誰も教えてくれない“正しい努力”の仕方
はじめに
前回の記事で、王貞治の言葉を紹介しました。
「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」
社会に出ると、「どれだけ頑張ったか」よりも「どんな結果を出したか」で評価されます。
努力しているのに報われない、成果が出ない──そんな苦しさを感じる人も多いでしょう。
私が感じているのは、「正しい努力の仕方」を教えてもらっていない人が多いということです。
学校では過程が評価され、頑張ることが素晴らしいと称賛され、社会に出た途端に「結果を出せ」と言われたら、厳しいですよね。
しかも「結果を出せ」と発破をかけられても、「結果の出し方=正しい努力の仕方」を教われる機会が少ないので、すぐに迷路に迷い込んでしまいます。
今回は、正しい努力の仕方について、及ばずながら解説させていただきたいと思います。
「努力=時間をかける」ではない
社会人になってまず直面するのは、「長時間働けば評価される」という誤解です。
しかし現実には、どれだけ時間を使ったかではなく、何を生み出したかが評価されます。
言い換えれば、「努力の量」ではなく「努力の質」が問われるのです。
ただ頑張るのではなく、価値を生む行動を選ぶことが、最初の一歩になります。
ただし、誰でも最初から時間を使わずに成果を出せるわけではありません。時には時間を費やすことも必要です。
私が初めて営業職に就いたとき、支店平均は1日に100件ほど訪問して、15面談して、2〜3取次というのが平均的な取次件数でした。
私を含めて新人は、100件訪問し、15面談し、1取次か0かという成績が期待されていました。
そこで私は、300件訪問し、30面談し、毎日3取次を目指しました。初月、営業未経験だった私でも、支店平均は割らないと心に誓っていました。
訪問数を増やすため、誰よりも早く現場に出て、誰よりも遅く帰社する日々でした。
これは当時指導してくださった先輩が「お客様が教科書」「お客様対応の中で対応力を磨け」と教えてくださったので、とにかくお客様と対応する回数を増やそうと試みた結果でした。
この例などは、最初にある程度時間を費やすべきことを示しています。ただし、後述しますが、ただ単に時間をかければいいというものではありません。
正しい努力とは「目的から逆算する」こと
結果を出す人ほど、「何を達成すべきか(目的)」を明確にしてから動きます。
そしてその目的から行動を逆算して計画を立てます。
たとえば営業職なら、「月の売上目標」→「必要な成約数」→「商談数」→「1日のアポ数」というように、ゴールから必要な行動量を計算していくのです。
「とにかく頑張る」ではなく、「目的に直結する努力設計」をする。
ここに、本当の努力の本質があります。
先の私の事例で言えば、当時支店の平均取次は1日あたり3件でした。つまり平均3件の取次ができる人が、いわゆる中堅層だったのです。
私は長時間労働を選びましたが、その理由はここにあります。
営業を始めてすぐに、自分がだいたい10面談で1取次できることに気づきました。ということは、3件取次のためには30面談以上必要です。
営業をされていない方のために解説しますと、ここでいう30面談というのは「決定権者に30面談」という意味です。あくまでも裁量があり、商談をして決定することができる人に30面談という意味です。
当時、だいたい面談数は訪問数の1/10だと言われていました。ということは、30面談のためには、300訪問しないといけません。
ご理解いただけましたでしょうか?
私は最初に「未経験でも支店平均を割らない」と目標設定し、それに基づいて逆算した結果として「長時間労働」になっていただけなのです。
同期入社の人間の中で、私の成績を見て途中から真似する者もいましたが、残念ながらうまくいきませんでした。なぜなら、方法を真似しているだけで目標設定からの逆算ではなかったからです。
成果が出る人の努力の構造
結果を出す人の努力には、3つの段階があります。
知的努力:正しい知識や理論を学ぶ
実践的努力:学んだことを現場で試す
修正努力:結果を振り返り、改善する
多くの人は「学ぶ」だけで満足してしまいます。
しかし、本当に成長する人は「やって→失敗して→直す」を何度も繰り返しています。
この「修正力」こそが、結果を出す人に共通する最大の特徴です。
私の営業の事例で説明するならば、同期入社のほとんどの社員はロールプレイや商材研究に時間を費やしていました。毎日出勤してからロールプレイを行い、前日の質問を行い、それから現場に出ていました。
つまり、知的努力に重きを置いていたことになります。
私は逆に、実践的努力と修正努力に重きを置いていました。本当は出社してから新人でロールプレイをするのですが、その時間には私は現場に出ているのでロールプレイはしません。しかし、支店平均と同じだけ毎日契約を取って帰るので、「現場主義で素晴らしい」とまで評価されていました。
わからないことや質問があれば、成績優秀な先輩方にその場ですぐに電話しました。その日の疑問や浮かんだ考えは、その日のうちに消化するようにしたのです。
努力の質を高める「仮説思考」
何も考えずに頑張る努力は、やがて限界がきます。
成果を出す人は、常に仮説を立てて行動しています。
たとえば、
「この顧客層にはメールより電話の方が反応が良いのでは?」
「朝に集中して行動すれば午後に改善の時間が取れるのでは?」
といったように、自分の行動に小さな仮説を立てて検証しています。
仮説が外れても、それは“失敗”ではなく“検証データ”です。
これを繰り返すことで、努力が「成長の仕組み」に変わっていきます。
修正努力という点で言うと、例えば契約に至らなかったパターンでも「なぜ契約に結びつかなかったのか」「どうすれば契約に結びついていただろうか」と考えるようにしていました。
また、契約になった場合は「なぜ契約を取れたのか」「何がお客様の気持ちを動かしたのか」ということを必ず考えていました。
