見出し画像

病院に行く前にドラッグストアへ行く人へ。腎臓を守るために知っておきたい「市販薬とサプリ」の選び方

「ちょっと頭が痛い」
「なんか風邪気味かも」

—そんなとき、
わざわざ病院に行くのは面倒だからと、
ドラッグストアで市販薬をサッと買って済ませていませんか?

あるいは、
「お父さん(お母さん)の体のために」と、
青汁やビタミン剤、ウコンなどのサプリメントを
毎月買い続けている方はいませんか?

気持ちはよくわかります。

──でも実は、ドラッグストアで何気なく選んだ薬や、家族のために買っているサプリが、あなたや家族の腎臓を傷つけているかもしれません。

🌱 この記事を読む前に、無料の2記事から読むと安心です。リンクを貼っておきますので、のぞいてみてください。

  1. 【まず知ってほしい】血圧の薬+市販の痛み止めが引き起こす「三重の危険」とその防ぎ方

  2. 【数字の見方】【健康診断の落とし穴】「クレアチニンは正常」を信じてはいけない理由

土台ができたところで、この記事では「具体的にどの市販薬・どのサプリに注意すべきか」を、薬剤師がドラッグストアで実際にチェックしている目線でお伝えします。


病院は待ち時間が長い。
病院にお世話にならなくてもいいように、
まずはできることから健康管理を始めたい。
サプリは「食品だから安全」と思いたい。
でも——

結論から言います。
手軽に買える市販薬や「体に良い」はずの
サプリメントの中に、
弱った腎臓に取り返しのつかないダメージを
与えるものがあります。

私は腎臓病の薬物療法を専門に
学んできた薬剤師で、病院に勤務しています。

入院してきた患者さんの荷物を確認するとき、
お薬手帳には載っていない「巾着袋の中身」
—市販薬、健康食品、謎のサプリの山—
を目にするたびに、
ヒヤッとする場面があります。

患者さんは自分の体のことを考えて
選んでいました。
「体のために良いと思っていた」
「病院で処方された薬と別物だと思っていた」
—ただそれだけです。

でも、腎臓はその分だけ、静かに、
でも確実に追い詰められていくんです。

この記事では、そんな現場での実体験をもとに、
意外な落とし穴を3つのワースト
絞って解説します。

まずは「何が危ないか」の全体像をお伝えし、
その後に、「ドラッグストアの棚の前で迷わず選べる」具体的な成分名・見分け方・代替案をまとめています。


📌 この記事はこんな方に読んでほしい

・腎臓病(CKD)と診断されている方、
 またはそのご家族・介護をされている方 
・健康診断で「eGFRが低い」「腎機能に注意」と言われたことがある方 
・「市販薬やサプリくらいなら大丈夫」と
  これまで深く考えずに使ってきた方




▼ 【ワースト1】:やっぱり一番怖い「痛み止め(NSAIDs)」の重複

💡 このセクションで分かること
・ドラッグストアで最も手軽に買えて、最も腎臓を傷めやすい市販薬とは
・なぜNSAIDsが腎臓に危険なのか
・病棟で繰り返し見てきた「危険な重複」のパターン
・「処方薬を飲んでいないから大丈夫」が危険な理由

腎臓病の人が市販薬で最も避けるべきもの、それは痛み止めです。

ロキソニンS、
イブプロフェン、
バファリンプレミアム
—ドラッグストアの棚に当たり前のように
並んでいるこれらの薬は、
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) と呼ばれるグループに属しています。

頭痛、生理痛、歯痛、肩こり……
と幅広い「痛み」に効くため、
日本で最もよく使われる市販薬のひとつです。

でも、腎機能が低下している方にとって、
このNSAIDsは
「手軽に買える薬」の中で最も危険なグループ
と言っても過言ではありません。


なぜNSAIDsは腎臓に危険なのか

NSAIDsが腎臓の血流を絞ってしまう
メカニズムについては、
以前の記事「腎臓を守る薬の話」
詳しく解説しています。
まだお読みでない方はぜひそちらも
ご覧ください。

簡単に言うと、NSAIDsは腎臓の血管を広げておくために必要な物質(プロスタグランジン)の働きを邪魔します。
健康な腎臓であれば別の仕組みで補えますが、
すでに機能が落ちている腎臓には
その余裕がありません

血流が急激に低下し、
急性腎障害(AKI)を引き起こしてしまうリスクがあります。


病棟で何度も見てきた「危険な重複」

ここで、現場でよく遭遇するケースを
ひとつお伝えします。

入院してきた患者さんのお薬手帳を確認すると、
主治医からすでに痛み止めが処方されています。

ところが荷物の中を見ると、
市販のロキソニンSやイブプロフェン系の薬が
別に入っている
んです。

理由を聞くと、
決まってこんな答えが返ってきます。

「処方された薬は決まった時間にしか飲めないから、痛いときにすぐ飲めるよう手元に置いていた」
「先生にもらった薬と市販薬は別物だと思っていた」
「先生の痛み止めが効かないなんて、申し訳なくて言えない」

