毎日1時間登校しかできない小5娘が、野外活動(キャンプ)行けたワケ
「野外活動に行く」
娘がそう言いました。
それを聞いて、一番驚いたのは私だったかもしれません。
娘は1年生から学校へ行けない時期が長くありました。
情緒不安定でスイッチが入ると明け方まで暴れたり、布団にもぐって出てこないこともあったり。
だから私の中では、泊まりのある野外活動なんてずっと縁のない行事だと思っていました。
みんなで山へ行って、ご飯を食べて、お風呂に入って、友達と一緒に寝る。
翌日は朝から野外炊飯で焼きそばを作り、森の中で食べる。
盛りだくさんで、娘にとってはかなりのハードスケジュールです。
そんな学校生活の一コマは、娘にはまだまだ遠いものだと思っていました。
だから最初に野外活動の話が出た時も、
「行かない。」
「行けない。」
「絶対無理。」
「山なんか絶対行かへん。」
そう言っていました。
私も、「行けるわけがない」と思っていました。
ところが、そこから少しずつ娘の気持ちが変わっていきました。
野外活動について、先生やクラスの子と話をしたり、アート部で同じ趣味の子たちとの出会いもあり。
そして、娘の大好きなアイドルグループたちの存在も大きかったように思います。
動画配信の中で、彼らが林間学校や修学旅行の思い出を楽しそうに話す姿を見て、
「同じ体験をしてみたい。」
そう思うようになったそうです。
誰かと同じ景色を見てみたい。
誰かと同じ思い出を作ってみたい。
そんな気持ちが、少しずつ娘の背中を押してくれたのかもしれません。
そしてある日、学校にお迎えに行くと
「野外活動に行ってみる。」
と言いました。
『ええーーーー!!
い、行くん??ほんまに?』
本当にびっくりしました。
娘は自信満々で行くと言っています。
不安そうな様子はありません。
先生や友達、
推しの力は偉大です。
学校に行けなかった子が勇気を持てたことに驚きました。
その瞬間から私のドキドキも始まりました。
荷物の準備をしながら、
ちゃんと着替えられるかな。
お風呂は大丈夫かな。
夜は眠れるかな。
しんどくなった時、先生に「休みたい」と言えるかな。
考え始めると、いくらでも出てきます。
本当は私のほうが緊張して、心配でたまりません。
娘には、たぶんバレバレ。
長年一緒にいるので、私が心配していることくらい、すぐ分かるはず。
でも、不安にならないように明るく元気に送り出すのが私の役目だから、平気そうな顔をしていました。
娘が不安になったりしないように、何か御守りになるものを入れようか悩んでいたら、
娘が推しのぬいぐるみがあれば頑張れる!というので、ボストンバッグの内ポケットにそっといれました。
時々こっそり見て元気をもらってね!と伝えました。
林間学校、野外活動、私も小中学生時代に経験しましたが、正直過酷です。
昭和の私の記憶は、古い施設、トイレはくさい、ご飯もおいしくない、お風呂はたった5分、森の中だから虫だらけ、布団も使い回しだから気持ち悪い、とにかく広くて移動が多い。
夜、友達とおしゃべりしているのが先生にバレたら、連帯責任で全員殴られて廊下に正座させられる。
そんな時代でした。
まるで一日体験の軍隊のようなイメージ。
令和の今は、まさかそこまでではないにしても、集団行動はやはり少なからず軍隊的。
普段学校に行っていない子が行けるのか?と強い不安や心配がありました。
成長してほしい。
でも、無理はしてほしくない。
挑戦してほしい。
でも、傷ついてほしくない。
親になると、こんなにも矛盾した気持ちを抱えるんだなと思います。
野外活動がどんな一日になるのかは分かりません。
思っていたようにいくかもしれないし、途中でしんどくなるかもしれません。
それでも、私が一番うれしかったのは、
「行けるようになった」ことではなく、
「行ってみたい」
と思えたことです。
その気持ちこそが、この数年間で娘が積み重ねてきた成長なのだと思っています。
娘には
「無理しなくていいよ。いつでも迎えにいけるからね」
と行って送り出しました。
帰ってきたら、どんな話が聞けるのか。
今は、それを楽しみに待とうと思います。
