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20代も40代も同じ悩み?国のデータが暴いた"男性の見えない負担"

国のデータをのぞいていて、ちょっと驚く事実を見つけました。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)によると、男性の悩みランキングは、20代・30代・40代でまったく同じ顔ぶれなんです。

順位はおろか、項目まで完全に一致。20年分の年齢を重ねても、悩みの中身がびくともしないのです。

一方、女性はこうなります。

女性は2位・3位が年代ごとにきれいに入れ替わります。20代は「人間関係」、30代は「育児」、40代は「子どもの教育」。結婚や出産、子育てといったライフイベントが、そのまま悩みの中身に反映されているように見えます。

この違いはどこから来るのでしょうか。

3つの仮説

最初に思いついたのは、こんな仮説でした。

仮説1:男性はそもそもライフイベントが少ない
結婚も、子どもの誕生も、親の介護も、男性の人生にも同じように起きています。この仮説は早々に却下です。
仮説2:男性はライフイベントの影響を受けにくい
イベント自体は起きているのに、悩みとして表面化しない。つまり、実際の負担を引き受ける割合に差があるのではないか、という仮説です。
仮説3:男性の悩みは「仕事」という一つの要因に集約されすぎている
ライフイベントが起きても、それが「収入・家計」や「自分の病気」という既存カテゴリの範囲内に吸収されてしまい、新しい悩みとして意識されにくいのではないか。

この3つのうち、実際にデータで裏付けが取れたのは仮説2でした。

家事・育児時間、まだ4倍の差がある

総務省「社会生活基本調査」(2021年)を見ると、家事や育児にかける時間には、まだ大きな男女差があります。

つまり、同じ「子どもが生まれる」というライフイベントが起きても、そこにかかる時間的・精神的な負荷の大部分を、実際には女性が引き受けているケースが多い、ということです。

男性の悩みが「仕事」「収入・家計」「自分の病気」からほとんど動かないのは、育児や教育といった新しい負荷が、まだ日々の生活時間の中で大きな割合を占めるところまで届いていないから、と読むこともできそうです。

人事の現場で見えてきたこと

このデータは、自分の実感とも重なります。約20年ほど人事の仕事をしてきた中で、女性社員から最も多く受けた相談が、「妊活のタイミング」や「不妊治療にかかる時間の確保」、そしてそれに伴う「周囲の理解」や「キャリアへの不安」についてでした。統計の「育児」や「収入・家計」には表れにくい、けれど確かに存在する悩みです。

男性の状況も確実に変わりつつある

ここで大事なのは、これは「男性が悩みから逃げている」という話ではない、ということです。

同じ社会生活基本調査を過去と比べると、男性の家事・育児参加は着実に伸びています。

20年間で、家事は4倍、育児は2.6倍に増えているんです。もちろん女性の負担と比べればまだ大きな差がありますが、「昔はゼロに近かったものが、今はここまで増えた」という変化の速度そのものは、決して小さくありません。

内閣府も「男性中心型労働慣行の変革」を政策課題に掲げていて、社会全体として、男性が家事や育児に関わることが当たり前になっていく方向に向かっているのは間違いなさそうです。

職場のあり方も変わってきています。かつては「育休を取る男性」自体が珍しかったのが、今は多くの企業が「イクメン」を奨励する空気に変わりました。上のグラフの通り、男性の育児休業取得率はここ10年ほどで急上昇し、2022年に「産後パパ育休」制度が始まったことや、企業に育休制度の周知・意向確認が義務づけられたことも後押しになっています。

「男は仕事、育児は女性」という役割分担を当然とする空気そのものが、職場レベルでも変わりつつあるということです。

つまり今回のデータは、「男性は変わらない」という結論ではなく、**「悩みという形で表面化するには、まだ時間がかかっている過渡期」**を映し出しているのかもしれません。

おわりに

「男性は仕事、女性は育児と教育で悩む」という構図は、個人の性格や意識の問題というより、まだ残っている社会的な役割分担の名残と考えた方が自然です。そしてその名残は、統計を見る限り、確実に薄まりつつあります。

家事時間が20年で4倍、育休取得率が10年で10倍以上・・・
この変化のスピードを見る限り、男性の悩みランキングに「育児」や「子どもの教育」が並ぶ日は、そう遠くない未来かもしれません。

このデータを見て、あなたの家庭や職場ではどう感じますか。もしよければ、コメントで教えてください!


出典

  • 厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)

  • 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」

※本記事のデータは相関関係を示すものであり、因果関係を証明するものではありません。

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