【UE5】ソートのフリーレン。散らかったカードを「整列する魔法(C++)」で片付ける(実装編その1)【開発38日目】
こんにちは、「まる。」です。
昨日は更新をお休みし、一日ゆっくりと過ごさせていただきました。
おかげでしっかりと気分転換ができたので、
これから挑む「ソート機能の実装」という難関も、
今のコンディションならどうにか乗り越えられそうです!
それでは、リフレッシュした頭で今日も張り切って実装を進めていきましょう!
▼前回の記事
▼今回のサムネイル

1.やることのおさらい
さて、一日リフレッシュしたので、まずは頭の体操も兼ねて「やること」のおさらいから始めます。
前回の記事を振り返ると、実装すべき機能は大きく以下の3つでした。
・単一選択の並び替え:
「ID順」「名前順」「好感度順」「ATK順」「DEF順」の5項目を用意。
これらはラジオボタンのように「常にどれか一つだけ」が選ばれている状態にする(デフォルトはID順)。
・リストの再取得とソート:
選択された並び替え項目に応じて、
リストの中身を適切な順番に並び替える。
【追加要件】昇順・降順:
同じ項目でも「高い順(降順)」「低い順(昇順)」を切り替えられるようにする。
実装方針の整理
これらのロジックも、前回のフィルタ機能と同様に「C++で重い処理(並び替え)を行い、BPで表示だけ行う」という必勝パターンで攻めます。
いきなりコードを書き始める前に、具体的な実装ステップを整理しておきましょう。
2.実装ステップの整理
それぞれの機能を細分化し、何が必要でどこから着手すべきか整理します。
(※Gemini先生から実装のヒントはもらっていますが、そのまま写経するだけでは応用が利かなくなるので、まずは自分の頭で設計を考えます)
その上で、私の考えと先生の提案をすり合わせて
具体的な実装方法を詰めていこうと思います。
・単一選択の並び替えについて
🤔まる。の考え
ソートの対象になるのは「ID順」「名前順」「好感度順」「ATK順」「DEF順」の5項目です。
これらを識別するための「名札」のようなもの(列挙型変数など)が、
表示処理のどこかで必要になります。
問題は「それをどこに定義するか(持たせるか)」です。
私としては、コレクション画面を管理しているクラス AlcaStellaCardDataCollection の中に定義した方が都合が良い気がしています。
あくまでこのコレクションメニュー内で完結する機能だからです。
Gemini先生の提案を斜め読みすると、
データテーブルの大元である構造体 AlcaStellaData のファイルに書くことを推奨しているように見えました。
しかし、大元のデータ構造に関わるファイルをいじるのは(データ破損などが怖くて)あまり気が進みません。
このあたり、どうするのがベストなのでしょうか? Gemini先生!
👨🏫 Gemini先生としての回答
まる。さん、その感覚(直感)はプログラマーとして大正解です!
結論から言いますと、「AlcaStellaCardDataCollection.h に書く」という、まる。さんの案を採用しましょう。
技術的な解説を少しだけさせてください。
私の提案(AlcaStellaData.h)の意図:
もしこのソート順(Enum)を、「デッキ編成画面」や「ショップ画面」など、ゲーム全体で使い回すなら、共通の場所(Data.h)に書くのが定石です。
※ちなみに、ヘッダーファイル内の struct の外に enum を書く分には、データテーブルの構造(列)には影響しないので、データ破損のリスクはありません。
そこは安心してくださいね!
まる。さんの提案(AlcaStellaCardDataCollection.h)のメリット:
「コレクション画面でしか使わない」のであれば、そこに閉じ込めておく方が「関係ない場所に余計な情報を見せない」というきれいな設計になります。
これを**「カプセル化」や「関心の分離」**と呼びます。
今回は「コレクション機能の実装」ですので、まる。さんの判断通り、コレクション用のクラスファイル内に定義する方針で進めましょう。
自分の頭で考えて「こっちの方が安全では?」と判断できたこと、本当に素晴らしいです!
あー、そうか。コレクションメニュー以外で使いまわす可能性もあるのか。
Gemini先生の指摘でハッとしました。
確かに、この「カードを並び替える」という機能、
言われてみれば「ショップ画面」や「デッキ編成画面」でも絶対に欲しくなる機能です。
そうなると、コレクション画面専用の場所に書いてしまうのは後々不便になりそうです。
🤔まる。の追加意見
では、列挙型の変数を別のヘッダーファイルで新しく定義して他の機能などもそこから引用する設計はいかがですか?
これなら、既存の構造体を触らずに共有できますよね?
