初サルサ
(9章)
〈1〉
私の
地球ライフにおいて
踊るということと
歌うということは
あってはならないことだが、
なにかの手違いで
そのエラーに遭遇。
〈2〉
名古屋のある夜。
サルサを踊るのが趣味というひと、
サルサをやってみたかったというひと、
その日
前のお店からの流れで
一緒に行ってみようというひと、
そのどれでもない私と
4人でサルサバーに。
〈3〉
端っこで
ワインを飲みながら
観ていればいい
と思っていたのも束の間、
お店の方や
常連さんに
手を引かれ
「踊れません」と言っても
握った手を
離してはもらえず
ステップを
優しく教えてくれる。
〈4〉
ステップ自体は
難しくはない。
簡単なものを
選んでくれているのもあるだろう。
とはいえ
少し気を緩めると
よろけてしまう。
難しい。
いや
ステップが
難しいのではない。
続けることが
難しい。
繰り返すのが
難しい。
まして
楽しむ領域に行くのは
私には難しい。
ただただ
首がもげるほど
下を見て
相手の靴を見続け
その動きに
相対するように
自分の靴を動かす。
〈5〉
反復練習
反復ドリル
慣れればいいのだろう。
が、
慣れません。
なぜか
わかりませんが、
慣れません。
はるか昔の
乗馬体験を思い出す。
リズム感がないために
馬とタイミングが合わず
馬が走ると
馬の背中と
私のお尻が
ガッチンガッチン。
そこでも
楽しむ領域は未開の地。
〈6〉
いっぽう
サルサバーの
他の方々は
常連さんも
友人たちも
みんな
背中から
「楽しい」の声が
聞こえるほどに
弾んでいる。
心が弾んでいる。
体はキレキレ。
顔はキラキラ。
楽しいオーラ全開。
これは
観るに限ると実感。
私にとって
サルサとは
みんなが楽しむ姿を
鑑賞するものである。
〈7〉
翌朝
多少メンバーを入れ替えて
名古屋駅周辺でランチ。
ホテルをチェックアウト後、
待ち合わせまで
時間があるとはいえ
百貨店のなかを
一歩も歩けない。
足が動かない。
フロアの端にある
ソファをはしご。
〈8〉
2泊3日の
名古屋滞在を終えて
食材も切れているから
スーパーに行きたいのに
出られない。
いくらカートを引いても
広い店内を歩く想像をしたら
家から出られない。
歩けそうもない。
体力のなさに呆れる。
こうなったら
久しぶりに
コロナ禍にハマった
ネット注文か?
〈9〉
階段の多い
リアルの学校を辞めてから
オンラインスクールという
引きこもり万歳な環境にしたためか
ちょっとの運動で
もうこれだ。
野外活動の引率では
13キロも
それ以上も
歩いた日もあったのに
もうダメだ。
体が重い。
重いのはわかっている。
いつだって重い。
なんだって重い。
体も
気持ちも
口も。
いや
口は
口だけは
軽いっしょ!(*)
* ノリで書いています。
実際はきちんとヒミツを守ります。

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