副業:街の小さな駐車場(第2話)受け継いだだけの場所
🌿 土地の話は、いつも面倒から始まる
コインパーキングの裏側を書いたあとで、もう一つの場所の話をしておきたいと思った。
それは、生まれる前から存在していた「月極の駐車場」である。
祖父の代で買われ、父の代で受け継がれ、そして今、私が見ている土地だ。
この場所の話は、いつも少しややこしい。
🏡 祖父が買った「すでにできていた土地」
祖父がその土地を買ったのは、もう半世紀も前のことらしいです。
当時すでに駐車場として使われていた土地を、そのまま引き取ったと聞きました。
整地も白線も揃っていましたが、契約関係はあいまいでした。
「誰の土地で、誰が使っているのか」その線が、すでにぼやけていたのです。
📜 名義が増えていくという“遺産”
祖母から父へ、そして叔父や叔母へと相続が重なり、名義は複雑に入り組んでいきました。
登記簿を開くと、知らない名前まで並んでいる。
共有名義というのは、便利なようで、いちばん面倒な形です。
税金を立て替える人もいれば、固定資産の明細を見たこともない人もいる。
それでも、毎年なんとなく「経営されてきた」。
🧾 零細不動産業者との付き合い
父は管理を引き受けていましたが、すべてを自分で動かすわけではありませんでした。
地元の小さな不動産業者に、請求と入金の管理を任せていたのです。
事務所は古びた木造の建物で、壁には色あせた賃貸広告が並んでいました。
担当者は少し大ざっぱな人で、毎月、入金と契約の状況を自己流の書式でまとめた報告書を出していました。
父はその報告をもとに、固定資産税を支払い、他の共有者に分配していたのです。
🕰 管理が「回っているだけ」の時代
見た目には、管理がうまく回っているように見えました。
けれど実際には、何も変わっていませんでした。
老朽化したフェンス、傾いた看板、空き区画が出ても、契約の申込が来るまでに何か月もかかる。
それでも、誰も文句を言いません。
小さな土地に手間をかけるほどの興味も暇もなかったのだと思います。
💬 「資格があるなら、あなたが見ておけば?」
そんな頃、親戚の集まりでこの土地の話題が出ました。
「宅建、持っていたよね?」
その一言で、空気が変わりました。
不動産の仕事をしていたわけではありません。
けれど、資格を持っているというだけで、私が新しい管理者の候補になりました。
特別な理由があったわけではありません。
ただ、誰かが引き受けなければならなかったのです。
🌇 責任の芽が出はじめた頃
最初は、ただ「代わりに見ておく」つもりでした。
通帳を開いても、黒字とは言いがたい数字。
けれど帳簿の中の手書きの文字に、祖父や父の気配のようなものを感じました。
儲かっていないことはわかっていました。
それでも、どこかで“放っておけない”と思ってしまったのです。
祖父が買い、父が維持し、そして私にまわってきた土地。
受け継いだだけの場所。
けれどこの頃にはもう、その“だけ”の中に、自分の責任が入り込み始めていました。
前回はこちら👇
続きはこちらから👇
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
スキやフォロー、コメントで応援してもらえると嬉しいです。
#副業 #不動産活用 #街の小さな駐車場 #月極駐車場 #実業 #副業メモ #働くということ #暮らしの記録 #継ぐということ #note連載
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたものは全て活動のために使わせていただきます。