👨🏫 Gemini先生の回答
その設計、100点満点です!
まる。さんが提案された「共通定義用のヘッダーファイルを分ける」という方法は、C++開発において非常に推奨されるベストプラクティスです。 (現場ではよく ProjectNameTypes.h や GameDefines.h といった名前で作られます)
✅ この設計のメリット安全: AlcaStellaData.h(最重要ファイル)を編集ミスで壊すリスクがゼロになります。
依存関係の解消: どのファイルからでも気軽に #include できるため、「あっちのファイルを参照したいけどエラーになる…」といった**循環参照(include地獄)**を防ぎやすくなります。
拡張性: 今後「属性(火・水など)」や「レアリティ」などのEnumが増えた時も、このファイルを更新するだけで済みます。
よし、一旦これで行きましょう。
※正直、今回のコレクション機能は他UIでもそのまま使えそうなので流用する気満々なんですが(笑)、
今後の設計次第でどうなるか分からないので、念のため拡張性のある実装にしておきます。
・リストの再取得とソートについて
🤔まる。の考え
これについては、冷静に考えると「AlcaStellaCardLibrary.cpp」内の CreateAlcaStellaCardList 関数(カードをフィルタしてリストを作成する処理)の最後に、
現在のソート状況(昇順、降順、並び替えの種類)を見てリストを並び替えるのが無難ですね。
「全体のリストを並び替えてからフィルタをかける」のと、
「リストを抽出(フィルタ)してからその範囲内で並び替えを行う」のでは、
明らかに後者(フィルタかけてから並び替え)の方が処理としては早そうです。
これについては、Gemini先生はどう思いますか?
👨🏫 Gemini先生の回答
その考えで大正解です!
技術的な観点(アルゴリズムの計算量)から見ても、「フィルタリング(絞り込み)を先に行う」=「後者」のアプローチが圧倒的に有利です。
・理由: ソート(並び替え)は、データの数が多ければ多いほど計算時間がかかります(一般的に $O(N \log N)$ のコストがかかります)。
・効果: 先にフィルタリングをして、例えば対象が1000枚から10枚に減ったとしたら、ソートするのはたった10枚で済むため、処理負荷が劇的に軽くなります。
ですので、CreateAlcaStellaCardList の最後(フィルタリング後)にソート処理を入れる設計は、パフォーマンス的にも非常に理にかなっています。
その実装で進めましょう!
OKです。
実際どういう風にコードを書いてもらうかはGemini先生にお任せしますが、
とりあえず考え方としては問題なさそうです。
【追加要件】昇順・降順について
🤔まる。の考え
これはC++内だけで完結する話ではなく、
プレイヤーが操作したUIの情報をもとに処理を行うことになるため、少し難しそうです。
パッと思いつくのは、BP側からC++の関数を呼び出す際に、
引数で「昇順か降順か」を指定する方法です。
その指定をもとにソートを行うよう、
フィルタやソートのロジック全体を改修するというやり方はどうでしょうか?
Gemini先生、何か良い案はありますか?
👨🏫 Gemini先生の回答
そのアプローチでバッチリです!
UI(BP)の状態をC++に伝えるには、やはり関数の引数で渡すのが一番確実でスタンダードな方法です。
実装をより綺麗にするための**「良い案」**として、**Enum(列挙型)**を使うことをおすすめします。
具体的な提案:boolではなくEnumを使う
「昇順か降順か」を表すのに、bool bIsAscending (trueなら昇順、falseなら降順)を使うと、後でコードを見た時に「どっちがどっちだっけ?」となりがちです。
そこで、以下のような UENUM を定義して、引数として渡すのはいかがでしょうか?
