ChatGPT & Gemini「学習モード」を使った勉強法をまとめました
こんにちは、株式会社Renewerの堀内です。
昨年、『ChatGPTを徹底活用! ビジネスパーソンのためのプログラミング勉強法』(翔泳社)を出版して以来、『生成AIを使った勉強法』は私の関心テーマです。
ここ最近はGPT-5の登場で盛り上がっていますが、この領域にも大きな動きがありました。
それが新たに実装された「学習モード」です。

2025年7月29日、ChatGPTに「学習モード」が公開されました。
さらに約1週間後の8月6日には、Geminiから「ガイド付き学習」機能がリリースされました。
二大AIプラットフォーマーが相次いで学習関連の機能を投入したことは、「生成AIを活用することで学習が変革できる」という期待が一段と高まっていることを示しています。
今年のはじめに、生成AIを使った効率的な学習方法を紹介した「生成AI × 勉強法ガイドブック 2025」を公開しました。
このガイドブックと解説noteは、今も継続的にご覧いただいています。
しかし、わずか半年で生成AIは飛躍的に進化しました。
それに伴い、活用方法もアップデートが不可欠です。反対に進化を適切に取り入れていけば、学習の効果をさらに高められます。
この「学習モード」は、生成AI × 勉強の進化を象徴するアップデートだと感じました。そこで、これらの新機能を検証して得られた効果的な学習手法を、続編的な位置づけでスライド集として整理しました。
それが『ChatGPT & Gemini 学習モード活用ガイドブック』です。

このnoteは、スライド集の抜粋版です。
学習モードの解説から始まり、10つのテクニック・Tipsを紹介します。
夏休みに勉強やスキルアップを考えている方は、ぜひ参考にして取り入れてみてください。
全編は以下から無料でダウンロードできます。ぜひ見てみてください。
(ダウンロードの際にいくつかの情報入力が必要です。)
学習モードの全体像
はじめに、学習モードについての簡単な解説と、検証した所感・知見を紹介します。
「学習モード」とは

ChatGPT、Geminiのいずれでも「学習モード」は、ユーザーの質問に即答せず、問いかけやヒントを提示して自力での解答を促すことを基本方針としています。
これは「ソクラテス式問答法」に基づくアプローチです。
これまで教育シーンでは、生成AIを使うと答えが瞬時に引き出せるため、思考や理解が浅くなるのではないかという懸念が指摘されてきました。
今回の新機能は、その懸念を解消し、学習者の主体的な思考を引き出し、理解の質を高めるためにAIが最適に機能する方法だと言えます。
学習モードを使うと、ユーザーは必然的に質問したり、追加で指示したりと、能動的でインタラクティブなやり取りが生まれます。
例えば「コンピューターの仕組みを教えてください」と入力すると、通常モードは即座に解説を始めます。
一方、学習モードは「どの程度理解していますか」「どのレベルから始めますか」など、理解度やニーズを確認する質問を投げかけます。

