第2話:食べているのに体重が増えない理由──“消化力”という大事な話
年齢を重ねると、「食べているのに増えない」日は、誰にでもそっと訪れます。
第2話:食べているのに体重が増えない理由──“消化力”という大事な話
圭さん:1966年生まれ、エンジニア
益子(まこ)先生:70代の女性漢方医(養生訓を書いた貝原益軒の流れをくむ家系)
■ 話の始まり
圭さん
「先生、最近また体重が落ち気味で…
ちゃんと食べているつもりなんですが、増えないんです。
昔ほどたくさん食べられなくて、満腹になるのも早くて」
益子先生
「なるほどね。圭さんの場合、“どれだけ食べたか”よりも
“どれだけ受け取れているか”のほうが大事かもしれないわ」
圭さん
「受け取れているか…ですか?
食べているんだから、そのまま体になるものだと思ってました」
益子先生
「これがね、そう簡単ではないの。
食べたものが“体になる力”に変わるには、胃腸の働きがとても大切なのよ」
■ 食べても太れない理由(現代医学の視点)
胃酸・消化酵素の分泌低下
加齢による胃の動きの鈍り
腸内環境の乱れ
ストレスで胃腸がストップする
食べる量=受け取れる量ではない
■ 東洋医学の視点:「脾胃(ひい)」の弱り
東洋医学では、脾胃(胃腸)は“身体のかまど”のようなもの
ここが弱ると、
すぐ満腹になる
食べると疲れる
食後に眠くなる
体重が増えにくい
といったサインが出ます。
益子先生
「圭さんが感じている“すぐお腹いっぱい”というのは、
かまどの火がちょっと弱っている状態かもしれないわね」
■ 圭さんの生活習慣とつながる部分
圭さん
「そういえば、食事量は減りましたし、すぐ満腹になります
それに…食後すぐスマホを見る癖があります」
益子先生
「それよ、それ。
スマホを見ると交感神経が働いて“戦闘モード”に切り替わるの。
すると胃腸は“お休みモード”に入ってしまうのよ。
静けさがないと、かまどの火はうまく燃えないの」
■ “消化力”とは何か
食べる=インプット
消化する=エネルギーに変換するプロセス
胃酸は“火をつける係”
消化酵素は“仕分け係”
温かい食事は火力のサポート
冷たいものは火を弱める
益子先生
「胃腸はね、小さな焚き火みたいなもの。
急に強く燃やそうとするとくすぶるし、
弱々しいままだと食べたものが処理しきれないの」
■ 今日からできる“小さな養生”
● ① 白湯(さゆ)をゆっくり飲む習慣
益子先生
「弱ったかまどの火をふわっと温めてくれるのが白湯なの。
勢いよく燃やすのではなく、静かに火力を底上げしてくれるのよ」
朝や食前に少量
胃腸に“これから働くよ”という合図
消化の準備が整う
● ② 食後5〜10分、スマホを見ずに休む
胃腸に“静けさ”をプレゼントする
交感神経のスイッチを切り替える
胃の動きが自然に整う
益子先生
「たった5分の静けさが、消化力にはとても大事なのよ」
■ 話の終わりに
圭さん
「“食べること”と“消化すること”って、こんなに違うんですね」
益子先生
「ええ。体はね、受け取れるぶんだけ、ちゃんと応えてくれるの」
圭さん
「今日から白湯と、食後の5分休憩、やってみます」
益子先生
「一日ひとつでいいの。小さな養生を続けましょ」
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