大事なことは考えることです。
はっきり言って、当時営業未経験の自分が思いつく 仮説などは、営業経験を十分に積んだ今の自分からするとあまりにも稚拙だっただろうと思います。
しかし、思考の上手さやアイデア力が問題なのではなく、自分で仮説を立ててその検証のために行動するという習慣作りが大事だったのです。
考えてやっているのにうまくいかないという人は、自分でちゃんと考えていないか、検証していないかのどちらかです。
相談や質問をする時は、成績が優秀な先輩から順番に声をかけましょう。自分だけの仮説で弱いところを補強してもらえます。
「評価される努力」と「自己満足の努力」の違い
社会では、「頑張った人」ではなく「成果を出した人」が評価されます。
その差は、努力の“向き先”にあります。
評価される努力は、他者や顧客にとって価値がある行動。
自己満足の努力は、自分が頑張ったと感じるための行動。
どれだけ頑張っても、「相手の求める価値」になっていなければ意味がありません。
本当の努力とは、「自分のため」ではなく「相手の成果のため」に行うものです。
私の事例では、ロールプレイをせずに誰よりも先に現場に出ていたという話をしましたが、なぜ認められたのかといえば「会社が求める結果以上の結果を出していたから」です。
評価される努力というのは「相手の期待以上の結果を出すこと」で証明されます。
同期入社の仲間と同じだけの結果しか出ていなかったら、おそらく私は現場に行く前にロールプレイをすることを厳命されていたでしょう。
これは営業会社の事例なので、他の業態や業種と比べると「結果」の比重が高いとは思います。結果さえ出していれば、ある程度の自由は許されていました。
全ての職種に当てはまると思いませんが、社会というのは 結果さえ出していれば何とかなることが多いのです。
「努力を続けられる人」と「途中で折れる人」の差
努力の方向が正しくても、途中で心が折れてしまえば結果にはつながりません。
では、続けられる人と続けられない人の違いはどこにあるのでしょうか。
それは、「目的の明確さ」と「小さな成功体験の積み重ね」です。
・昨日より少し良くなった点を記録する
・うまくいった要因を言語化する
・失敗の原因を次に活かす
こうした小さな達成の積み重ねが、やがて自信となり、努力を継続させます。
努力を「苦行」ではなく「成長の習慣」に変えるのです。
当時の私は、毎日ワクワクして現場に出ていました。営業は自分の天職じゃないかと、本気で思っていましたし、長時間労働も平均の3倍訪問することも何の苦にもなりませんでした。
平均以上の取次をするという目的と、自分で考えたトークや対応で契約をいただいた時の達成感でウキウキして過ごしていました。
考えることが楽しいのです。
考えてやったことで、結果が出るから楽しいのです。
受け身ではなく、自分主体で動いているからです。
本当の努力とは「修正し続ける努力」
社会で結果を出すための努力とは、
「正解を一度で掴む努力」ではなく、「修正を繰り返す努力」です。
結果が出ないとき、「もっと頑張る」ではなく、「どこを修正すれば結果が出るか」を考える。
この姿勢こそが、“結果がすべて”の社会で生き残るための、本当の努力の仕方です。
私が思っているのは、この点に関して実感を得ることのないまま先輩になったり、管理職になっている人が多いのではないかということです。
だから、自分の部下や後輩に「正しい努力」の仕方を教えてあげられないのです。
とにかく、気づくこと。
気づいたことについて、考えること。
そして目標から逆算して考えること。
目標のためには手段を選ばないこと。
私の事例で説明するとこういうことです。
◯気づいたこと
自分は10面談で1取次できる
◯考えたこと
訪問数の1/10が面談数だと聞いた
ということは100訪問で1取次できるのでは?
◯目標から逆算して考える
支店平均取次数は3件(1日当たり)
ということは毎日30面談しなければならない
ということは毎日300訪問しなければならない
◯手段
通常出社では時間が足りない
→時間延長する
ミーティング参加していては時間が足りない
→ミーティングはキャンセルする
同期入社の人間と同じことをしても差がつかない
→同期入社の人間を出し抜く
◯結論
誰よりも早く出社(さすがに支店長はいましたが)して、ミーティングやロープレの時間を避けて時間を確保し、時間いっぱいまで現場で過ごす
ちなみに、当時の私は3ヶ月やってみて結果が出ないようなら、やり方を変えるつもりでいました。
たまたま、自分で考えた方法が初月から当たったのでやり方を変更しなかっただけです。
やり方が当たるかどうかはまぐれです。
どのやり方が当たるか、いつ当たるかなどは、なかなかわからないものです。
しかし、当たるまでやり続けるから、当たる確率が100%なのです。
今回、自分自身の営業デビューの頃を思い出しながら書いていますので、正直なところお恥ずかしいです。世の中にはもっとすごい人がいっぱいいますし、私などの努力は努力などとはとても呼べるものではありません。
普段は管理業務についてのノウハウや理屈を考えることが多いのですが、正しい努力の仕方を知らずに(教われずに)苦しんでいる努力家の人が多いだろうと感じるにあたって、このような記事を書いてみることにしました。
「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」
この言葉を忘れないでください。
努力が実らない時、まずは自分自身をしっかりと見つめ直すことです。
正しい努力をしていれば、結果が出ないことなどないのです。時間はかかるかもしれません。しかし、必ず結果は出ます。
最後までお読みいただきありがとうございました🙇
※この記事は「正しい努力」についてChatGPTと対話しながら、自分自身の経験に基づいて書きました。手前味噌すぎてお恥ずかしい限りです。実体験から来る経験知が何らかのご参考になればと思い、小生の如き未熟者が恥を忍んで記事にしたためました。
