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2024年上半期に観た映画10選

(下書きにいれたまま、更新するのを失念していました)

宇野維正さんのMOVIE DRIVERに触発され、2024年上半期良かった映画ベスト10を挙げてみます。

普段は、「推さない」をコンセプトにした映画メディア「osanai」を運営しているのですが、定点観測として印象に残った映画を振り返ることは大切で。

osanaiで取り上げた作品は、素晴らしい書き手の皆さんのテキストと併せて紹介します。


チャレンジャーズ(監督:ルカ・グァダニーノ)

脚本はもちろん、撮影、プロダクションデザイン、編集、衣装、音楽……すべてが最高のレベルで、クリエイター同士のコラボレーションの凄みを感じた作品です。

最初はゼンデイヤが演じるタシ・ダンカンの物語と捉えていたのが、三者三様の思惑が交差する「爽快な気味悪さ」を目撃できたことに気付きます。男性ふたりを“Fire and Ice”と称されていましたが、どちらが「Fire」だと感じるかによって、映画の印象もずいぶん変わります。

哀れなるものたち(監督:ヨルゴス・ランティモス)

自死を図った女性が天才外科医によって赤ん坊同然の知性で蘇生された主人公。エマ・ストーン演じるベラが、社会を知ることによって知性を獲得し成長していく物語です。

知性や自由の素晴らしさを感じられるリベラルな映画かと思いきや、結末の残酷さに唖然とします。人間の「哀れさ」を感じたのは私だけではないでしょう。

異人たち(監督:アンドリュー・ヘイ)

山田太一の小説『異人たちとの夏』をアンドリュー・ヘイ監督の解釈によって全く新しい映画が誕生しました。同性愛を軸にしながら、記憶上の混沌と混乱を乗り越えていく男性が、ある種、自己回復を図っていく物語でした。

主人公を演じたアンドリュー・スコットと、謎めいた隣人を演じたポール・メスカルの交流が美しく、ロンドンの風景と実によくマッチしていました。

関心領域(監督:ジョナサン・グレイザー)

私の編集の師をして、「映画の革命」と言わしめる本作。「事件」を直接描くのでなく、事件の隣で平穏な暮らしをおくる家族を描くことで、戦争の異常さを露わにします。(そしてそれは、国際的な戦禍における「私たち」そのものともいえるわけで)

何よりすさまじい音響の力。もうすでに映画館の上映はほとんどされませんが、機会があれば映画館で観てほしい。映画館で観るべき作品です。

先生の白い嘘(監督:三木康一郎)

厳密にいうと7月の映画ですが、どうしてもピックアップしたかった。監督を務めた三木康一郎の取材記事によって「色」がついてしまった本作。もはやノイズを取り除くことは不可能ですが、映画はとても誠実につくられていたと感じます。(細かく言いませんが、実にアンフェアな記事だったと思います)

原作の映画化というのは、多かれ少なかれ賛否が分かれるものです。性加害というテーマも様々な解釈が生まれるでしょう。それでいいと私は思うし、映画を愛する人の「鑑賞態度」が問われる作品にもなったように思います。(作り手の意図とは別に)

スタッフもキャストも、みな素晴らしかった。私は胸を張って証言したい。

ボーはおそれている(監督:アリ・アスター)

もはや本作のこと、あまり憶えていないのですが。(苦笑)

ただ鑑賞した直後は、ものすごく興奮しました。作り手の混沌を「これでもか!」と詰め込んだファンタジー映画。

どんな展開なのか全く読めませんでした。……というか展開のことなんて気にしてなくて良いんだと途中から気付き、それからはただただ映画に身を委ね、各シーンに爆笑していました。

映画はなんと179分。でも、これくらい長い映画を、映画館に座ってじーっと見つめている時間は本当に豊かで贅沢だと思うのです。

落下の解剖学(監督:ジュスティーヌ・トリエ)

「関心領域」にも出演した、ザンドラ・ヒュラーの凄まじい演技に魅了されます。

作品自体はミステリーというか、ちょっとしたサスペンスなのですが、「善悪とは何か?」「先入観を排して物事に向き合えるのか?」といった問いの連続で、常に考えさせられながら映画に没入することができました。

ソウルメイト(監督:ミン・ヨングン)

青春という日々の爽やかさと、大人になるにつれて可能性が狭まっていく切なさの両面を描きます。

軸になるのは、タイトルにもある通り、「ソウルメイト」としての友人関係です。性格や価値観が違っても、どこか深いところでつながっているふたり。結末には思わず涙するも、不思議と勇気のような感覚を抱く作品でした。

マウリポリの20日間(監督:ミスティスラフ・チェルノフ)

ロシアのウクライナ侵攻に関するドキュメンタリーです。ジャーナリストでもある監督も命がけで、「戦争」をカメラに収めます。カメラで収めるだけでなく、通信環境のある場所への移動も命懸けで。歯噛みしてしまうシーンの連続ですが、これは紛れもない「現実」なのです。

私もそうですが、日本にいると徐々にウクライナへの意識が低くなってしまいます。現在は「越境攻撃」といわれるようなロシアへの侵攻も開始したウクライナ。そのあたりは複雑な思いも正直ありますが、どうかウクライナの人々に、1日でも早く平穏な日々が訪れることを願っています。

ビヨンド・ユートピア(監督:マドレーヌ・ギャヴィン)

北朝鮮から「脱北」する人々の、命懸けの様子をカメラに収めた作品です。

「失敗=死」を意味する脱北という行為。北朝鮮の国境を越えればいいわけでなく、中国をはじめ、北朝鮮とそれなりの親交がある国で見つかってしまうと北朝鮮に送り返されてしまうそう。

「マウリポリの20日間」と並び、2024年を代表するドキュメンタリー作品だと断言できます。

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まとめ(紹介した10作品)

・チャレンジャーズ
・哀れなるものたち
・異人たち
・関心領域
・先生の白い嘘
・ボーはおそれている
・落下の解剖学
・ソウルメイト
・マウリポリの20日間
・ビヨンド・ユートピア

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過去の振り返りnoteはこちら。

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