ハゲ

ハゲる夢を見た。
前頭部から頭頂部にかけて、絶望的にハゲていた。

仕方なく、覚悟を決めて頭髪を刈った。
露わになった私の頭は、エイリアンのような異形だった。
うわああああああってなった瞬間に起きた。

恐る恐る前頭部をさわる。
私の髪はあった。
近頃生え際が怪しいとは思いつつ、髪はいつも通りあった。
ただの悪夢だった。

私は生まれつき頭がデカく、おでこが広い。目のすぐ上で、おでこの急な段差がある。そのため、目の周囲が影になりやすい。
小学校では「頭がい骨」とバカにされ、兄からは「フラスコ頭」とバカにされた。なので頭の形は自信がない。というか坊主にするのが怖い。

社会人になると、今度は周囲から「お前はハゲる」と言われ続けた。
ところがどっこい、私は46歳現在もハゲてはいない。生え際は多少気にするようにはなったが、昔から変わっていない気もする。
何より、抜け毛の量に変化がない。

私を「フラスコ頭」とバカにしていた兄はハゲている。典型的なM字と頭頂部の複合タイプ。ハミルトンノーウッド分類を見れば一目で診断できそうだ。
兄は服装のみならず、外見に一切の関心が無いらしい。親からハゲを笑われても、一向に気にすることもない。
ハゲとの関連性は不明だが、最近やたらと脂臭い。これはもはや周囲が迷惑をこうむる問題なので、臭いは何とかして欲しいと思う。

父は年相応に薄くなってはいるが、兄のように顕著なハゲ(AGA:男性型脱毛症)ではなかった。兄は恐らく隔世遺伝だろう。

私は生え際が後退したら悩むだろうか。恐らくは悩む。私は若く見られる傾向があり、実年齢を言った時の相手の反応を楽しみにしている。
ハゲてしまったら、そんなささやかな楽しみが無くなる。

というか、自分の中で数少ない「自分の事が好きな要素」が減る。これは私にとって大問題だ。ただでさえ自己嫌悪にさいなまされているのに、それを何とか抑え込んでいた軸がブレブレになってしまう。

そんな訳で、AGAに対しては今後、アンテナを張っていこうと思う。
AGAは早期の対策が重要。
見た目が薄くなる前に、抜け毛の変化に細心の注意を払うべし。
フィナステリドは予防、ミノキシジルは気長に。
ミノタブには手を出したくない。アレはやはり危険度が高い。頭皮の血流を大幅に増やすので、頭にケガをしたら出血量が半端ない。もちろん体毛が濃くなる。強引に髪を増やすことは、その分代償(体への悪影響)もデカい。

私は脂漏性皮膚炎を治療中であり、かつダイエット中である。ファストフードは数カ月に1回程度、揚げ物はほとんど口にしない。甘いものも控えている。
食生活においては問題ないと思っている。
ただし慢性的な不眠症なのがネックだ。
ここ数年、深い眠り(気がついたら朝だった的な)が一切ない。夢を見ては目覚め、そのうち寝付けなくなって早朝覚醒。
ストレスと言えば仕事より家族。老いぼれていく親、頼りないを通り越して足手まといになりそうな兄。今後のことを考えると頭が痛くなる。

ハゲるとしたら、不眠による自律神経失調とストレスによる心労だろう。
幸い、心療内科に通っているので、その辺は医師にキチンと伝えて改善できればと思う。

何より、ハゲによるうつ病の悪化だけは避けたい。
年齢的には、若ハゲほどの精神的ダメージを受けないだろうが、前述の通り自分を支える軸が心配だ。

ある意味、ハゲは心の病である。
その事を改めて兄から学んだ。
見方によっては、たまには役に立つ兄かも知れない。

いいなと思ったら応援しよう!