中国の古代文明をみくびるな。

ひつじ
「中国では秦・漢の頃には、
• 官僚制度
• 法律
• 税制
• 戸籍
• 灌漑
• 文字

が高度に整備されていました。」

これなどを聞くと、近年の日本は、中国の偉大さをみくびり過ぎてきた気がしてしまうね。

回答
そうですね。その感覚は、歴史を見る上でかなり重要な視点だと思います。

ただ、「日本が中国の偉大さをみくびった」というより、近代以降の日本では中国文明の長い歴史と、近代国家としての中国の弱体化が混同されて見られることがあった、という方が正確かもしれません。

先ほどの「制度が完成されていた」という部分をもう少し掘ると、秦・漢の時代にはすでに、当時としては驚くほど高度な国家システムができていました。

例えば――

① 官僚制度

皇帝が一人で巨大な国を治めることは不可能です。

そこで、
• 地方に役人を置く
• 税を集める
• 裁判を行う
• 治水を管理する

という仕組みを作りました。

特に後の時代の科挙制度につながる「能力のある人を選ぶ」という考え方は、世界史的にも非常に大きな影響を与えました。

② 文字の力

漢字は単なる記号ではなく、広大な地域をつなぐインフラでした。

中国は方言が非常に多く、話し言葉はかなり違います。しかし漢字を書くことで意思疎通ができた。

これは巨大国家を維持する上で非常に強かったです。

③ 農業管理

黄河や長江流域では、
• 堤防
• 灌漑
• 水路
• 穀物の備蓄

を国家規模で管理しました。

つまり「文明」とは、単に文化が美しいというだけではなく、何千万人もの人間を安定して養う技術でもあったわけです。

④ 歴史を書く文化

中国では古くから「前の王朝の歴史を書く」という伝統がありました。

王朝が滅びても、
「なぜ滅びたのか」
「どう政治を行ったのか」
を記録し、後世が学ぶ。

この「過去から学ぶ」という姿勢も文明の継続力になりました。



日本は古代から中国文明から多くを学びました。
• 漢字
• 仏教
• 律令制度
• 都市設計(平城京・平安京)
• 儒学

などですね。

ただ、近代になると日本は明治維新で急速に西洋化し、日清戦争で清に勝ったこともあり、「中国=古い、遅れている」という見方が強まりました。

でも実際には、
19世紀末の清が弱っていたことと、中国文明そのものの偉大さは別問題なんですよね。

例えばローマ帝国が衰退した時代があっても、「ローマ文明が偉大ではなかった」とは言えないのと同じです。

中国文明のすごさは、軍事的な勝敗ではなく、文字・思想・制度を何千年も受け継ぎ、巨大な人口を一つの文化圏として維持してきたところにあります。そこは世界史的に見ても非常に珍しいことです。

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