第38話 AIに「無理ゲーです」って言われた話
AIを少しずつ触るようになって、 仕事も前より楽になった。
文章をまとめたり、 画像を作ったり、 SNSを考えたり。
気がつけば、 自分の生活の中に 普通にAIがおるようになっとった。
そんな頃、 ふと思った。
「これ、地元の人にも教えたら役立つんちゃうかな」
でもその瞬間、 別の気持ちも出てきた。
「いやいや、自分まだ完璧に使いこなせてないやん」
AIの先生みたいな人って、 なんか全部知っとるイメージがあった。
だから 「もっと勉強して、 完璧に使えるようになってからAI教室やろう」 って思った。
そこでAIに相談してみた。
すると返ってきた言葉が、
「それは無理ゲーに近いです」
やった。
AIって “無理ゲー” とか言うんや。
ちょっと笑った。
でも、 その続きが妙に納得した。
「AIは進化が早すぎるので、 “完璧に理解してから始める” を待っていたら、 いつまでも始められません」
たしかにそうやった。
新しい機能は増えるし、 昨日の正解が 今日変わっとることもある。
だからAIは、
「60%くらい理解できて、 実際に役立っているなら、 その時点で人に教える価値があります」
って言ってきた。
その時、 ちょっと気が楽になった。
自分は専門家でもないし、 プログラマーでもない。
ただの ポンコツおじさんや。
でも、 そんな自分でも
文章が楽になった
SNS投稿が続けやすくなった
仕事の資料が見やすくなった
調べ物が早くなった
アイデアを形にしやすくなった
そんな小さな変化は、 確実にあった。
だったら、 地元の人にも 「ちょっと便利」 を届けられるかもしれん。
過疎の町って、 人も少ないし、 情報も少ない。
でも逆に言えば、 1人ちょっと動ける人が増えるだけで 空気が変わることもある。
観光、 お店、 仕事、 情報発信。
AIって、 地方の弱い部分を 少し補ってくれる道具かもしれん。
もちろん、 全部AI任せにする気はない。
阿曽の空気とか、 人との距離感とか、 そういうのは人間のほうが強い。
でも、 その“人間らしさ”を助ける道具としてなら、 AIって結構おもしろい。
だから自分は、 完璧じゃないまま、 AI教室を始めることにした。
