装幀が魅力的な本①📙『どんぐり』(寺田寅彦・中谷宇吉郎著 山本善行撰 灯光舎)
[1]本は紙派📚️
〈紙派か電子書籍派か〉と、どなたかがたずねていたが、私は紙派だ。電子書籍を読んだことがない。
私は数年前まで電子レンジを持っていなくて、周りからは不思議がられたが、ただ電子レンジを使ったことがなかったから、不便と感じることもなく、それまでしていたとおりにやっていただけだった。これと同じだと思う。
電子書籍についても、使ったことがないだけで、何かの機会に使ってみたら、使い始めるかもしれない。主義主張があるわけではなく、ただ今まで通りで困りがないからだ。
[2]図書館派or購入派かと言えば、今はなるべく図書館派
約40年続けてきた仕事を定年退職した時、かなりの数の本を処分した。片づける時間の余裕ができたこともあったし、自分の両親が亡くなった時、実家の荷物の片付けが大変だったことから、自分の荷物を減らしておかねばと思い立ったのだ。
せっかく減らした本は極力増やさないようにしなければならない。図書館で借りて読める分は、そうしようと思った。

これはきっと去年から落ちたままのどんぐり🫒
公園の土に半ば埋まっている
[3]〈紙の本を、購入して手元に持っておきたい〉と思わせるのは、装幀に惹かれた本✨️
なるべく図書館派と言いながら、本屋さんに行くこと自体が好きでやめられないし、ブックカフェも好きだ。だから、本を全く買わないわけではない。
どうしても買いたくなるのは、装幀が素敵な本に出合った時だ。別の記事でも書いたが、私の選択基準はけっこう見た目が大事なのだ。
いわゆる〈ジャケ買い〉という感じ。
[4]装幀に惹かれて購入した本〜その1📙
①『どんぐり』(寺田寅彦・中谷宇吉郎著 山本善行撰 灯光舎)を見つけた✨️
装幀は、野田和浩さん。
私の好きなブックカフェで見つけた。目に飛び込んできた。すぐ手に取った。
この本の最後にある発行者からのメッセージ↓
■書物を愛する人々へも、これから「読書」を始めてみようと考えている人々にも、気軽に読んでいただけるよう小品仕立てにし、ふと手にとりたくなるようなたたずまいの書籍をめざして、「灯光舎 本のともしび」を発刊いたします。
とある。まさしく〈ふと手にとりたくなるようなたたずまいの書籍〉なのだ。小品仕立てもいい。
透明のパラフィン紙の帯もいい。バーコードや価格は帯に印刷されていて、本体には何もない。
外観はシンプル。オレンジ色にシルバーのストライプ。そこに、タイトルや著者・撰者・発行所が書かれているだけだ。
表紙も見返し(効き紙)も、私の100色の色鉛筆の色分けによると、ライトバーミリオン✏️。見返し(遊び)がオレンジで、見返し(効き紙)をくり抜いた炎の部分の色🕯️になる。天も地も表紙と同じライトバーミリオン。
ぜひ手に取って見てもらいたい。自分のコレクションとしてずっと持っていたいと思わせる本だ。

②『どんぐり』は『百年文庫』で読了していた。が、購入決定✨️
以前、『百年文庫』(ポプラ社)を全巻読もうと思い、図書館で少しずつ借りて読んだ。(が、今のところ、45冊で中断している。『百年文庫』を読もうと思ったきっかけや経過については、また別の機会に書こうと思う。)
寺田寅彦さんの『どんぐり』は、その『百年文庫28 岸』の中にあり、特に記憶に残る作品だった。 私の読書記録には!花丸💮をつけている。


寺田寅彦さんの随筆は名文だと思う。
寅彦は東大に進学して間もない19歳、夏子は14歳で結婚。夏子は20歳で病死する。その妻と忘れ形見の娘と、それぞれとのどんぐり拾いの思い出を重ね合わせて書いている。
ちなみに場所は小石川植物園。息子夫婦がその近くに住んでいることから、この随筆の話をし、いつか連れて行ってくれると約束したりもした。
③撰者 山本善行さんの魅力にも惹かれて
撰者あとがきより
■読んだあとに誰かに伝えたくなるような随筆、代表作とはまた違った一面が見られる小説、何度も読み返したくなる美しい文章、そのような作品をシンプルな装幀で本読み人に届けたい
■寅彦の「どんぐり」を入れるのなら、宇吉郎の「『団栗のことなど』も入れたい。この二作品を同じ本の中で読みたいという以前から持っていた強い思いを実現することができた
■寅彦も宇吉郎も豊かな全集を持つ科学者であって、どの部分を掘っても豊かな水が湧き出るような書き手である。
山本さんの思いが、私にはストレートに刺さった気がした。
装幀に惹かれた本を、記事にしようと5冊選んだのだが、その中にもう1冊山本善行さん撰の本がある。たぶん私は山本さんの本づくりの姿勢にも惹かれているのだと思う。
