『花とカゲロウ』
『花とカゲロウ』
不格好な問いは
波の引いた後にも残される
それを彼女は一つ一つ集める
ゆっくり品定めをするかのように
時折り冷めた笑みを浮かべながら
私が声と引き換えに
差し出した最高のもてなしを
指で弾きながら転がしている
コロコロ コロコロ
夢を持たないカゲロウのように
それならいっそう
摘んで行ってはくれないか
全ては無理だと言うのなら
せめて花婿のブートニアに
摘んで行ってはくれないか
つま先立ちで覗いた
遥か彼方でぼやける情景
それを彼女は一つ一つ描く
カラフルに彩られた花壇になぞり
見えぬ私に見せびらかしている
私が夢の代償に
差し出した最後のモノローグを
息を吹きかけて宙に浮かべる
ただただ ただただ
輪郭を持たない陽炎のように
それならいっそう
摘んで行ってはくれないか
全て枯れ果てたわけでないなら
せめて花嫁のブーケの中に
摘んで行ってはくれないか
ここから動けぬ私のために
未来に進めぬ私のために
それならいっそう
摘んで行ってはくれないか
チャペルの沈黙を香りで満たし
ウェディングアイルを象るために
摘んで行ってはくれないか
それならいっそう
摘んで行ってはくれないか

結婚への迷いを抱えた女性と、枯れゆく未来に抗いながら自分の存在意義を見つけたい花、美しくも悩める者たちの物語をテーマにしましたが、もう少し花の目線から曲を作りました。同じ歌詞ですが曲調はまったく異なります。よかったら聴き比べてみてください。
