デジタル混入島|ショートショート
「あ、ここも鳥いました!」
バードウォッチャーが目を凝らしているのは、大自然ではなくモニターの画面だ。最近、鳥の混入事件が相次いでいる。活字の「鳥」だ。
本来は「島」であるはずのところに「鳥」が侵入してしまうのだ。
事件が認知され始めたのは、島田晃敏内閣総理大臣が就任してすぐの頃だった。大手の新聞に誤字が相次ぎ、各社原因究明に奔走した。
ほどなくして、新聞だけでなく教科書、雑誌、個人のSNSに至るまで、多くの活字で「鳥」の混入が続々と発見された。
鳥混入を阻止する校正部隊は「バードウォッチャー」と名付けられ、メディアで脚光を浴びた。しかしバードウォッチャーは対症療法に過ぎず、真の対応策が求められた。
あるテレビが、面白半分に生き物の鳥の生態に詳しい学者に話を聞きに行った。誰も期待はしていなかった。
「鳥の撃退方法だって? 簡単ですよ」
学者は事も無げに言った。
「天敵を置くんですよ」
「その天敵とは?」
「鳥の天敵、すなわち鷹ですよ、鷹」
以来、鳥は鷹を恐れて姿を消した。
(430文字)ちょっぴりオーバー
こちらの企画の裏お題です。
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