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ep.2バディと言われた夜のこと

こんにちは、ほぬです。
読みにきてくださった方、フォローしてくださった方、
本当にありがとうございます。


前回、大雪の積もる街で出会った好きだった人のことを書きました。



今日は、その関係の中で一番はっきりと覚えている日の話をします。
彼が初めて「バディ」という言葉を使った日のことです。




その夜、私たちは仕事終わりに、二人で少し遅くまで職場に残っていました。特別な用事があったわけではありません。ただ人疲れというか、定時頃までの時間でお互いに取り組んでいる仕事があって、やっと帰れる‥って時間の前によく自分のデスクでゆっくりすることがあったんです。
その人のデスクも私の横並びで2、3席隣にあったから、お互いが座っていれば気付く、そんな距離感でした。そしてその日も気付けばデスクに残っているのは私たちだけになっていた、というだけのことです。


窓の外はもう真っ暗で、雪が降り始めていました。
彼は自動販売機で私のカフェラテと自分の濃いお茶を買ってきて、温かい片方を、私の顔を見ながら投げて渡してきました。


「お前がいると、なんか安心するんだよな」


その一言に、心臓が跳ねたのを覚えています。
安心する、という言葉が、恋愛的な意味を含んでいるかもしれない。そう思ってしまうくらい、私はすでに彼のことが好きでした。



だから、勇気を出して聞きました。


「それって、どういう意味で?」


彼はいつも通り笑いながら、こう言いました。


「お前は俺のバディだからさ」





バディ。


その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かがすとんと落ちるような感覚がありました。安心する、大切、信頼している。彼が私にかけてくれる言葉は、いつもすごく温かいものばかりでした。
でも、その温かさの中に、恋愛の意味は含まれていなかった。


「バディ」というのは、たぶん彼の中で最大級の褒め言葉だったと思います。戦友、相棒、同志。彼が誰かにその言葉を使うのを、私はそれまで見たことがありませんでした。だからこそ、その言葉を私に向けてくれたことが、彼なりの誠実さだったんだろうとも思います。

でも、その誠実さは、私が欲しかった答えとは違うものでした。





その夜、私は「それな〜」と笑って、それ以上何も聞きませんでした。


聞けなかった、というのが正しいと思います。もし「それだけ?」と聞き返してしまったら、この関係そのものが変わってしまう気がしたから。
彼の隣にいられるこの時間を、失うわけにはいかなかったから


雪はまだ降り続いていました。
駐車場に停めていた二人の車に、雪がゆっくり積もっていくのを見ながら、私は「今はこれでいい」と自分に言い聞かせていました。



今はこれでいい
いつか、この関係が変わる日がくるかもしれない


そう思うことで、笑顔で、その気持ちを飲み込むのが精一杯でした。




今振り返ると、あの夜が最初の分岐点だったんだと思います。


「バディ」という言葉を、そのまま受け取って前に進むこともできたはずです。でも私はそうしませんでした。
「いつか」という可能性にしがみついて、そこから更に一年半以上、この関係を続けていくことになります。

それが正しかったのか、間違っていたのか。今でもわかりません。
ただ、あの夜の彼の言葉と、私が飲み込んだ気持ちは、今でもはっきりと覚えています。

次回は、その後の二年間で私たちが積み重ねてきたものについて書きます。


夢を語り合ったこと、弱さを見せ合えたこと。どうしてそれだけの関係を築けたのに、恋愛にはならなかったのか。

そのことを、もう少し掘り下げてみたいと思います。

#日記 #言葉 #恋愛 #失恋 #片想い #片思い #前を向く


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