(以下、提案内容…)
全体の流れとしては問題なさそうですね。
もしかしたら、もっと効率的なアプローチもあるかと思いますが一旦、
私がイメージした流れでの実装を試みます。
3.実装フェーズ
準備が整ったので、いよいよ実装に入ります。
ここでは、先ほど整理した流れに沿ってロジックを組んでいきます。
以下の2つの機能を実装することが今回のゴールです。
「昇順・降順」切り替えの検知
ユーザーがUIでどちらを選んだか判定する。項目の確認とソート実行
「名前順」「攻撃力順」など、選ばれた項目に合わせて並び替える。
STEP 1:ソート条件の定義(Enumの作成)
ソート機能を実装するには、
まず「ユーザーがどんな並び替えをしたいのか?」をC++側で判断できるようにする必要があります。
そこで、プログラム内で扱いやすいようにEnum(列挙型)を使って、
「並び順」と「項目」をあらかじめ定義しておきます。これが後々の判定処理の土台になります。
編集するファイル:AlcaStellaCardLibrary.h
クラス定義(class ...)よりも上の部分に、以下のコードを追加します。
// 昇順・降順を指定するEnum
UENUM(BlueprintType)
enum class ECardSortOrder : uint8
{
Ascending UMETA(DisplayName = "昇順 (小さい順)"),
Descending UMETA(DisplayName = "降順 (大きい順)")
};
// ソートの基準項目(5項目)
UENUM(BlueprintType)
enum class ECardSortType : uint8
{
ID UMETA(DisplayName = "ID順"),
Name UMETA(DisplayName = "名前順"),
Likability UMETA(DisplayName = "好感度順"),
ATK UMETA(DisplayName = "ATK順"),
DEF UMETA(DisplayName = "DEF順")
};STEP 2:ヘッダーファイル(.h)の関数更新
続いて、作成したEnumを関数で使えるようにします。
FilterCardsUnified 関数の引数に、先ほどの「ソート項目(SortType)」と「昇順・降順(SortOrder)」を追加します。
// 変更前
static TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*> FilterCardsUnified(
const TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*>& InCardList,
FString Keyword,
int32 OwnedFilterType,
const TArray<ECharacterClass>& SelectedClasses
);
// 変更後(末尾に SortOrder を追加)
static TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*> FilterCardsUnified(
const TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*>& InCardList,
FString Keyword,
int32 OwnedFilterType,
const TArray<ECharacterClass>& SelectedClasses,
ECardSortType SortType,
ECardSortOrder SortOrder
);これで関数の定義が変わり、WBP上からこれらの情報を渡せる準備が整いました。
STEP 3:ソースファイル(.cpp)の実装を更新
いよいよ、実際の処理(ソートロジック)を書き加えます。
編集ファイル: AlcaStellaCardLibrary.cpp
FilterCardsUnified 関数を以下のように修正します。
引数の追加: ヘッダーファイルと同様に、関数の定義行の末尾に SortType と SortOrder を加えます。
ソート処理の追加: return ResultArray; の直前に、ソート用のコードを挿入します。
// 関数の定義行(引数を追加)
TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*> UAlcaStellaCardLibrary::FilterCardsUnified(
const TArray<UAlcaStellaCardDataCollection*>& InCardList,
FString Keyword,
int32 OwnedFilterType,
const TArray<ECharacterClass>& SelectedClasses, // ★STEP2に合わせて修正
ECardSortType SortType, // ★追加
ECardSortOrder SortOrder // ★追加
)
{
// ...(既存のフィルタリング処理:ResultArrayを作っている部分)...
// ★★★ ここからソート処理を追加 ★★★
// ソート実行(ラムダ式を使用)
// 配列の中身はポインタなので、引数 A, B もポインタとして受け取ります
ResultArray.Sort([SortType, SortOrder](const UAlcaStellaCardDataCollection& ARef, const UAlcaStellaCardDataCollection& BRef) {
// ポインタとして安全に扱えるように整理
const UAlcaStellaCardDataCollection* A = &ARef;
const UAlcaStellaCardDataCollection* B = &BRef;
// 比較結果(AはBより手前に来るべきか?)
bool bIsPrior = false;
switch (SortType)
{
case ECardSortType::ID:
if (SortOrder == ECardSortOrder::Ascending)
bIsPrior = (A->CardId.ToString() < B->CardId.ToString());
else
bIsPrior = (A->CardId.ToString() > B->CardId.ToString());
break;
case ECardSortType::Name:
// 文字列比較
if (SortOrder == ECardSortOrder::Ascending)
bIsPrior = (A->CardData.DisplayName.ToString() < B->CardData.DisplayName.ToString());
else
bIsPrior = (A->CardData.DisplayName.ToString() > B->CardData.DisplayName.ToString());
break;
case ECardSortType::ATK:
{
// データがない場合の安全策として0扱いにする
int32 AtkA = A->CardData.BattleLevelStatValues.Contains(1) ? A->CardData.BattleLevelStatValues[1].ATK : 0;
int32 AtkB = B->CardData.BattleLevelStatValues.Contains(1) ? B->CardData.BattleLevelStatValues[1].ATK : 0;
if (SortOrder == ECardSortOrder::Ascending)
bIsPrior = (AtkA < AtkB);
else
bIsPrior = (AtkA > AtkB);
}
break;
case ECardSortType::DEF:
{
int32 DefA = A->CardData.BattleLevelStatValues.Contains(1) ? A->CardData.BattleLevelStatValues[1].DEF : 0;
int32 DefB = B->CardData.BattleLevelStatValues.Contains(1) ? B->CardData.BattleLevelStatValues[1].DEF : 0;
if (SortOrder == ECardSortOrder::Ascending)
bIsPrior = (DefA < DefB);
else
bIsPrior = (DefA > DefB);
}
break;
default:
// デフォルトはID昇順
bIsPrior = (A->CardId.ToString() < B->CardId.ToString());
break;
}
return bIsPrior;
});
// ★★★ ここまで ★★★
return ResultArray;
}・・・さぁ、頭が痛くなりそうなコードがやって来ました。
正直、読み飛ばしたいですがしっかりコードレビューします。
🤔コードレビュー
ぶっちゃけて言うと、過去イチ複雑なコードかもしれません。
ここで登場する「ラムダ式」という書き方…
…Unity(C#)を触っていた時に少し見た気もしますが、
正直全くと言っていいほど覚えていませんでした。
しかし、今回のソート機能はこのラムダ式がロジックの根幹になっています。
ここでしっかりと覚え直しておきましょう!
