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きっかけのつながり

私が今回の越境レポートで書くのは5月17日に下北沢で開催された民主主義ユースフェスティバルでの出来事である。私は出張ユースセンターのブーススタッフとして参加した。

ブースでは、ユースセンターの紹介や、普段実践している対話型のプログラムの体験を行っていた。来場者に活動を説明したり、一緒にゲームをしたりしながら過ごすなかで、一人の社会科教員とのやり取りが印象に残っている。
その先生は会場を見て回る途中で、ふらっとブースに立ち寄り、私はユースセンターがどのような場所なのかを説明した。しかし、話をしているうちに、先生がユースセンターという言葉自体を知らないことが分かった。
少し意外だった。
学校で日常的に生徒と関わる人であれば、名前くらいは聞いたことがあるのではないかと思っていたからだ。しかし先生は話を聞いて、「学校でも居場所づくりは必要だと思います」と話していた。生徒が安心して過ごせる場の必要性を感じている一方で、学校外で行われている実践についてはあまり知られていない。そのことが印象に残った。
私は、学校でも家庭でもない場所としてユースセンターがどのような役割を持っているのかを説明した。その流れで、普段ユースセンターで行っている「ito」にも参加してもらった。
itoは、与えられたテーマについてそれぞれが持つ感覚や価値観を共有しながら進める対話型のゲームである。先生は他の参加者と話しながら、「そんな考え方もあるんですね」と興味深そうにやり取りをしていた。正解を求めるのではなく、お互いの違いを面白がりながら対話する雰囲気が自然に生まれていた。
体験が終わった後、先生は「これ、生徒ともやってみたいですね」と言った。
その言葉がうれしかった。
私はそれまで、居場所づくりというものを主に場所の運営として捉えていた。しかし先生が持ち帰ろうとしていたのは、建物や仕組みではなく、その場で行われていた関わり方だった。安心して話せる空気や、違いを認め合う対話のあり方もまた、居場所づくりを支える大切な要素なのだと思った。
今回の経験を通して、学校のなかで居場所づくりに関心を持つ人は確かに存在している一方で、学校外の実践との接点はまだ多くないことを実感した。ユースセンターという名前を知らなかった先生が、「やってみたい」と言う。その変化は小さなものかもしれない。しかし、こうした小さな接続の積み重ねによって、居場所づくりの実践は学校や地域へ広がっていくのではないかと思う。
先生との短いやり取りは、居場所づくりを広げるためには新しい場所をつくるだけでなく、実践そのものを伝えていくことも大切なのだと考えるきっかけになった。


出張ユースセンターのブース!お祭りの屋台みたいで楽しかった!

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