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2025年、最初のNetflixドラマ〜「リプリー」は芸術作品

先日、ゴールデングローブ賞の発表があり、真田広之主演の「SHOGUN」が作品賞などを受賞したというニュースが流れた。「SHOGUN」が受賞したのはテレビドラマ部門の“ドラマ部門“、これ以外にも“ミュージカルorコメディ部門“、“ミニシリーズorテレビ映画部門“がある。

この“ミニシリーズorテレビ映画部門“で作品賞を受賞したのは「私のトナカイちゃん(原題:Baby Reindeer)」(Netflix)。エミー賞にも同様のカテゴリーがあるが、やはり同作が受賞した。この部門にノミネートされる作品はチェックしているのだが、年末年始に1作観ようと思いピックアップしたのが、「リプリー」(Netflix)。

原作はパトリシア・ハイスミスの「The Talented Mr. Ripley」、一般的に知られる邦題は「太陽がいっぱい」(河出文庫)。1960年アラン・ドロン主演で映画化、1999年には「リプリー」というタイトル、マット・デイモン主演でリメイクされた。今回、Netflixは全8話のリミテッド・シリーズとして配信した。

NetflixはTVドラマの世界を変えたと言われることがある。この「リプリー」を観ると、そのことを強く感じる。本作は、まるで芸術作品のように流れていく。前編モノクロで流れる作品は、“連続ドラマ“という枠組みからは逸脱しているように感じる。

ニューヨークに住む、トム・リプリーというケチな詐欺師は、富豪のグリーンリーフ氏から誤解され、イタリアに住む彼の放蕩息子ディッキーをアメリカに連れ帰って欲しいと頼まれる。この依頼を受けたリプリーがイタリアに渡り、ディッキーと接触するというのが幕開けである。

舞台として映し出される1960年代のイタリアが美しい。ディッキーが住む、アマルフィ海岸のアトラーニ、約70km北に位置する大都市ナポリ、シチリアのパレルモ、そしてベニス。このドラマを見ていると、今すぐにでもイタリアに行きたくなる。

ドラマは、一種のミステリーなのだが、小道具が多彩である。ナイトガウン、タイプライター、万年筆、指輪、フェラガモの靴、フィアット500。どれもが、クラシックな美しさを備え、魅力的な物品だが、同時に重要な意味を持つ。

芸術そのものも登場する。ピカソの絵画、そして象徴的なのがカラヴァッジョ。素行不良だったと言われる16ー17世紀の画家は、指名手配されたローマを逃れ、ナポリ、シチリアなどで暮らす。カラヴァッジョの光と影、そしてトム・リプリーの正体。

監督・脚本のスティーヴン・ザイリアンは映画「シンドラーのリスト」や「マネーボール」の脚本家で、監督作品もある。ザイリアンは2019年に映画「アイリッシュマン」の脚本を担当(監督はマーティン・スコセッシ)。この映画はNetflixでの配信をメインに公開されたが、210分の長尺、こちらも“テレビ映画“でしかできないことをやった。

リプリー役は、ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」でモリアーティ役を演じたアンドリュー・スコット。ディッキーのガールフレンド役のダコタ・ファニングがなかなか魅力的。ディッキーの友人のフレディ役の男優、登場時間は短いが印象に残った。Eliot Sumnerという人で、ミュージシャン/俳優だが、調べたらスティングの息子。道理で光っているはずだ。

「リプリー」、美しい作品です


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