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#17 保険会社の格付けと倒産リスクの真実【元保険屋が絶対に教えてくれない業界の闇】

はじめに


「この保険会社、大丈夫ですか?」

保険の契約をする時、こう聞いたことはありますか?

営業マンは必ずこう答えます。「うちは大手ですから安心です」「格付けも高いので問題ありません」

でも本当にそうでしょうか。

日本では過去に複数の保険会社が実際に経営破綻しています。破綻した瞬間、契約者が受け取れる保険金は大幅にカットされました。

千代田生命、協栄生命、大正生命、東京生命——これらは全て実際に破綻した保険会社です。「大手だから安心」という神話が崩れた瞬間を、業界の人間は全員知っています。

それでも営業マンは「安心です」と言い続けます。

私は大手保険会社で管理職まで経験しました。格付けの仕組みも、破綻時の実態も、内側から見てきました。

この記事では、保険会社の格付けの正しい読み方と、本当のリスクの見極め方を全て公開します。

読み終わった後、どの保険会社が本当に安全かを自分で判断できるようになります。


CHAPTER1 保険会社の破綻は「過去の話」ではない


日本で起きた保険会社の破綻の歴史

多くの人が「保険会社は潰れない」と思っています。しかし事実は違います。

1997年から2001年にかけて、日本では7社もの生命保険会社が相次いで経営破綻しました。

破綻した主な生命保険会社

これらは全て実在した保険会社です。「聞いたことがない会社ばかり」と思うかもしれません。しかし千代田生命は破綻当時、契約者数が約300万人、資産規模が約5兆円という大手でした。

「大手だから安心」という考え方が、いかに危険かがわかります。

破綻したら何が起きるか

保険会社が破綻した場合、契約はすぐに消滅するわけではありません。「生命保険契約者保護機構」という制度があり、一定範囲で契約者を保護する仕組みがあります。

ただしこの保護には重大な落とし穴があります。

保護される範囲は責任準備金の90%までです。つまり最大で10%は削減されます。さらに予定利率(将来の運用利回りの約束)が引き下げられることで、受け取れる保険金が大幅にカットされることがあります。

実際に破綻した会社の契約者は、予定利率の大幅引き下げによって受け取れる保険金が20〜30%減少したケースもありました。

「90%保護されるから安心」という話ではないのです。


CHAPTER2 格付けの仕組みと正しい読み方


格付けとは何か

保険会社の「格付け」とは、外部の格付け機関が保険会社の財務健全性を評価した指標です。

主な格付け機関は以下の通りです。

• S&P(スタンダード&プアーズ)
• ムーディーズ
• フィッチ・レーティングス
• R&I(格付投資情報センター)
• JCR(日本格付研究所)

格付けはアルファベットで表示されます。S&Pの場合、AAAが最高格付けで、以下AA・A・BBB・BB・Bと続きます。BBB以上が「投資適格」とされています。

格付けを信じすぎてはいけない理由

格付けは参考にはなりますが、絶対的な安全の証明ではありません。

2008年のリーマンショックの際、格付け機関が高評価をつけていた金融商品が次々と破綻したことは記憶に新しいです。格付け機関も完璧ではないのです。

また格付けは過去と現在の財務状況を評価したものであり、将来のリスクを完全に予測できるものではありません。

さらに重要なポイントとして、格付けは保険会社が費用を払って取得するものです。格付け機関と保険会社の間には利益相反の構造があることも念頭に置いてください。

本当に見るべき財務指標

格付けだけでなく、以下の指標も合わせて確認することで、より正確な健全性判断ができます。

①ソルベンシー・マージン比率

保険会社の支払い能力を示す最重要指標です。通常では想定されないような大規模なリスク(大震災・株価暴落など)が発生した場合でも、保険金を支払える能力があるかを示します。

200%以上が健全とされており、200%を下回ると金融庁の監督対象になります。

一般的に健全な保険会社のソルベンシー・マージン比率は500〜1,000%以上です。この数値が低い会社は注意が必要です。

②基礎利益

保険会社の本業での稼ぎ力を示す指標です。株式の売却益などの一時的な利益を除いた、純粋な保険事業での収益力です。

この数値がマイナスまたは低い会社は、本業で稼げていない状態であり注意が必要です。

③実質純資産

保険会社が保有する資産の実質的な価値から負債を引いた金額です。この数値がマイナスになると、実質的な債務超過状態であり危険信号です。

④保有契約件数・保険料収入の推移

契約件数や保険料収入が年々減少している会社は、ビジネスの縮小傾向にあります。縮小が続くと財務基盤が弱まるリスクがあります。


CHAPTER3 安全な保険会社の見極め方


財務諸表の確認方法

保険会社の財務情報は、各社のホームページで公開されています。「ディスクロージャー資料」または「財務データ」というページに掲載されています。

難しそうに見えますが、確認するポイントは以下の4つだけです。

ソルベンシー・マージン比率が500%以上あるか。基礎利益がプラスかつ安定しているか。実質純資産がプラスかつ増加傾向にあるか。保有契約件数が安定または増加しているか。

