副業:街の小さな駐車場(第9話)― 崩れていく日常と、その先に見えた不安 ―
🌙 崩れていく日常と、その先に見えた不安
静かに積み上げてきた日常ほど、壊れるときは一瞬である。
街の灯が消え、人の流れが止まり、
「コロナ禍」という言葉が日常に染み込んでいった。
出勤は制限され、仕事は減り、
気づけば、時間だけが余るようになった。
🧾 本業の減収、そして副業への影響
最初に変わったのは本業だった。
出勤停止、勤務時間の短縮、報酬の減額。
これまで当たり前に続いていた生活が、音を立てて崩れていった。
それでも、副業の駐車場だけは変わらなかった。
月末にはいつも通りの入金。
「ここだけは大丈夫かもしれない」
そう思っていたのです。
けれど、それも長くは続きませんでした。
「今月だけ、支払いを少し待ってほしい」
「しばらく車を使わないので、いったん解約したい」
そんな連絡が、少しずつ増えていきました。
💬 崩れゆく日常の中で
長年、滞納など一度もなかった利用者。
それでも、職を失い、車を手放す人が現れた。
私は、“誰も悪くない”とわかっていながら、
どうすることもできませんでした。
一時的な減収。
それでも、生活を揺るがすには十分でした。
「この先も、何が起きるかわからない」
そう思ったとき、心のどこかで
“備えておかなければ”という焦りが生まれたのです。
🩹 思わぬ試練と、その後の転機
けれど、次に訪れたのは、
経済ではなく、身体のほうの問題でした。
ある日、手をケガしてしまい、
しばらく本業の作業ができなくなったのです。
収入はさらに減り、
副業も、ただ「守る」だけの状態。
それでも、すぐに何かを思いつけるわけではありませんでした。
むしろ、無力さばかりを痛感していました。
ただ、あの時間がなければ、
「コインパーキングの開業」 という次の発想も
生まれなかったかもしれません。
🔗 このときの出来事は、別連載「コインパーキング編」で詳しく書いています。
👉 手をケガした日の記録と転機の瞬間(コインパーキング編 第1話)
🌇 不安とともに始まった再生の種
コロナ禍で日常が止まり、
ケガで仕事も止まった。
それでも、
止まった時間の中でしか見えないものがある。
あのとき感じた焦りと不安こそが、
新しい道を探すきっかけになったのです。
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