第7話:少し寒いだけなのに、霜焼けができる── 指先が教えてくれる「冷え」と「巡り」の話
第7話
少し寒いだけなのに、霜焼けができる
── 指先が教えてくれる「冷え」と「巡り」の話
体のサインは、
いつも、
いちばん弱いところから現れます。
圭さん:1966年生まれ、エンジニア
益子(まこ)先生:70代の女性漢方医
(養生訓を書いた貝原益軒の流れをくむ家系)
■ 話の始まり
圭さん
「先生、乾燥肌や湿疹の話をしていて、
ふと思い出したんですけど……」
益子先生
「なあに?」
圭さん
「若い頃から、
手や足の指に霜焼けができやすくて。
真冬じゃなくて、
“ちょっと寒いな”くらいでも出るんです」
益子先生
「うんうん」
圭さん
「これって、
乾燥肌や湿疹と、
同じ原因なんでしょうか?」
■ 益子先生の答え
別のようで、同じ話
益子先生
「結論から言うとね、
とても近い話なの」
圭さん
「え、霜焼けって、
もっと特別なものかと思っていました」
益子先生
「そう思うわよね。
でもね、
体の中では、
同じ流れの延長で起きているの」
■ 現代医学の視点
霜焼けは「血流のトラブル」
霜焼けは、
寒さで血管が縮む
指先まで血が届きにくくなる
温まると、血管が一気に広がる
この繰り返しで、
血管や周囲の組織が刺激され、
赤み・腫れ・かゆみ・痛みが出る状態です。
益子先生
「つまりね、
霜焼けは“冷えそのもの”より、
血の行き来が不安定なことが問題なの」
■ 乾燥肌・湿疹との共通点
益子先生
「ここで、
これまでの話を思い出してみましょう」
乾燥肌
→ 肌を守る力が弱っている湿疹
→ 刺激に過剰に反応している霜焼け
→ 血流の調整がうまくいっていない
どれも共通しているのは、
“末端まで、うまく届いていない”
“調整する余裕が少ない”
という状態です。
圭さん
「同じ体の話なんですね」
益子先生
「そう。
出てくる場所が違うだけなの」
■ 東洋医学の視点
霜焼けは「巡り」のサイン
東洋医学では、
霜焼けは
血(けつ)の巡りが、
末端まで届きにくい状態
と考えます。
体の中心は温かい
でも、指先は後回し
そんなとき、
体はまず「大事なところ」を守ろうとします。
益子先生
「指先はね、
命に直結しない分、
後回しにされやすいの」
■ 「少し寒いだけ」で起こる理由
圭さん
「でも、
本当に少し寒いだけでも、
霜焼けになるんですよね」
益子先生
「それはね、
寒さに弱いというより、
切り替えが苦手になっているの」
暖かい室内
冷えた外気
この行き来で、
血管の調整が追いつかなくなる。
益子先生
「年齢を重ねると、
この“切り替え”に
少し時間がかかるのよ」
■ 日常生活に当てはめてみると
益子先生
「霜焼けが出やすい方の暮らしには、
こんな傾向が重なりやすいわね」
手足が冷えやすい
冷たい床や水に触れる時間が長い
体を温める時間が短い
胃腸が疲れやすい
圭さん
「ここでも、
胃腸が出てくるんですね」
益子先生
「ええ。
巡りを支える“燃料”は、
胃腸で作られるから」
■ 今日のテーマを一言でまとめると
霜焼けは、
指先から届く「巡りを助けて」のサイン
我慢や根性の問題ではなく、
体の調整力の話です。
■ 今日からできる“小さな養生”
● 今日のひとつ
「冷やさない」より、「冷え切らせない」
外に出る前に、手足を温めておく
冷えたら、早めに戻す
指先を、少し動かす
完璧でなくて大丈夫。
“後回しにされやすい場所”を、
少し気にかけてあげる
それだけで、
霜焼けは起こりにくくなります。
■ 話の終わりに
圭さん
「霜焼けって、
体が弱い証拠だと思っていました」
益子先生
「いいえ。
体が、ちゃんと知らせてくれているだけ」
圭さん
「指先が、
一番正直なんですね」
益子先生
「そう。
小さな声ほど、
聞いてあげるといいのよ」
益子先生
「一日ひとつでいいの。小さな養生を続けましょ」
続く
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