この4点を確認するだけで、財務の素人でも大まかな健全性判断ができます。

規模だけで判断してはいけない

「大手だから安全」は危険な思い込みです。一方で「小さい会社は危険」というわけでもありません。

財務指標が健全であれば、規模に関わらず安全性は高いと判断できます。むしろ規模が小さくてもソルベンシー・マージン比率が高く、財務が健全な会社は十分に信頼できます。

外資系保険会社のリスクについて

外資系保険会社の場合、追加で確認すべきポイントがあります。

親会社の財務状況です。日本法人の財務が健全でも、親会社が経営危機に陥った場合に影響を受ける可能性があります。

また為替リスクです。外資系保険会社が日本で集めた保険料を外国で運用している場合、為替変動が会社の財務に影響することがあります。


CHAPTER4 長期契約時のリスクを正確に理解する


30〜40年後の保険会社を誰も予測できない

終身保険や養老保険など、長期にわたる契約をする場合、特にリスク管理が重要です。

今健全な保険会社が30年後も健全である保証はありません。逆に今やや規模が小さい会社が30年後に大手になっている可能性もあります。

長期契約をする際は、現時点での財務健全性だけでなく、その会社のビジネスモデルが将来も持続可能かどうかを考える必要があります。

予定利率のリスク

バブル期に高い予定利率(年5〜6%)で契約した保険の契約者は、保険会社にとって「逆ざや」の原因になりました。これが1990年代後半の保険会社破綻の主な原因の一つです。

現在の超低金利環境では、保険会社が約束した予定利率を運用で達成するのが難しい状況が続いています。この構造的なリスクは今も続いています。

長期の貯蓄型保険に加入する際は、この予定利率リスクを念頭に置いてください。


CHAPTER5 万が一の時にどう動くか


加入している保険会社が破綻した場合の対応手順

万が一、加入している保険会社が破綻した場合の対応手順をお伝えします。

STEP1 落ち着いて情報収集する

破綻直後は様々な情報が飛び交います。まず金融庁のホームページや生命保険契約者保護機構の公式情報を確認してください。

STEP2 契約の移転先を確認する

破綻した保険会社の契約は、別の保険会社や保護機構に移転されます。移転先と新しい契約条件を確認してください。

STEP3 予定利率の変更内容を確認する

予定利率が引き下げられる場合、受け取れる保険金がどれだけ変わるかを計算してください。

STEP4 継続か解約かを判断する

契約を継続するか、解約して別の保険会社に乗り換えるかを判断します。解約の場合は解約返戻金の額と、新規加入時の保険料上昇を比較してください。

分散という考え方

リスク管理の観点から、複数の保険会社に分散して加入するという考え方もあります。

一社に全ての保険を集中させるより、2〜3社に分けることで一社が破綻しても全ての保障を失うリスクを減らせます。ただし保険料管理が複雑になるデメリットもあります。


まとめ


日本では過去に7社の生命保険会社が実際に破綻しています。「大手だから安全」は根拠のない思い込みです。

格付けは参考になりますが、絶対的な安全の証明ではありません。格付けと合わせてソルベンシー・マージン比率・基礎利益・実質純資産・保有契約件数の推移を自分で確認してください。

長期契約においては予定利率リスクを念頭に置き、一社への集中リスクを分散させることも検討してください。

万が一破綻した際は、落ち着いて公式情報を確認し、契約移転の内容と予定利率の変更を確認した上で継続か解約かを判断してください。


おわりに


保険は長期にわたる契約です。だからこそ会社の健全性を自分で判断できる知識が必要です。

「今入っている保険会社の財務状況を確認したい」「どの会社が安全か相談したい」という方は、コメントやXのDMでお気軽にどうぞ。

次回は「保険会社が絶対に公開しない苦情件数ランキング」を公開予定です。フォローして見逃さないようにしてください。

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