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やる気はあるけど続かない…頑張れない人の成功法

はじめに


「もっと頑張れ。」

この言葉を聞いて、前向きな気持ちになる人もいる。

一方で、その一言に胸が苦しくなる人もいる。

私は後者の人へ、この本を書いている。

世の中には、「努力できる人」が正しいという空気がある。

毎日早起きする人。

休まず勉強する人。

休日も働く人。

目標へ向かって一直線に走り続ける人。

そんな人たちを見るたびに、自分と比べて落ち込んだ経験はないだろうか。

「自分は意志が弱い。」

「根性が足りない。」

「だから成功できない。」

そう思い込み、自分を責め続けている人は少なくない。

しかし、本当にそうなのだろうか。

私は、人には二種類の人間がいるとは思っていない。

「頑張れる人」と「頑張れない人」。

そんな単純な分け方はできない。

人は、合う場所では驚くほど力を発揮する。

興味のあることなら時間を忘れる。

夢中になれることなら、誰に言われなくても続けられる。

反対に、自分に合わない場所では、どれだけ努力しても苦しくなる。

つまり、頑張れないのではない。

頑張り方が、自分に合っていないだけなのかもしれない。

この違いに気づかず、自分を責め続けてしまう人があまりにも多い。

私はこれまで、多くの「成功論」を見てきた。

朝四時に起きなさい。

毎日読書しなさい。

毎日運動しなさい。

睡眠時間を削りなさい。

努力は裏切らない。

もちろん、それらを否定するつもりはない。

実際に、それで人生が変わった人もいるだろう。

しかし、それがすべての人に当てはまるとは思わない。

もし同じ方法で全員が成功するなら、この世から悩む人はいなくなる。

現実はそうではない。

同じ方法でも続く人と続かない人がいる。

成果が出る人と出ない人がいる。

だから必要なのは、「誰かの正解」ではない。

自分にとって続けられる方法なのである。

この本では、「頑張れ」という言葉を一度横に置いて考えてみたい。

どうすれば続けられるのか。

どうすれば行動できるのか。

どうすれば無理をせず前へ進めるのか。

その答えを、一緒に探していきたい。

ここで一つだけ伝えたいことがある。

成功する人は、必ずしも意志が強い人ではない。

才能だけで勝ち続ける人でもない。

多くの場合、「続け方」を知っている人である。

そして、その続け方は、生まれつき決まるものではない。

誰でも身につけることができる。

この本の中では、心理学で知られるズーニンの法則にも触れる。

人は、始めるまでが一番苦しい。

しかし、最初の数分を乗り越えると、その後は自然と集中しやすくなると言われている。

私は、この考え方に初めて触れたとき、大きな安心を覚えた。

「一時間頑張れ」と言われると苦しくなる。

けれど、「まず四分だけやってみよう」と言われると、不思議と心が軽くなる。

人生を変えるのは、大きな決意ではない。

最初の数分なのである。

この考え方は、本書全体を貫く大切なテーマになる。

もし今、この本を手に取ったあなたが、

「何をやっても続かない。」

「自分は努力できない人間だ。」

「成功なんて遠い世界の話だ。」

そう思っているなら、安心してほしい。

私は、この本で「もっと頑張れ」とは言わない。

その代わり、一つだけお願いがある。

この本を読み終えるまで、自分を責めることだけはやめてほしい。

自分を責める人は、前へ進む力まで失ってしまう。

だが、自分を理解した人は、歩き方を変えられる。

歩き方が変われば、景色が変わる。

景色が変われば、人生も変わり始める。

成功とは、誰かになることではない。

昨日の自分より、ほんの少し前へ進めるようになることだ。

もし、この本がその最初の一歩になれたなら、これ以上嬉しいことはない。

さあ、一緒に「頑張れない人だからこそ見つけられる成功法」を探しにいこう。

第一章 
頑張れないのではなく、合っていない


「自分は頑張れない人間なんです。」

そう言う人に、私は一つだけ質問をする。

「本当に、何をやっても頑張れませんか。」

すると、多くの人は少し考える。

そして、こう答える。

「好きなことなら続くんです。」

その答えを聞いた瞬間、私は思う。

やはり、その人は頑張れないのではない。

頑張る場所を間違えていただけなのだ。

子どもの頃を思い出してほしい。

夢中になって遊んだ日があったはずだ。

時間を忘れて本を読んだこともあるだろう。

好きなことをしている時、人は「頑張ろう」とは考えない。

気が付けば時間が過ぎている。

疲れているはずなのに、不思議と苦にならない。

それが、人が本来持っている集中力である。

しかし大人になると、その感覚を忘れてしまう。

「頑張らなければならない。」

その言葉だけが頭に残る。

世の中は努力を美徳とする。

長く働く人。

睡眠時間を削る人。

休まず走り続ける人。

そんな姿を見ると、「あの人はすごい」と感じる。

もちろん、その努力を否定するつもりはない。

努力によって夢を叶えた人はたくさんいる。

だが、そこには一つ落とし穴がある。

私たちは、「努力している姿」だけを見てしまう。

その人が、その仕事を好きなのか。

その環境が合っているのか。

そこまでは見えていない。

同じ努力でも、好きな人にとっては苦労ではないことがある。

反対に、合わない人にとっては、一時間でも苦痛になる。

つまり、努力の量だけを比べても意味はないのである。

魚に空を飛べと言っても飛べない。

鳥に海を泳げと言っても難しい。

それを「努力不足」と呼ぶ人はいない。

ところが、人間だけは違う。

営業が向かない人に営業を続けさせる。

一人で集中した方が力を発揮できる人に、常に集団行動を求める。

細かい作業が得意な人に、人前で話す仕事を押し付ける。

そして結果が出ないと、「もっと頑張れ」と言う。

本当に必要なのは努力だろうか。

私は違うと思う。

必要なのは、自分が力を発揮できる場所を知ることだ。

ある人は、学生時代ずっと勉強が苦手だった。

机に向かっても集中できない。

周囲からは「やる気がない」と言われ続けた。

しかし社会に出て、好きだったものづくりの仕事に就くと、人が変わったように没頭した。

休日まで新しい技術を学び、自分から挑戦するようになった。

誰にも「頑張れ」と言われていない。

それでも続いた。

なぜだろう。

答えは簡単である。

そこが、その人に合っていたからだ。

頑張れないことを、自分の欠点だと思う人は多い。

だが、それは「今いる場所」での評価にすぎない。

一つの場所で結果が出ないからといって、自分という人間の価値まで決まるわけではない。

植物には、それぞれ育ちやすい土がある。

日当たりを好むものもあれば、日陰を好むものもある。

同じ水を与えても、元気になる植物と枯れてしまう植物がある。

人も同じだ。

環境が変われば、驚くほど伸びる人がいる。

だから私は、「頑張れない自分」を責める前に、一度立ち止まって考えてほしい。

本当に努力が足りないのか。

それとも、自分に合わない方法を続けているだけなのか。

この問いの答えは、他人には分からない。

自分だけが見つけられる。

そして、その答えを見つけた人から、人生は少しずつ変わり始める。

世の中には、「苦しいことを続けた人が成功する」という考え方がある。

確かに、それで成果を出す人もいる。

しかし私は、別の成功もあると思っている。

「自分に合う場所を見つけた人の成功」である。

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