詩 ある、ということ
真っ黒な空間に、一人きりでいた。
部屋の電気を消せば、もはや何も見えない。
全てが暗黒だ。
しかし、決して寂しくはなかった。
静まっているものの、自分の内部で何かしらの精力がくすぶっているのが分かる。
昔のことや、今まで自分が取り込んできたものの連想が次から次へと繰り出され、やがて自分が一つの星雲のように思えてくる。
真っ暗で静かな宇宙空間の中で、星雲は黄金色の爆発を静かに起こしながら、そこで渦を巻き続けている。
輝く精力が、暗闇に向けて発散されていく。
自分は今まさに、そんな星雲のようになって、自分の生命の片鱗の煌めきを、部屋の暗闇に撒き散らしている。
決して、虚しいとも、寂しいとも思わない。
ここには自分なりの豊かさがあり、ここに何もないからこそ、その豊かさが強調される。
黒の下地でこそ色がはっきりするように、何もないところで、何かがあることが際立つ。
自分は決して何も無い人間ではない。
大きな星雲を暗闇の虚無的な宇宙空間から眺める寂しい人間ではない。
自分はまさしく、今自分であり、この宇宙の中で確かな存在を確立しているのだ。
