鳥の描き方の詩

ジャック・プレヴェールの詩、
“Pour faire le portrait d’un oiseau”*
「鳥の肖像を描くために」は
とてもユニークなものだ。

最初の一行から何?と思わせる。
“Peindre d’bord une cage”
「まず鳥籠を一つ書いてください」
鳥を描くのではなく鳥籠が始まり。

この鳥籠の戸は開いている。
美しいものをあれこれ書き、
このキャンバスを木に立てかける。
そして自分は木の後ろに隠れる。

鳥がやってきて鳥籠に入るのを待つ。
鳥が入ったら絵筆で扉を閉め、
鳥籠の柵を1本1本消していく。
鳥の羽根には決して触れず。

次にすることは美しい枝を描くこと。
緑の草むらや爽やかな風までも、
草に潜む虫の音までも描く。
こうして鳥が歌うのを何年でも待つ。

歌えば良い印、歌わねば悪い兆候。
歌ったら良い絵になっている証。
そっと鳥の羽根を一枚抜いて、
羽根ペンで絵の隅にあなたの名前を書く。

そんなたわいものない詩なのだが、
絵心が書かれていると言っていい。
鳥籠に入った鳥に自由を与え、
美しい声で鳴くまでじっと待つ。

それは芸術家の心構えでもある。
インスピレーションが湧くまで
天から下りてくるまでずっと待つ。
そうしてこそ名作が生まれるのだと。


*この詩はイラスト付きの可愛い動画になっています。全文が掲載され、発音も学べます。
https://www.youtube.com/watch?v=eOHa0722fCc