患者さんの気持ちは痛いほどわかります。
でも、薬剤師の目から見ると、
これはNSAIDsを2種類同時に使っている状態です。
腎臓への負担は単純に重なり、
急性腎障害のリスクが跳ね上がります。


「自分は処方薬を飲んでいないから大丈夫」は本当か

処方薬との重複がなければ安心、
というわけでもありません。

腎機能が低下している方(eGFRが低い方)は、
たとえNSAIDsを1種類だけ使っていても、
健康な人と同じようには代謝・排泄できません。

「いつもと同じ量」「短期間だけ」のつもりが、
腎臓にとっては過剰な負荷になっていることがあります。

「市販薬だから安全」ではなく、
「腎臓が弱っているときは、痛み止めの市販薬は原則として手を出さない」

—薬剤師としての、私の基本的なスタンスです。

では、痛いときはどうすればいいのか。
その答えは、有料部分の
「風邪薬の正しい選び方」の中で解説する
アセトアミノフェンの話にもつながります。
ぜひそちらもあわせてお読みください。


▼ 【ワースト2】:成分を見落としがちな「総合感冒薬(風邪薬)」

どちらにもNSAIDsが入っていて、
腎臓にダメージを与えます

💡 このセクションで分かること
・総合感冒薬にはNSAIDsが含まれているものが多い
・「風邪薬」と「痛み止め」を別々に飲むと、NSAIDsが重複するリスクがある
・「EX」「プレミアム」など上位モデルほど要注意
・具体的な安全な選び方は有料パートへ


「風邪薬は痛み止めとは違う」—その思い込みが危険です。
市販の総合感冒薬を手に取ったとき、
「これは風邪を治す薬だから、
痛み止めとは別物」
と思っていませんか?
実はこれが、
腎臓にとって見えにくい落とし穴になっています。


風邪薬の「中身」を見たことがありますか?

市販の総合感冒薬は、
複数の成分が
ひとつのパッケージに入っています。

鼻水を止める成分、
せきを抑える成分、
熱を下げる成分—。
そしてこの「熱を下げる・痛みを和らげる」
解熱鎮痛成分として、
イブプロフェン(NSAIDs)が配合されている製品が数多くあります。

つまり、
「風邪薬」として飲んでいるつもりでも、
実際にはNSAIDsを飲んでいることになります。
ワースト1で解説したリスクは、
風邪薬でもまったく同じように発生します。


パッケージが違っても、成分は同じ

現場でとくに怖いと感じるのが、
患者さん自身が
「別の薬だから大丈夫」と判断して
重ねて飲んでしまうパターン
です。

たとえばこういうケースがあります。

腎機能が低下している患者さんが、
風邪をひいて市販の総合感冒薬を飲み始めた。
でも熱はなかなか下がらないし、頭も痛い。
「風邪薬だけじゃ足りないから」と、
別の市販の痛み止めを自己判断で追加した。

ご本人は、ただ、治そうとしているだけです。

「風邪薬」と「痛み止め」は別の商品だから、
重ねても問題ないと思っていたんです。

でも、その2つのパッケージの裏側を見ると、
どちらにも「イブプロフェン」の文字がある。
ブランド名が違うだけで、
中身の成分が完全に重複している
のです。

これはワースト1で紹介した
「処方薬との重複」と同じです。
NSAIDsを2種類同時に使っている状態となり、
腎臓への負担は一気に跳ね上がります。


「効き目の強い上位モデル」ほど要注意

同じブランドの風邪薬でも、
「〇〇EX」「〇〇プレミアム」「〇〇MAX」
など、
効き目の強さを謳う上位モデルほど、
イブプロフェンが配合されている
傾向があります。

「よく効くから」と
上位モデルを選ぶ方は多いですが、
腎機能が低下している方にとっては、
むしろ避けるべき選択になってしまいます。

「じゃあ風邪のとき、何を飲めばいいの?」
その答えが、アセトアミノフェンを主体とした
製品の選び方
です。
具体的な見分け方と商品の探し方は、
有料部分で詳しく解説します。


▼ 【ワースト3】:「健康に良い」はずが毒になる「サプリ・漢方」

💡 このセクションで分かること
・「食品だから安全」という思い込みが最も危険な落とし穴
・腎機能が低下していると、健康成分が「排泄できないゴミ」になる
・具体的に危険なサプリの種類と理由は有料パートへ


「食品だから安全」「自然由来だから大丈夫」
—この思い込みが、腎臓にとって最も油断ならない罠です。

痛み止めや風邪薬は「薬」だから気をつけよう、と思えます。
でもサプリメントは「薬ではない」から、
なんとなく安心して飲んでしまう。
この心理的なハードルの低さこそが、
腎臓病を持つ方にとって
最大の危険ポイント
です。


病棟で何度も頭を抱えた「巾着袋の中身」

入院してきた患者さんの荷物を確認するとき、
薬剤師として必ずチェックするのが
「お薬手帳に載っていない持ち込み品」です。

処方薬はお薬手帳で把握できます。
でも市販のサプリメントや健康食品は、
患者さん自身が「薬じゃないから」と
申告しないことが多い。
そして巾着袋やポーチの中から出てくるのが、

