第14回視覚障害者の一人旅 第11弾サッカー観戦 山口
第14回 視覚障害者の一人旅 第11弾サッカー観戦 山口
レノファ山口FC 対 テゲバジャーロ宮崎
明治安田J2・J3百年構想リーグ 16節
日時 5月9日(土) 14時
場所 維新みらいふスタジアム
今回は、サッカー観戦11弾、山口維新みらいふスタジアムのことを記す。サッカー観戦に行くまでに音だけで旅をする違う楽しみにも気付いた旅となった。また、スタジアムの席がとても自分の目的には即した席に座ることができ、試合内容を楽しむことができた。
【アクセス 】
7:33発 広島駅(在来線) 8:23着 岩国駅
8:50発 岩国駅(在来線) 10:50着 新山口駅
11:15発 新山口駅(シャトルバス) 11:45着 維新みらいふスタジアム駐車場
11:45発 維新みらいふスタジアム駐車場(徒歩) 11:55着 維新みらいふスタジアムゲート
16:00発 維新未ライフスタジアムゲート 16:10着 維新みらいふスタジアム駐車場
16:15発 維新みらいふスタジアム駐車場(シャトルバス) 17:00着 新山口駅
大年駅が最寄り駅であり、そこから徒歩15分という方法もあり、迷ったが新山口駅からのシャトルバスを選択した。
【出会い】
Aさん(女性) 新山口駅新幹線口階段下から、シャトルバス乗り場まで誘導
Bさん(女性) 維新みらいふスタジアム駐車場から ゲートまで誘導
Cさん(スタジアムスタッフ男性) スタジアムゲートから席まで誘導
Dサン(女性) 席から、スタジアム駐車場シャトルバス乗り場まで誘導
【エピソード】
今回はJRで、誘導を依頼せず、広島駅から新山口駅までは自力で、岩国駅での乗り換えを行い、到着することができた。帰りも同じように広島駅に到着した。
広島駅では1番乗り場から、岩国行が出ることを知っていたので、1在来線改札口から点字ブロックをつたい1番乗り場の方向に進み、エレベーターを見つけたので降りた。エレベーターは、音声でホーム階に降りることを示してくれているが、そのホームが何番ホームかは、音声で案内がない。ホームに着いてみると客がいない気配である。これは、1番線ではないと判断。しかし、エレベーターに戻ろうとしたが、方向を失った。白杖で情報を探りながらホームから落ちないことを最優先にゆっくりと探索し、エレベーターにたどり着いた。やっぱりホーム柵のないホームはめちゃめちゃ怖いことを再認識した。何とか、修正し、1番ホームにたどり着いた。自分の移動では、エレベーターよりも階段を見つけるほうが良いとこのことにより感じた。階段には必ず点字がある。何番ホームかは間違うことはない。方向も見失うことも少ない。安全に階段を使うことにしよう。
新山口駅の新幹線出口の階段を降りる場所まで、何とか一人でたどり着いた。そこで、階段の点字を探っていると、前から上がってくる人の気配がした。その人は、探っている自分のそばで、止まったような気配であった。階段をゆっくり降り切ったときに、後ろからAさんが「大丈夫ですか。」と声を掛けてくれた。「もしかしたら、上からずっと見守ってくれてましたか。」と尋ねると、わらいながら「そうなんですよ。なんか心配で。どこまで行かれるのですか」とのこと、サッカーを見に行きたいので、シャトルバス乗り場を探そうと思うことを伝えると、自分も分からないけど一緒に探してくれるということになった。JRに乗ろうと、階段の上まで上がってきたAさんが、そうやって一緒に時間をかけて、探してくれるのにうれしさと感謝ばかりである。道中も明るく、ほっとできるような話をしてくれながら、シャトルバス乗り場まで誘導してもらった。
