マーラーのアダージェット

グスタフ・マーラーの交響曲第5番、
第4楽章のアダージェット。
ルキーノ・ヴィスコンティの映画、
「ベニスに死す」で流れた音楽に
胸を打たれてこの曲を知った。

CD「アダージョ・カラヤン」で
何度もこの曲を聴いたものだ。
最近、このアダージェットの
ピアノ演奏を聴いて痺れている。
イリーナ・メジャーエワのピアノ。

マーラーが妻アルマに宛てた
愛の手紙が曲想になっている。
「僕がどんなに君を愛しているか、
僕の太陽よ、言葉では伝えられない
君への憧れ僕の愛、僕の喜びを!」

類い希なる美貌のアルマは
多くの恋人たちがいた。
マーラーの自分への愛は鬱陶しく、
自由奔放に恋愛を謳歌したかった。
この美しい曲も彼女には眠かった。

狂おしいまでのマーラーの愛は
このアダージェットにも表れている。
ただ美しいだけでない哀愁と悲しみ。
それだけに一層美しさが際立つ。
不幸な愛こそが崇高な芸術となる。