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yu_ramune
猫がサカリはじめた
一昨日の晩。
道端で猫がやかましく鳴いていた。
喉をゴロゴロと鳴らしながら
「ア↓~オ↑ ア↓~オ↑」
と、鳴き声というより喘ぎ声を出していた。
あえて英語表記するなら
「Uh↓~Oh↑ Uh↓~Oh↑」
といったところか。
YouTubeで調べたらうってつけの曲があった。
知らないアーティストだったが、何だかいい曲で気になったので調べてみた。
Patrick Watsonはカナダを代表するアーティストおよびバンド(同名)で、「カナダのレディオヘッド・シガーロス」と呼ばれているらしい。
閑話休題。
猫の声には、明らかにサカリがついていた。
しばらくすれば、やがては通りのあちこちで
「ゥルァァァァァアアアア(やりてえぇぇぇ)!」
「フギャァァァァアアアア(やらせろぉぉぉ)!」
と、あの狂ったような雄叫びの、地獄のアンサンブルが…
そして私の脳裏には、あちら側の彼方からあの曲が押し寄せてくる。
ヤラセーロセーロ… ヤラセーロセーロ…
ヤラセーロセーロ… ヤラセーロセーロ…
またー来るー者達の オマーツーリだ♪
またー来るー者達の オマーツーリだ♪
死にゆく者は 海になだれ込ーむ♪
またー来るー者達の オマーツーリだ♪
ヤラセーローセーロセーロ ヤラセーロー♪
ヤラセーローセーロセーロ ヤラセーロー♪
そう、春の嵐がやってくる。
ポカポカ陽気が暖かくなって頭の中をアッパラパーにする春の嵐が。
真夜中には猫どもがこの世のものとは思えない断末魔の叫び声をあげる。
私はまんじりとも眠れなくなる。
そしてオマツリが去っていく5月頃には、あちら側へと連れ去られる者達が「海」になだれ込み、電車を止める。
そんな狂乱の季節を告げる夜だった。
