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ようこそ、マスクの下の家へ

 口は身体の玄関だと思う。
食べ物が入り、言葉が出て、笑顔や怒りまで流れ出る場所。外の世界とやりとりする最初の出入り口だからこそ、私はいつも口元に気を遣っていたいと思う。

 家の玄関が散らかっていたら、どんなに中が綺麗でも「入りたくない」と思うように、口元がだらしないと、どれだけ中身が素敵でも伝わらない。
 逆に、清潔な口元で「こんにちは」と迎えられると、ちょっとだけ心を開いてみたくなる。

 リップを塗るのも、歯を白く保つのも、口臭ケアも、全部玄関掃除。
私は定期的に歯科検診に行く。虫歯はゼロ。
誰が見ていなくても、玄関はきれいにしておきたい。
 それは誰かのためというより、自分の姿勢の問題だと思っている。

 マスクの下が油断だらけでも構わない、という人もいる。
でも私は、そうはなれない。
玄関を整えておくことは、他人をもてなす前に自分をもてなす行為でもあるから。

 だから、咳やくしゃみを手で覆わない人を見ると、私はつい「玄関が開きっぱなしだな」と思ってしまう。
ドアがガタガタ音を立てていたり、靴が脱ぎ散らかっていたり、そんな風景が浮かぶ。

 鍵をかけ忘れる人は、思ったことをすぐ口に出す人。
「あ、それ言う?」っていうデリカシーのなさ。
場にそぐわない冗談や暴言を吐き、
玄関の鍵閉めずに、変な風が吹き込んでるよ?みたいな印象がある。

口元って、見えなくても雰囲気が出る場所だ。
話し方、声の温度、沈黙の使い方。
どんな玄関なのか、じわじわと伝わってくる。

私は今日も、マスクの下で口角をほんの少し上げてみる。誰かが訪ねてきたとき、
「この家、入りやすいな」と思ってもらえるように。


『マスクド★note第2弾』に参加して

(企画:本田すのうさん/波さん)

8日に、本田すのうさんより答え合わせの発表があった。

19作品、どれも文章力が高くて読みごたえたっぷり。擬態ありの形式だったので、誰の作品かを当てるのにすごく迷った。

参加者の既存記事も読み返しながら特徴を探すうちに、夢中になってスキを押し忘れるほど(笑)

文章から伝わる「唯一無二感」

「○○さんは●●の人」というイメージは強いですよね。
文章に触れた途端に「あ、この人だ」と愛着を覚える瞬間がある。

note全体を見て思うのが、
文章術に寄せすぎて、個性が埋もれてしまうのは惜しいと思う。

基礎力がある方ばかりなので、記事の発想や切り口を工夫すれば、もっと確実に読んでくれる人を増やせるんじゃないかな、と。

それでも似ている部分も多く、
「待ってよ、なになに〜?」と迷っては、
結局まんまと外してしまいました(笑)

知識を問われるより、よっぽど難しい……!

読んで感じたこと

参加作品はどれも読後に
「だから、なに」が残らない。
千字前後の文章にユーモアやミステリー、感性が凝縮されて、唸りながらページを閉じる体験ばかり。文芸のワンダーランド。

書いて、読んで、答えて、答え合わせして――
本当に充実した時間を過ごせた。

感謝を込めて

この度、拙文を当てていただけたこと、
とても嬉しいです。ありがとうございます!

副賞として、ささやかですがチップをお贈りします。気持ちだけ受け取っていただけたら幸いです。

マスクド企画、第3弾もあるのでしょうか?
当てるのは本当に難しいですが、また開催される際はぜひご参加ください。

毎回お世話になり、ありがとうございます!