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ロード・オブ・ザ・長崎①

 ↑この日記を書いた後も、わたしはフェリー、高速バス、飛行機、鉄道等の公式の情報を収集し続けました。

 また、ニュースやSNSも頻繁にチェック。

 すると、「フェリーが機材トラブルのため欠航している」「鉄道が人身事故で遅れている」「飛行機が台風の影響で欠航している」等の情報が続々と入ってきて、その度にわたしは不安になりました。

 特に向き合い方が難しいのはSNS。

 SNSに載っている情報は、良くも悪くも、公式が発表しているものとは違います。

 「最新のリアルな声」を伝えてくれることもありますし、「デマ」のこともあります…。

 …ほどほどのところで止めておけば良いのに、わたしはもう、気になって気になって、SNSをチェックし続けました。

 わたしがスマホをタップして、SNSの投稿やコメントを読んで、また別の投稿をチェックするためにスマホをタップしている間にも、時はどんどん過ぎていくというのに…。

 しかしながら、折悪しく台風も発生しており、どのルートを辿ればバッチリなのか、誰にも読めない状況です。

 海路も、空路も、陸路も、台風の影響を免れることは出来ません。

 そこで、わたしは考えました。


 ⭐️スタート⭐️
 8月8日の朝のうちに家を出る 
 ↓
 鹿児島中央駅から『特急きりしま』に約2時間以上乗る
 ↓
 宮崎駅から『特急にちりん』に約3時間以上乗る
 ↓
 大分駅から在来線に約1時間以上乗る
 ↓
 由布院駅から『特急ゆふいんの森』に約1時間半以上乗る
 ↓
 鳥栖駅から特急『リレーかもめ』に約40分以上乗る
 ↓
 武雄温泉駅から新幹線『かもめ』に約25分乗る
 ↓
 長崎駅に到着
 ⭐️ゴール!!⭐️⚽️🥅



 
 というルートを。

 想像するだけでクラクラしてきちゃいました。

 もしこれがスゴロクだったら、このスゴロクを作った方は結構な狂気の持ち主ですよ。

 乗り換えだけでも「グエエ…」ってなっちゃいそうです。

 しかし、新幹線や飛行機がない時代は、みんなこのくらいの長距離移動をやっていたわけですよね。

 わたしも腹を括ろうではありませんか。

 …とは言え、SNSで見た「鉄道が人身事故で遅れている」という言葉が気になります。

 わたしが考えたこのルートは、どこかで鉄道が遅延したら、ドミノ倒しのように崩れてしまいます。

 遅延で済めばまだマシですが、最悪の場合、列車内から長時間出られなくなるという可能性も0ではありません。

 そうなったら足止めです。

 また、たとえば台風による大雨や強風の影響でどれかが遅延したら、このルートはもうおしまい。

 そのリスクを想像すればするほど、わたしは飛行機に乗るという手段も諦めきれず、ANAやJALのサイトを見ては、毎日毎日、「まだ(残席が)出ない…。まだ出ない…」と呟きました。

 友人から「『となりのトトロ』のメイちゃんみたいだね」と呆れられたほどです。

 もしこれが『となりのトトロ』の世界だったら、ネコバスに乗れるかもしれないんですけどね…。

 行き先を『七国山病院』から『長崎市』に替えて、ネコバス便を運行していただきたいです。

 ネコバスなら結構な人数が乗れると思うので、わたしと同じく交通手段に困っている方々も乗り合わせることが可能でしょうし。

 あの、もふもふっとした、柔らかな座席が深く沈み込む車内が気持ち良すぎて、降りるべきところを通り過ぎても爆睡しちゃう乗客が続出するかもしれませんが。

 いい夢を見られそう。

 そもそも、ネコバスの運賃って、どうやって支払えば良いのでしょう?

 ドングリ?

 それとも、鶏のささみや鰹節?

 とうもころし…は渡せませんよね。

 あれは超重要アイテムなので。

 …ハッ!😳

 思わず、ネコバスに乗る方法を真剣に考えてしまいました。

 まず、ネコバスのチャーター方法が分からないのに。

 きっと、ネコバスをチャーターするには、トトロにお願いしないといけません。

 そして、トトロに会えるのは子どもだけ。

 残念ながら、わたしはもう大人になってしまいました。

 子どもの頃は「トトロの見える大人」を目指していたのに。

 一度もトトロに会えないまま、大人になってしまいました。

 今でも、野山に行く度にトトロを探しているのですが。

 全然会えないままで、悲しいです。

 まっくろくろすけにすら会えなくて寂しい。

 会えたら、可愛い金平糖をプレゼントしたいのにな。

 …さて、そんなことを考えている間にも、刻一刻と時間は過ぎます。

 なんてこった。

 ザ・ワールドッ!!

