場が妙に大きい
「昭和のレストランみたいな平屋建ての地元のチェーン店」
だった。
蕎麦屋もあったが、味は微妙。そしてどの店も値段が高い。。。
当時給料が安かった私は結局、月曜から木曜までは玄米を炊いた
弁当を持っていき、おかずをコンビニで買い唯一金曜だけは外食を
するようにした。
炊飯器が旧型のものを使っていたので炊いた玄米はおいしくない。
食のストレスと、さらに襲い掛かってくる住宅ローン。そして
”ワンオペ”という多重ストレスの緩和の場所として、色々と店を
探していたら、とある小さなお店を見つけた。

オアシスは灯台の下にあった

テーブルが4つとカウンターだけの細長い店舗は、内装を黄色でまとめ
店自体はやたら明るかった。そしてテーブルには年季の入った鉄板が
据え付けられていた。店員は初老のマスター一人。
メニューを見ている私に話しかけてくる。
「にいさん、お勤め先は近いんですか?」
と聞いてきた。作業服姿だったので仕事中だと分かったようだ。
「ここの裏の○○に間借りしているんです」
と言ったらすぐに分かったらしい。
「関西お好み焼き」と店名にあるその店のお好み焼きと焼きそばは
鉄板から材料までこだわりの店だった。ランチライムにはご飯と
味噌汁が付いてくる。まさに「関西のお好み焼きの店」そのものだ。

マスターは某金融機関の重役まで行った人だったが、体調を崩して
早期退職し、自宅に近い店舗を借りて関西お好み焼き店を始めたらしい。
支店長廻りで各地を転勤していた時代に、その土地の地酒を覚え
店を始める時に一気に揃えていったらしい。どおりで棚に置いてある
日本酒のバリエーションが豊富なわけだ。

金融機関のシステム周りについても精通していて、こだわりが強い上に
営業トークが出来る元企業戦士のマスターだから、私にとっては
いい相談相手ができたと思った。
仕事帰りに寄った時は、新メニューの試食をさせてくれたり、色々と
深いお話もした。
駄菓子菓子。。。
その後私は、あることに徐々に気づき始めていた。。。
(続く)

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