サボってしまった

やらなければならないことがあった。
どうしてもやっておかなければ、後で困ることになる。
それは分かっていた。
でも、休みたかった。
疲れていたのは本当だ。
ただ、仕事を休まなければならないほどではない。
身体と心が、
「今日はやめておこう」
と言っていた。
LINEを開く。
何と書こうか少し考えた。
「やる気が出ません」
とは書けない。
結局、
「頭痛がひどいので休みます」
とだけ送った。
しんどいのは本当だった。
でも、自分の中では仮病だった。
仮病には違いない。
誰かが私の分まで働くことになる。
でも、休みたいんだ……
今日は休みたい…
無理はいやなんだ。
正直に生きたい。
もうLINEも送ったんだ。
お風呂セットを準備する。
朝からやっている銭湯に行って、湯船に浸かってぼーっとするんだ。
銭湯の自動ドアが開く。
もう葛藤のかけらもない。
太陽の光が朝のきれいなお湯に差し込み、
湯面が金色に輝いていた。
気持ちいい……
これくらいで罪悪感など感じるものか。
ポッキリ折れてしまう前のひびの可能性がないわけでもないんだ。
とは言え
確かに仮病だ。
湯船に浸かって思う。
でも、いつの日か本物の正直者になって、
「休みたいので休みます」
と言ってみたい。
言えないとは思うけど......
―――――
生きることに疲れたり、自分を責めたりしながらも、自分らしく歩こうとする人たちの物語を書いています。
長編小説『私は私のままで行く』『命終えても街を彩る落ち葉のように』をステキブンゲイで連載・公開しています。プロフィールからどうぞ。
