🏙 街で読む経済 第155回 ~店にあるのに「商品」じゃない?~
👔 日常に戻った街
お盆休みが終わり、
街は少しずつ、
いつもの姿に戻ってきました。
駅には通勤客が戻り、
コンビニには、
朝のコーヒーを買う人が戻ってきます。
そして、
住宅街や駅前のクリーニング店にも、
仕事着を持ち込む人や、
仕上がった衣類を受け取りに来る人の姿があります。
店の中をのぞくと、
たくさんのYシャツやスーツが、
ラックにずらり。
ここで、
ふと気づきます。
あれだけ服が並んでいるのに、
店の商品は一着もない。

🏪 商品を仕入れない店
スーパーには、
野菜や肉、
飲み物が並んでいます。
洋服屋には、
シャツやジャケットが並んでいます。
当然ですが、
お店が仕入れた商品です。
それを販売して、
売上になります。
ところが、
クリーニング店は違います。
店に並んでいる服の多くは、
お客さんが持ってきたもの。
お店が売るために、
仕入れた服ではありません。

🧺 売っているのは「きれいにすること」
では、
クリーニング店は、
何を売っているのでしょう。
答えは、
服ではありません。
預かった衣類を、
洗い、整え、
きれいな状態にして返す。
つまり、
「きれいにして返す」というサービス
を売っています。
同じように店を構えていても、
商品を仕入れて販売する小売店とは、
まったく違う商売なのです。

💴 お金の流れも少し違う
もう一つ、
面白いところがあります。
クリーニング店では、
衣類を預けるときに、
料金を支払う方式もよく見かけます。
お店から見ると、
サービスを提供する前に、
代金を受け取る形です。
もちろん、
洗剤。
水道や電気。
機械や設備。
人件費。
店舗の家賃。
さまざまな費用はかかります。
それでも、
商品を大量に仕入れて、
売れるまで在庫として抱える商売とは、
お金の流れが少し違います。

📦 たくさんあるのに「在庫」ではない
店の奥には、
仕上がったYシャツやスーツが、
たくさん並んでいます。
見た目だけなら、
洋服屋の在庫にも見えます。
でも、
その一着一着には、
すでに持ち主がいます。
売れ残る服ではありません。
受け取りを待っている服です。
店内にたくさんのモノがあっても、
その意味は、
商売によってまったく違うのです。

🔄 モノではなく、技術や手間を売る
街には、
商品を仕入れて売る店だけがあるわけではありません。
髪を切る美容室。
靴を直す修理店。
時計を直す店。
そして、
衣類をきれいにするクリーニング店。
そこにあるモノではなく、
人の技術や、
設備や、
手間によって生まれる価値を売っています。
普段は何気なく利用していますが、
小売店とは違った経済が、
そこでは動いているのです。

【一言コラム:引き取られない「預かり品」】
クリーニング店にある服は、お店の「在庫」ではなくお客様からの「預かり品」です。
しかし、仕上がった服が長期間引き取られないと、お店の限られた保管スペースを圧迫してしまいます。商品を仕入れて売るビジネスとは違い、預かった服をいかにスムーズにお返しして「空間」を空けるか。それが、クリーニング店の経営を支える大切なポイントになっているのですね。
📝 最後に
休み明けのクリーニング店。
ラックには、
たくさんのYシャツやスーツが並んでいます。
でも、それは商品ではありません。
全部、誰かの暮らしから預かったものです。
店が売っているのは、
服ではなく、
「きれいにして返す」という価値。
街のお店は、
モノを売るところばかりではありません。
店先に何が並んでいるのか。
そして、
そこで本当は何を売っているのか。
そんな目で街を眺めてみると、
いつものクリーニング店も、
少し違って見えてくるのかもしれません。
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