💡ラムダ式とは?
一言で言うと、「関数をその場でサクッと定義して使う方法」です。
従来の関数と比べてみましょう。
// 従来の関数定義
bool traditional_compare(int a, int b) {
return a < b;
}
// 同じ機能をラムダ式で実装
auto lambda_compare = [](int a, int b) { return a < b; };これだけ見ると「だから何? 従来のやり方で良くない?」って思いますよね。
(私も最初はそう思いました)
※一応、プログラミングに慣れてない人向けに説明するとどちらのコードもやっていることは同じです。
例えるなら1ドルは100円より大きい。「〇」か「×」か?みたいな事をaとbを比較してその結果を教えてくれる関数です。
問題は、機能というよりコードの書き方にあります。
---
🛒 エコバッグとレジ袋の違い
従来の関数 = エコバッグ
定義する手間(コスト)はかかりますが、
丈夫で、何度も使い回すことを目的としています。
「この処理はあちこちで使うぞ」という時に作ります。
ラムダ式 = レジ袋
その場で手に入り、コストがかからず、使い終わったらすぐ捨てられます。
「今この瞬間だけ、この処理をしたい!」という時に最適です。
---
もっと分かりやすく、UnityなどでおなじみのC#と比較してみましょう。
// 普通の関数記法
private int Add(int x, int y)
{
return x + y;
}
// ラムダ式の記法
(int x, int y) => { return x + y; };どうでしょう? 明確にスッキリしていますよね。
普通の関数は「宣言」が必要ですが、
ラムダ式は「コードの途中(処理の流れの中)」に突然書くことができます。
つまり、「一時的に利用したい処理を、その場で作って渡せるインスタントな関数」というイメージです。
今回のソート機能も、「AとBのカード、どっちが先?」という判定ルールを、
ソート命令の中に直接書き込むためにラムダ式を使っているわけですね。
こんな感じの理解であってますか?
Gemini先生。
🤖 Gemini先生からのコメント
その理解で100点満点です!
特に「エコバッグ(再利用する従来の関数)」と「レジ袋(その場限りのラムダ式)」という例えは、
プログラミングの教科書に載せたいくらい秀逸で分かりやすい表現ですよ。
まさに仰る通り、今回のソート機能のように**「この場所でしか使わない独自のルール」**を、わざわざ別の場所に関数として定義するのは少し手間ですし、コードも散らかりがちです。
そんな時、コードの流れの中で**「はい、このルールで並べ替えてね!」**と、ロジックをレジ袋に入れてその場で渡せるのがラムダ式の最大の強みです。 「インスタントな関数」という感覚を掴めていれば、もうラムダ式は怖くありません。バッチリ使いこなせています!
良かった。合ってたみたいですね。
では、気を取り直して仕上げに入ります。
STEP 4:ビルドする
ここまで来れば、C++側のコーディングは完了です! あとはこのロジックをUE5のエディタ(WBP)側で使えるように、いつものビルド(コンパイル)を行います。
エラーが出ずに成功すれば、いよいよ仕上げのUI実装フェーズです。

まとめ
長くなりましたが、今日はここまで!
ぶっちゃけた話、ソート機能の実装がここまで複雑だとは思いませんでした……。
途中で何度も「あれ? ロジックどうなってたっけ?」と迷子になりかけましたが、なんとか形になってきました。
次回こそはソート機能を完遂し、
残る「詳細表示」を作ってコレクションメニューを完成させます!
果たして、無事にメニュー画面が完成するのか?
ご期待ください!
今日のポラリスちゃん

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