ユーザーが「ざっくりとしか理解していません」と答えれば、その回答に合わせて、基礎と全体像から丁寧に進めます。
これが「学習モード」の基本的な体験です。一方通行の解説よりも自分に合ったレクチャーを受けられることは、容易にイメージできると思います。
大きなメリット:「問いかけ」と「レクチャー」のバランスの良さ
学習モードを使ってみて感じたのは、「問いかけ」と「レクチャー」のバランスがよく取れている点です。
ユーザーの理解度を踏まえてレクチャーすることが有効なのは明らかですが、そのために「どの程度理解していますか」「どんな要望がありますか」と質問をいくつも重ねられると、いざ学びたいのに事前情報の入力だけで疲れてしまいます。
その点、学習モードでは
簡単に答えられる質問(選択肢ありのクローズドクエスチョンが多い)
冒頭で概要を手短に解説
「このまま進めることもできるけど、追加で要望があったら言って」と所々でガイダンス
といった対応で、負担なく進められる点はよく練られていると感じました。
問いかけに応じて学習を進めることで、テンポよく前進でき、自然と没入度が高まるのを感じます。
ChatGPTの学習モードは以下を意識しているとされています。
認知負荷を管理すること
(一度に処理する情報量を調整して、無理なく考えられるようにする)
こうしたふるまいは、学習のつまずきを減らし、学びを加速させる効果があり、学習モードを使う大きなメリットです。
ChatGPTとGeminiの違い
ChatGPTとGemini、ほぼ同タイミングでリリースされた同じような機能、違いはどこにあるのか、と気になっている人もいると思います。
両方を検証した感想としては、基本的な体験は大きく変わりがありません。
機能面での違いは、ChatGPTは記憶(メモリ)機能を学習支援に活用できる点が特徴です。対してGeminiは「クイズ機能」を備え、確認テストを高いインタラクティビティで実施できます。
実装アプローチも異なります。ChatGPTの学習モードはカスタムシステム指示(つまりプロンプトによる指示・制御)で実現されているのに対し、Geminiは学習用にファインチューニングされたLearnLMというモデルで提供されています。
体感として大差はありませんが、内部構造の違いも踏まえると、ChatGPTの学習モードのほうがやや安定した応答が得られる場面が多いと感じました。
GPT-5の影響:中立スタンスと学習モードの相性
ちょうどChatGPTの学習モードを試していた最中に、新モデル「GPT-5」がリリースされました。
GPT-5は、これまで(4oなど)のモデルに内在していた過剰な同意や迎合を減らし、中立的な立場を徹底するように変化しています。
一方で、その変化が混乱を招いている側面もあります。
新しいGPT-5は性能が高いものの、「冷たく機械的」「感情的な相談に不向き」との指摘が目立つ。 出典:CNET Japan 2025/8/10
この変化を学習モードに当てはめて考えると、他のユースケース以上に影響は大きいと感じます。
AIを使った勉強では、間違えたときのフォローや、励ましによるやる気の引き出しなど、いわばモチベーター的な要素も期待してしまいます。
(旧モデルはその役割を一定担っていたこともあり、なおさらです)
GPT-5では、こうした要素が相対的に弱まっていると感じます。
参考までに、以下は①GPT-4o、②GPT-5で学習モードを起動して、同一のリクエストを行った際の応答です。

絵文字やビックリマーク、声掛けなど

4oと比較するとあっさり
学習モードにおいては、GPT-5の中立性は相性があまり良くないと感じています。同様に受け止める方も少なくないでしょう。
一方で、この点は今後のチューニングで改善が進むと思います。
学習モード活用法 - テクニック・Tips編 -
ここからは10つのテクニック・Tipsを紹介します。
資料には掲載できなかった筆者の補足・コメントなど交えながら掲載していきます。
1.時間を指定してミニワークショップの実施
方法
・あらかじめ学習に使える時間を伝え、限られた時間内で特定テーマのミニワークショップを行うように依頼。
・学習モードでは、指定時間に合わせて要点に絞った対話型のレッスンを進行し、重要ポイントに集中した演習や解説を提供してくれる。
応用例
・写真と同様にインターネット上の画像や、スクリーンショット、図表も読み取ることが可能。
プロンプト例
「私はHTML/CSSを学びました。次はJavaScriptを習得したいです。
60分で基本が学べるワークショップを実施してください。」

学習モードの体験・効果を感じたいなら、まずは「ミニワークショップを依頼する」を試してみると良いでしょう。
「30分で○○の基礎を学べるミニワークショップを実施してください」「△△について、15分で重要ポイントだけ教えてください」と依頼すると、時間枠に合わせて効果的に学べる構成と進行を設計し、インタラクティブに講義してくれます。
2.試験直前に要点を超速おさらい
方法
・「1時間後に試験なので重要事項を急いで復習したい」と依頼し、試験直前の対策を行う方法。
・学習モードでは、短時間でスピードと理解度のバランスを取った復習をサポートしてくれる。インタラクティブな質問を経て、特に対策したいジャンルを指示することが可能。
応用例
・自分の講義ノート全文を貼り付けて「核心だけを箇条書きでまとめて」と依頼すると、重要な要素を凝縮した1ページ分のサマリーを作ったり、そこから模擬試験の作成が可能。
・これまでの学習内容がメモリに記録されていると、苦手な箇所などを分析して復習がカスタマイズされる。
プロンプト例
「1時間後にITパスポート試験があります。重要事項を素早くおさらいするのを手伝ってください。」