 時よ止まれッ!!

 …と、ジョジョシリーズのディオ様の真似をしようとしても、時は進み続けます。

 わたしの頭の中で、ネコバスとディオ様がこんがらがって来ました。

 「もしネコバスをチャーターしたら、ディオ様は乗車するかな? 行き先を『承太郎』に替えろ、っておっしゃるかな? 猫吸いをしたら、ディオ様も少しは心が穏やかにならないかな?」なんて妄想もしてみました。

 ちょっとほっこり。

 …さて、そんなこんなで、わたしは職場のお昼休み時間も、スマホと睨めっこし続けました。

 まるで株価をチェックする人間であるかのごとく、ANAとJALの空席照会の「更新」をひたすらタップ、タップ、タップ…。

 その最中に、休憩室がガタガタッと揺れたため、一緒にいた同僚たちと「えっ!? また地震だ!」とざわついたら、大分ふっくらした同僚から「ごめん、俺が歩いて来ただけだよ」と謝られるという謎に気まずいハプニングが起きた時と、お弁当を食べていた時以外は、スマホの画面に見入っていました。

 同僚たちや友人たちからは、「無駄だよ」「空きが出るわけないよ」「ただでさえ夏休み期間で、どの交通手段も混み合うし」「もう諦めなよ」「今回はダメでも、また次があるよ」と言われました。

 まるでディオ様が「無駄無駄無駄無駄無駄ァ〜!!」と畳みかけてくるかのようですよね。

 わたしも逆の立場なら、ディオ様化して、そう言うかもしれません。

 しかし!

 キズは来年2月をもって活動を一部休止するのです。

 「次」はあるかもしれないし、ないかもしれないのです。

 幸い、キズ Zepp TOUR『天照焔巡』の福岡公演のチケットは取れました。

 だから、もしわたしが8月9日の長崎公演を諦めたとしても、9月のZepp Fukuokaには行けるかもしれません。

 が、今回の熊本地震がそうであったのと同じように、災害や事故は突然発生するもの。

 いつ何が起きるか分かりません。

 また、わたしは今でこそ元気ですが、いつどんな怪我や病気を負うか分かりません。

 Zepp Fukuokaに行きたくても行けなくなるかもしれません。

 となると、ひょっとしたら、この長崎公演がわたしがキズのライブに参戦できるラストチャンスになるかもしれません。

 世の中には、「推しは推せるうちに推せ」という言葉があります。

 今推さずして、いつ推すというのか!

 今は今しかないッ!

 …しかし、鹿児島から長崎へと向かう交通手段を延々と調べても、現実はかなり厳しく…。

 …さすがのわたしも、「諦めた」の「諦め」まで考えました。

 まだ、「た」までは言っていません。

 が、ほとんど「た」まで宣言しかけた、その時。

 ふと、わたしの頭の中に、ある映像が浮かびました。

 それは、『世界の果てまでイッテQ!』で、イモトアヤコさんが安室奈美恵さんの引退について話していた回の映像です。

 イモトさんは泣いていました。

 子どもの頃から大好きな安室さんの引退で、泣いていました。

 イモトさんは安室さんの引退前のライブに行けるかどうか分からず、それがどうも行けない可能性が高くて、イモトさんの、


 「やっぱりイヤだよ。やっぱり行きたいよ。安室ちゃん見たかったよ」

(『世界の果てまでイッテQ!』から引用)


 と言って嗚咽する姿と声が、わたしの脳裏をよぎったのです。

 キズは解散や引退を発表したのではなく、あくまでも一部活動休止するだけですが、なんだかオーバーラップしました。

 もし、わたしが「諦めなよ」という誰かの声に従って、長崎行きを断念し、8月9日の16時半の開場時間になってもまだ鹿児島にいたとしたら…。

 その時、わたしの頭の中に、イモトさんの「やっぱりイヤだよ。やっぱり行きたいよ。安室ちゃん見たかったよ」という姿と声が浮かんでしまうと思います。

 そうなったら…。

 …わたしは一生後悔するでしょう。

 「やっぱりイヤだよ。やっぱり行きたいよ。キズのライブ行きたかったよ」

 と。

 けれど、そう嘆いても遅いです。

 取り返しがつきません。

 誰かのせいではありません。

 地震のせいでもありません。

 わたしのせい。

 頑張れば行けるかもしれないのに、頑張ることを諦めたわたしのせい。

 …そう気づいて、わたしは尚も交通手段を調べ続けました。

 



 『ロード・オブ・ザ・長崎②』に続きます。

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