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監修…千足伸行『すぐわかる画家別幻想美術の見かた』

 「一体どんな想像力があったらこんな絵を描けるの?」と好奇心を掻き立てる幻想絵画をまとめた本。


 ⭐️単行本版


 例えば、P17で紹介されているジュゼッペ・アルチンボルドの作品『春』に、わたしは衝撃を覚えました。

 人の頭から胸あたりまでを草花に例えて描いた絵です。

 髪も、目も、頬も、耳も、衣服も、あらゆるものが花びらや葉の集合によって形作られているように見えます。

 パッと見では恐ろしさもあるのですが、じっくり見てみると、だんだんこの人物に親しみを持てるようになります。

 また、P11で紹介されているヒエロニムス・ボスの『快楽の園』にも惹かれます。

 この絵の左側には地上の楽園が、中央には好色の罪が、右側には地獄が描かれているそうです。

 左側には、『犬神家の一族』を彷彿とさせる姿で、湖から脚を出している人物が描かれています。

 この人物は脚を大きく広げたまま犬神家ポーズ(水面から脚を出しているが顔は見えない、というポーズをわたしは勝手に犬神家ポーズと呼んでいます)をしており、股の間に大きくて丸くて赤い果実のようなものを乗せ、更にその果実のようなものには鳥が2羽乗っかっています。

 …意味不明です。

 わたしは思わずこの絵の人物に語りかけました、「苦行中なのですか?」と。

 この謎の苦行者(?)から目が離せません。

 また、P38で紹介されているジョン・マーティンの『忘却の水を探すサダク』も魅力的です。

 不思議ですよね…。

 恐ろしい光景でもあるはずなのに、つい見惚れてしまいます。


 〈こういう方におすすめ〉
 不思議で、奇妙で、美しい…そんな幻想絵画の世界に関心がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間くらい。

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