同じく時間を指定するアプローチで実用性が高いのは、「試験の直前対策に使う」方法です。出題可能性の高い要点に絞ったおさらいを提供します。
継続的にAIを使って学習記録が残っていれば、過去の誤答や苦手分野を中心に個々に合わせた直前対策を組み立てられます。
学生の試験勉強はもちろんのこと、資格試験でも使えるでしょう。
3.比喩・図・クイズで難しい用語をわかりやすく
方法
・学習モードは、初心者がよくつまずく概念や用語について、わかりやすく解説することに長けている。暗記からの脱却と定着に効果的。
・比喩や数値例、ミニクイズ、簡単な図解などを自動で織り交ぜて概念を説明し、学習者が様々な切り口から理解を深められる。
応用例
・1回の解説で終わらず、「もっと詳しく」や注意点の提示で自然と深掘りへ誘導する。
プロンプト例
「偏差値とは何かを初心者にも分かるように教えてください。」

勉強をしていると、難解な用語や理解しづらい概念にしばしば直面しますが、学習モードはそうした用語・概念を噛み砕いて解説するのが得意です。
こちらが特に指示しなくても、比喩を用いたり表形式にしたりと様々なアプローチで理解を促してくれます。
一方で、アプローチのひとつとしてオリジナルの「用語の覚え方」を提案することがあります。
現状ではオリジナル過ぎるというか、出来がイマイチと感じるものが多く(例:三権分立=「立つ・行く・裁く」)、そのあたりはご愛嬌です。
4.ノートや資料を入れて理解度クイズを開始
方法
・自分のノートや資料を投入し、そこから理解度チェック用のクイズを自動生成・開始する方法。
・学習モードは、「択一/正誤/穴埋め/マッチング/並べ替え/一問一答」といった形で、一律的な教え方ではなく複数の角度から知識を提供してくれる。
応用例
・各問題に根拠(出典引用)と短い解説を付与。誤答にはヒントが提供されて、定着を促進。
・PDFなどでエクスポート可能。社内研修・オンボーディング、セキュリティ教育の確認テストなどでも活用できる。
プロンプト例
「偏差値とは何かを初心者にも分かるように教えてください。」

学習モードは、対話の途中で頻繁に理解度クイズを提示します。またノートや資料を添付すれば、さまざまな形式での出題を指示できます。
クイズの利点は、こちらの理解度をAIに明確に伝えられる点にあります。回答に応じて理解度に合わせた学習をインタラクティブに提供できるため、クイズを積極的に活用することが学習モードを使いこなす近道と言えます。
5.Gemini「クイズ機能」で理解度チェック
方法
・Geminiでは「確認クイズを作って」と依頼すると、Geminiが内容を解析し、選択式などの設問を自動生成してその場で回答できるクイズ画面を表示。
・設問には短い解説やヒントを付けられ、出題範囲や問題数も指定できる。
応用例
・クイズ終了後には成績分析や復習ポイントのまとめ、フラッシュカードの作成など、さらなる定着のための機能が提供される。
プロンプト例
「添付のPDFのテキストから確認クイズを作成してください。」

Geminiは2025年5月に「クイズ作成機能」をリリースしました。選択式のクイズフォームを自動生成し、ボタン操作で解答を進められます。
クイズ終了後は、成績分析や復習ポイントの要約、フラッシュカードの生成など、理解定着を支援する機能が充実しています。
6.メモリ機能を使ったパーソナライズ学習
方法
・メモリ機能を使うと、パーソナライズされた学習を行うことができる。具体的には、前回の学習内容を踏まえて復習を依頼しらり、確認テストの結果を踏まえた弱点の克服など行う。
・初回に学習目標・制約・好みなどを記憶させると、以降はそれに沿った学習ガイドが提供される。
応用例
・AIを「長期伴走チューター」として使う。ひとつのスレッドで以下を行う。
①初回セットアップ…目標(例:3か月でTOEIC700点)、好み、苦手(例:Part3、4が苦手)を記憶。
②2回目以降…「前回の弱点」から着手し、説明スタイルや出題難度を自動調整。誤答ログを踏まえた類題の再出題や、学習履歴に沿った間隔反復を提案。
③締切前…試験や発表直前はメモリ上の到達度に応じて最重要ポイントだけをフラッシュカード化。
プロンプト例
「前回の続きで、まず短い復習クイズを出してから新しい単元に進めてください。」