シャトルバスは満員で、年齢層も幅広い。これまでのシャトルバスでは考えられないくらいの人数が乗っていた。5分くらい経ったところで、外から、汽笛の音が聞こえた。何だろうと思った瞬間、バスに座っていた子どもが、「黒い煙が出ている。」と騒いでいる。そのお母さんが「SLやね」ということであった。SLって何だと考えていたところに、また汽笛の音、煙が煙がと騒いでいる。JR山口線の観光列車SL山口だったらしい。SLに乗ったことがないので、今度乗りたいなあと思いつつ、この遭遇は見えていなくても味合うことができる旅の醍醐味だなあと感じた。
もう一つ今回旅の醍醐味だなあと感じたのは、在来線で、ゆっくり移動すると、全ての駅の名称が分かる。大学時代に地理学を先行していたこともあるのか、地名を聞くと頭の中に地図を描いて線を作っている。今回も山口県の岩国から新山口までの線が頭に描きながら、旅をすることができた。また、徳山駅では、駅のメロディーが童謡の「ぞうさん」のメロディーだった。こんなことに気付けるのも旅をしているからであると思う。前のことではあるが、高知の特急はアンパンマン列車で、アナウンスでアンパンマンが出てきたり、熊本の光の森駅に向かう時にクレヨンしんちゃんとみさえがアナウンスに出てきたり、こんなことも些細なことかもしれないが、楽しいことである。
また、アナウンスで気付くことは、広島駅はカープの選手が出てきていること。でもそういうことではないところで、困った人を見ると、進んで声を掛けてください。というアナウンスが、今回の徳山駅に着く前のアナウンスで流れた。以前も鳥栖駅の駅の構内でも、同じような内容が流れた。自分のような立場の人にとって、とてもありがたいアナウンスである。全国の駅で是非参考にしてもらいたいことである。このようなことで、在来線でゆっくり旅をするのも面白いのではないかと感じることができた。
Bさんは、スタジアムの駐車場にシャトルバスが着いたあと、すぐに声を掛けてくれた。「どこの席ですか。」と聞かれて、「バックスタンドです。」と答えると「誘導します。」の一言で、ほとんど話すことなく、ゲートまで誘導してくれた。Aさんのように明るく和ませてもらいながらの誘導は楽しくて、そのようなことを期待してしまうが、Bさんのような支援も優しさも伝わり、ほっとできる素晴らしいものであった。
【スタジアム・試合】
スタジアムまでのアクセスは、シャトルバスが充実しており、素晴らしい。それが、浸透しているのかシャトルバスの利用者も多い。また、大年駅という最寄り駅もあり、オレンジのラインをたどるとスタジアムにたどり着くようになっているようである。この取組も素晴らしいと思う。
スタジアムの中も歩きやすく、トイレも良かった。今回バックスタンドだったので店はほとんど出ていなかったが、メインスタンドだったら、一人で動けた可能性もあったと思われた。
今回の感動は、中立な立場でサッカー観戦がしたいという思いがあった。座らせてもらった席が最高であった。右の席の人は結構熱くレノファ山口を応援している。後ろの席の夫婦は2人で話しながら、レノファ山口を応援している。左の5人組くらいの団体は熱くテゲバジャーロ宮崎を応援する団体であった。これが、音だけで状況が分かる最高の席であった。右の席から、喜びやため息が聞こえる。後ろの席からゲームの内容が聞こえる。左の席からも右の席とは逆の喜びとため息が聞こえる。その他、ゴール裏からのサポーターの声もどちらも鮮明に聞こえる。盛り上がりもスタジアムDJの方が心地よく進めている。音だけでの観戦には本当に状況が良く、90分終了するまでとても短く、楽しむことができた。結果は、テゲバジャーロ宮崎が勝利した。ちょっとだけ思っていたのは、レノファ山口が勝利したら2位に上がる。それも盛り上がるのになあとも思っていたことはあった。テゲバジャーロ宮崎は、ターンオーバーしていたにも関わらず、勝利した。とても強い。
今回は、観戦以外の楽しみを見つけることができ、充実したものになった。