青汁の粉末、ビタミンCの大容量ボトル、ウコンのカプセル、
「医師も驚く」と書かれた謎の健康食品の山——。

主治医と一緒に「これは飲み続けてよいか」を
一つひとつ確認する作業は、
正直なところ骨が折れます。
でもそれ以上に、
「なぜ入院前に
 もっと早く誰かが気づけなかったのか」

という思いが毎回頭をよぎります。


なぜサプリが腎臓を壊すのか

健康な腎臓は、
体にとって不要なものを尿として排泄する
「フィルター」の役割を持っています。
サプリメントで摂った成分も、
余った分は腎臓を通じて体の外に出ていきます。

ところが、eGFRが低下した腎臓では、
この「排泄する力」が落ちています。

健康な人なら問題なく尿で流せる成分が、
腎機能低下者の体内では処理しきれずに
蓄積していきます。
「健康に良い成分」のはずが、
腎臓にとっては「処理しきれないゴミ」になってしまうのです。

腎臓が弱っていると、
『健康に良い成分』も危険になってしまう

eGFRとその意味については
以下の記事でくわしく解説しています。
まだお読みでない方はぜひご覧ください。


「処方薬をやめてサプリで治そう」は最も危険な選択

もうひとつ、
どうしても伝えておきたいことがあります。

「薬の副作用が心配だから、
 代わりにサプリで治したい」
—こうした気持ちは、
決して珍しいものではありません。
長期間薬を飲み続けることへの不安は、
患者さんから日々聞く声のひとつです。

ただ、処方薬を自己判断でやめることだけは
どうか踏みとどまってください。

腎臓病の治療薬の中には、
腎臓をこれ以上傷めないために欠かせないものが含まれています。
それを突然中断して
サプリに切り替えてしまうと、
気づかないうちに病気が進行してしまう
ことがあります。

サプリはあくまで「補助」であり、
処方薬の代わりにはなりません。

「今飲んでいる薬を変えたい」
「サプリを追加したい」と思ったときは、
まず主治医か薬剤師に
一言相談してみてください。
きっと一緒に考えてくれます。


⚠️ 「じゃあ具体的にどのサプリが危ないの?」
青汁、ビタミンC、ビタミンD、ウコン、クランベリー
……「健康に良い」として広く飲まれているサプリの中に、
腎機能低下者には深刻なリスクをもたらすものが複数あります。
それぞれの危険な理由・メカニズム・注意すべきeGFRの目安は、有料パートで詳しく解説します。


▼ ここまでのまとめ:腎臓は、静かに壊れていく

ここまで3つのワーストを見てきました。
改めて整理します。

🔴 ワースト1:痛み止め(NSAIDs)の重複
ロキソニンS・イブプロフェン系は、
腎臓の血流を低下させる。
処方薬との重複はとくに危険。
🔴 ワースト2:総合感冒薬(風邪薬)の成分見落とし
「EX」「プレミアム」など
上位モデルの風邪薬には、
NSAIDsが含まれているものが多い。
「風邪薬+痛み止め」の重複に要注意。
🔴 ワースト3:「体に良い」サプリ・健康食品
腎機能が低下した体では、
健康成分が排泄できずに蓄積する。
処方薬を自己判断でやめて
サプリに切り替えるのは最も避けてほしい行動。


これらに共通しているのは、
「悪意のある選択」ではなく、
「善意の思い込み」から起きている
という点です。

「市販薬だから大丈夫」
「食品だから安心」
「体のために良いことをしている」
—その気持ちは本物です。

でも腎臓は、
ダメージを受けても痛みで教えてくれません。
気づいたときには、
取り返しのつかない段階まで
進んでいることがあります。
だからこそ、
「知っているかどうか」が
腎臓を守る最大の武器になります。


ここまでは「何が危ないか」の全体像を
お伝えしました。
でも、多くの方が本当に知りたいのは
「じゃあ、具体的に何を選べばいいのか」
ではないでしょうか。

ここから先では、
腎臓病の薬物療法を専門に学んできた
薬剤師の視点から、
ドラッグストアの棚の前でそのまま使える知識
具体的にまとめています。


📋 有料部分の内容
✅ 風邪薬の「安全な選び方」
——成分表のどこを見るか、アセトアミノフェンとは何か
✅ 腎臓に危険なサプリ実名リスト
——青汁・ビタミンC・ビタミンD・ウコン・クランベリー・有機ゲルマニウムほか、なぜ危険なのかをメカニズムとともに解説
✅ 紅麹問題が教えてくれた「成分表に書いていないリスク」
✅ ドラッグストアで今日から使える「腎臓を守る3つの習慣」
✅ 薬剤師・登録販売者への「正しい相談の仕方」
——eGFRを伝えるだけで対応が変わる理由


「知っていれば防げた」—そんな後悔を、
ひとりでも少なくしたいと思って
この記事を書いています。
大切な自分の腎臓、
そして家族の腎臓を守るために、
ぜひここから先もお読みいただけると
嬉しいです。

ここから先は

7,351字 / 5画像

¥ 500

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

よろしければ応援お願いします!いただいたチップはオロナミンCの購入費としてモチベーションと活力アップに使わせていただきます✨