ChatGPTは記憶(メモリ)機能を活用し、これまでの対話履歴から理解度を把握するなど、パーソナライズされた学習を提供します。
学習専用のスレッドを立て、いわば「長期伴走チューター」として運用すると効果的です。目標を共有し、そのスレッドで学習を重ねるほど記憶が蓄積され、アプローチが自分に合う形へ最適化されていきます。
7.弱点分析&学習ロードマップ作成
方法
・テスト結果や演習の解答ログ(PDF/画像/表)を取り込むと、正答率・時間・ミスの種類を単元別に集計し、弱点と原因の分析を依頼する方法。
・学習モードでは、メモリ機能が働き、分析した強み・弱みを認識したうえでその先の学習サポートに活かすことができる。
応用例
・弱点分析から、目標に対する最適な学習計画を作成することができる。追加で提示すべき情報がレコメンドされることで、ページ数・問題数まで計画を落とし込んでくれる。
プロンプト例
あと半年でTOEIC◯◯点を取りたいです。 現状のテスト結果は添付の通りです。 弱点を分析して学習計画を提案してください。
【テスト結果(画像・PDFなど)の添付】

過去のテストを添付すれば、弱点の分析を依頼できます。強みと弱みをAIに把握させることで、あなたに最適な学習ロードマップを設計できます。
さらに前述のメモリ機能を併用すれば、「復習テストを出して」と依頼するだけで、弱点補強に特化した問題が提示されます。
8.論文・文章コンテンツの執筆コーチ
方法
・小論文など論述課題の構成を手伝ってもらう方法。テーマと字数などを指定して「アウトラインを作って」と依頼すると、AIと対話しながら段落構成や論点を整理できる。
・適切な質問やアドバイスが提示されるため、書き出しのハードルが下がり、執筆が進みやすくなる効果が期待できる。
応用例
・学習モードでは本文そのものではなく、構成案や段落ごとの役割など「次に何を書くべきか」を示すガイドを提供するため、丸写しに頼らない書く力の育成に役立つ。
プロンプト例
「私は高校生です。電気自動車について1000字程度の小論文を書くので、手伝ってください。」

発展的な使い方としては、小論文執筆の伴走に活用する方法も有効でした。アウトラインを作成してもらい、質問を通じて書きたい内容を引き出してくれるため、スムーズに書き進められます。
学習にとどまらず、noteなどの文章コンテンツ制作にも活用できると思います。
9.作りながら定着するノート×クイズ
方法
・新しく学ぶ専門用語や概念が出てきたら、ノート作成を手伝ってもらう方法。具体的には、「○○についてノートを作りたい」と依頼する。
・ChatGPTではCanvas機能が働き、ノートの作成が行われる。並行してクイズが出されて、クイズに回答した内容がノートに反映されていく。
応用例
・Canvas上でそのまま追記・共有ができ、エクスポートすることも可能。ノートを使ったクイズの作成など、別の学習ステップでも活用できる。
プロンプト例
「新しく学んだ用語『減価償却』についてノート作成を手伝ってください。」

勉強において、今もノート作成を重視する人が少なくありません。
ChatGPTの学習モードを使い、「ノート作成を手伝って」と依頼すると、Canvas機能が立ち上がり、ノートが作成できます。
加えて、理解度クイズも出題されます。回答すると正答や解説がノートに自動で反映され、ノートを作りながらクイズで理解を確かめてその場で定着させるという、新しい学習体験が得られます。
10.学習コーチの視点で教材のブラッシュアップ
方法
・授業教材や学習コンテンツの構成設計を支援してもらう方法。ChatGPTの教育者としての知見を、教育者が相棒として使うというアプローチ。
・既存の教材をアップロードしてアドバイスを依頼すると、「この単元ではまず基礎概念→具体例→演習問題の順が良い」といった提案を受けることができる。
応用例
・アドバイスだけでなくサンプル教材の作成や次ステップの提案など、伴走しながら改善を行っていく事が可能で、すぐに使える形に落とし込むことができる。
プロンプト例
「添付の教材について、学習コーチの視点で一緒に改善してください。」
【教材・講義資料(PDFなど)の添付】

最後は、教育者の方たちが学習モードを活用する方法です。教育者側にも、こうした学習支援AIを効果的に使いたいというニーズは多いはずです。
この方法では、自身が作成した教材のブラッシュアップを依頼すると、学習モードが有している学習の知見を使って様々な改善案をくれて、サンプルまで作成してくれます。
プレゼンテーション資料のブラッシュアップにも有効です。
ここまでお読み頂きありがとうございました!
本編では、学習モードの発展的な使い方として
キーボードショートカットの練習
金融リテラシーの学習
カメラ撮影の練習
就職面接の模擬面接
講義・プレゼンのリハーサル
なども紹介しています。
ぜひご覧になって頂き、学習モードを皆さまの学びやスキルアップに活かしてもらえたら嬉しく思います。
全編はこちらからダウンロードできます↓
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