国税通則法④ 国税通則法における税額修正の仕組み―修正申告と更正の請求の実務判断
今回の見出し画像は「玉造温泉」です。
清少納言が「枕草子」で『湯はななくりの湯 有馬の湯 玉造の湯』と讃えた「ななくりの湯」である「榊原温泉」のこと、そして「有馬温泉」のことを書かせていただきましたが…
「玉造温泉」にも一度行ったことがあります。
以前の記事でも書かせていただきましたかね…
会社に入社した最初の夏休み、会社の行事として玉造温泉に施策旅行で行く事になり…
その下見のために、なぜか自費で行ってきました!
夜行バスに乗って…
出雲大社でお参りして…
松江城に行って…
お宿へ!
施策旅行の下見のためなので…
お宿も高級!
新入社員の私には出費が痛い!
『出雲国風土記』では「一たび濯げば形容端正しく、再び沐すれば万病悉く除ゆ(一度入ると美しくなり、再び入ると万病が治る)」と記されているみたいですね…。
お湯は素晴らしかったと思います。
ただ、当時はまだ温泉がそんなに好きだった訳ではないので…
今みたいに何度も何度も入り直すことは無かったです。
もったいない!
さて、本論です。
申告納税方式のもとでは、税額は納税者の申告によって一旦確定します。
しかし、その申告が常に正しいとは限りません。
実務では、申告後に誤りに気づく場面が少なくありません。
その際に問題となるのが、「どの手続で修正するか」という判断です。
主な手段として用意されているのが、修正申告と更正の請求です。
この二つは似ているようで性質が大きく異なり、選択を誤ると不利益につながる可能性があります。
本稿では、それぞれの制度の違いと実務上の判断ポイントを整理します。
税額修正の基本構造
税額の修正は、「確定後の税額を変更する手続」です。
申告納税方式では、申告によって税額が一旦確定しますが、その後に次のような状況が生じることがあります。
申告漏れがあった
計算ミスがあった
過大に申告していた
こうした場合に、確定済みの税額を見直す必要が生じます。
この修正手続が、修正申告と更正の請求です。
修正申告の仕組み
修正申告は、納税者が自ら申告内容を見直し、税額を増額する手続です。
典型的には、所得の計上漏れや経費の過大計上などにより、本来よりも税額が少なく申告されていた場合に行います。
この制度の特徴は次のとおりです。
納税者が自主的に行う
税額は増加方向に修正される
期限の制限は基本的にない(ただし時効の制約はある)
修正申告は、税務調査で指摘を受ける前に行うかどうかで、加算税の取扱いが変わる点が重要です。
自主的に行えばペナルティが軽減される可能性があります。
更正の請求の仕組み
更正の請求は、納税者が「税額を減らしてほしい」と求める手続です。
例えば、
経費の計上漏れに後から気づいた
控除を適用し忘れていた
といった場合に利用されます。
この制度の特徴は次のとおりです。
税額を減額する方向の修正
税務署に対して請求を行う形式
原則として法定申告期限から5年以内という期限がある
更正の請求は、あくまで「請求」であり、必ず認められるとは限りません。税務署が内容を審査し、認めた場合に初めて減額が実現します。
修正申告と更正の請求の違い
両者の違いは、実務上明確に整理しておく必要があります。
まず方向性が異なります。
修正申告:税額を増やす
更正の請求:税額を減らす
次に手続の性質が異なります。
修正申告:納税者の意思で完結
更正の請求:税務署の判断を要する
さらに、期限の有無も重要な違いです。
修正申告:原則として期限の制約は緩い
更正の請求:厳格な期限が存在する
この違いを踏まえると、両者は「対称的な制度」でありながら、実務上の扱いは大きく異なることが分かります。
判断を誤りやすいケース
実務では、次のような誤解が多く見られます。
減額したいのに修正申告をしてしまう
修正申告は増額専用の制度であり、減額には使えません。
この誤解により、不適切な手続が行われるケースがあります。
更正の請求の期限を過ぎる
減額の機会は期限によって制限されています。
期限を過ぎると、正しい税額であっても修正できなくなる可能性があります。
税務調査後の対応判断の誤り
調査で指摘を受けた場合に、修正申告と更正のどちらで対応するかを誤ると、加算税などの負担が変わることがあります。
実務上の判断フレーム
実務では、次のような整理が有効です。
税額を増やす場合 → 修正申告
税額を減らす場合 → 更正の請求
判断に迷う場合 → まず方向性(増減)を確認
さらに、
期限内かどうか
調査前か調査後か
といった要素も加味して判断する必要があります。
このように、単純な制度理解に加えて、状況に応じた判断が求められます。
結論
申告後の税額修正には、修正申告と更正の請求という二つの制度が用意されています。
両者は税額の増減という方向性の違いだけでなく、手続の性質や期限にも大きな差があります。
この違いを正しく理解することが、適切な実務判断につながります。
申告納税方式のもとでは、「確定後も税額は変わり得る」という前提に立ち、状況に応じて適切な修正手続を選択することが重要です。
次回は、確定した税額を実際にどのように納めるのか、納付と徴収の仕組みについて整理していきます。
参考
税務大学校「国税通則法(基礎編)」令和8年度版
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