「誰かの願いが叶うころ」 🌙月灯りのリーディングノート|回顧録 第二夜
※「月灯りのリーディングノート」は、
現在のココナラやSNSでの鑑定活動以前に行っていたリーディングをもとに綴った記録です。
個人が特定されないよう、内容や背景は一部調整しています。
「山の近くで暮らしたいんです」
その人は、少し疲れた声でそう言いました。
山沿いの土地へ引っ越したい。
自然の近くで暮らしたい。
もっと静かな場所で、生き直したい。
そのためには、転職も必要になる。
そして、今のパートナーとの別れも。
話を聞いていくうちに、
“山が好き”というよりも、
自然の中でしか、
自分の心を保てないほど、
ずっと張り詰めてきたのだと感じました。
カードには、
今の場所を離れたい気持ちとして
カップの8。
もう戻れないと知りながら、
それでも歩き出そうとする背中。
けれど同時に、
ワンドの5。
周囲との衝突。
価値観のぶつかり合い。
「理解されない」という感覚。
もし本当に、
仕事も暮らしも変えてしまったなら。
ペンタクル5の逆位置。
ワンドの9。
“ここではない場所”へ向かうことは、
救いにも見えました。
けれどカードは、
安堵だけでは終わらない現実も、
静かに映していました。
暮らしを立て直そうとしながら、
どこかで傷つくことを警戒している。
そんな、
張り詰めた気配が残っていました。
話の途中で、
その人はぽつりとこう言いました。
「子どもを置いてでも、
離れたいと思ってしまうんです」
その言葉に、
社会的な“正しさ”だけでは測れない、
人間の苦しさを感じました。
非常識だと言う人もいるでしょう。
自分勝手だと感じる人も、
いるかもしれません。
けれど同時に、
「自分の人生を生きたい」という叫びでもあるのだと思いました。
最近は、
“自分の気持ちに正直に生きる”
という言葉をよく見かけます。
けれど実際には、
誰かとの関係の中で生きている限り、
その選択は、
必ず誰かの感情や生活にも触れていきます。
境界線は、
思っているよりずっと曖昧で、
静かに難しい。
占い師として、
どちらが正しいとは言えません。
ただ、
人は時々、
「幸せになりたい」ではなく、
───もう限界。
そう感じる場所から、
人生を動かそうとするのだと、
そう思うのです。
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この記事を書きながら、
ふと、
宇多田ヒカルの
誰かの願いが叶うころ
という曲を思い出していました。
🌙第三夜
