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hidemaro2005
短編: 本当に何をやっても続かない
1ヶ月でヤクザを辞めた。
何をやっても続かない。
高校を中退し、悪い連中と付き合い出した俺は、チンピラ崩れより尊敬されるヤクザになろうと組の事務所に入所した。
ドラマで観ていたイメージは、兄弟の盃を交わし、いかついスーツを着て、下車する幹部を
「おかえりなさい」
路地裏の飲み屋から上納金の回収などをやらされるんじゃないか。
パンチパーマに風を切って歩く自分。
俺をバカにしていた輩も、俺を見てビビるんだろうと心密かに期待していた。
ところがだ。
入所した翌朝から、ヤクザ人生は洗濯の連続。
味噌汁や目玉焼きの作り方。
誰それのコーヒーは砂糖とミルクがどれぐらいで、薄目や濃い目かをメモする。
雑巾掛けの仕方、靴磨き。
あの慶應大卒のエリート若頭も、もれなく通って来た道らしい。皆が家事をやってきたのか。
アニキに
「ケンカが強いとヤクザになれるんじゃ?」
恐る恐る訊いてみると
「任侠、舐めんな」怒られた。
期待外れもいいとこ。
俺は本当に何をやっても続かない。
