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「市販薬・サプリが“しくみの外側”で足されていく」 シリーズ16「薬が増えやすく、減りにくい“しくみ”をやさしくほどく」第7回


ドラッグストアやネット通販で、痛み止め、胃薬、眠りをサポートするサプリ、ビタミン剤などを手軽に買える時代になりました。
便利になった一方で、「病院の薬」とは別枠で市販薬・サプリが足されていき、気づけば“二重三重の飲み合わせ”になっていることがあります。

1. 主治医のレーダーに入りにくい理由

市販薬やサプリが「見えない薬」になりやすいのには、いくつかの理由があります。

  • 診察のときに、わざわざ言う発想になりにくい

    • 「ただのサプリだし」「薬局で勧められただけだし」と感じて、自己申告しそびれやすい。

  • 「健康によさそうなもの」として、薬とは別物だと考えがち

    • 「薬」と「サプリ」を頭の中で分けていて、“合計何種類摂っているか”に目が向きにくい。

  • おくすり手帳に書かれないことが多い

    • 病院の処方だけが載り、市販薬・サプリは空白のままになりがち。

その結果、主治医から見ると、「処方薬は3種類くらい」であっても、本人は市販の痛み止めやサプリを合わせて6〜7種類飲んでいる、という“見えないギャップ”が生まれます。

2. 「誰も全体を把握していない」状態とは

問題なのは、「市販薬・サプリを飲むこと」そのものではなく、「全体を一括で見ている人がいない」ことです。

  • 本人:

    • 「それぞれ少しずつだし、大したことはないだろう」と感じている。

  • 主治医:

    • 病院の処方だけを前提に、「このくらいなら大丈夫」と判断している。

  • 薬剤師:

    • おくすり手帳に書かれている範囲でしか、飲み合わせをチェックできない。

こうして、「誰も悪気はないのに、誰も全体を知らない」という状態が続きます。
そのなかで、

  • 眠気・フラつき・便秘・胃の不快感などが、“年齢のせい”として片づけられる

  • じわじわとした不調が、「サプリや市販薬との相性かもしれない」という発想になりにくい

といったことが起こりやすくなります。

3. 「全部を一度並べてみる」という一手

この“しくみの外側”を少し見える化するために、できることはシンプルです。

  • 家にある「飲んでいるもの」を全部テーブルに並べる

    • 処方薬、市販薬、サプリ、ドリンク剤などを、一度“ビジュアル化”する。

  • 写真を撮るか、名前と回数をメモにしておく

    • スマホで棚の写真を撮っておくだけでも十分な材料になる。

  • 受診や薬局で、こう一言そえる

    • 「病院の薬以外に、こういう市販薬・サプリも飲んでいます。
      全体として問題がないか、一度見てもらえますか。」

この一言があるだけで、主治医や薬剤師は初めて「全体像」を意識できます。
そのうえで、

  • 成分が重なっているものを整理する

  • 体調や検査値と照らし合わせて、やめてもよさそうなものを選ぶ

  • 飲むタイミングをずらす

といった調整がしやすくなります。

第7回で伝えたいのは、「市販薬やサプリは危険だからやめるべき」という話ではありません。
むしろ、「どれだけ良さそうなものでも、“全体の中のひとつ”として見てもらうことが、安全に付き合うための条件になる」という視点です。

次の第8回では、舞台を子どもの世代に移し、小児科での抗生剤の使われ方の“時代背景”と、「正解を当てる」よりも「履歴を覚えておく」ことの意味について整理していきます。

【本文終】

以下はおすすめの書籍です。著者の先生とはお話をお聞かせいただきましたが、お人柄も素晴らしい方です。お勤めされていた保険薬局で患者さんの疑問に答えるために日々調査・研究を重ねられて出版社から声がかかりこのような書籍を出されているそうです。
何よりも、『薬』という一般的な方が取っつきにくい話を分かるように書いたりお話しされるという意味で右に出る方はいらっしゃらないかと思います。
ドラッグストアで薬を買う機会はますます増えてくるかと思います。
そんな中での選び方を考えるきっかけになりますので、是非本書をご覧になっていただければと思います。

※Amazonアフィリエイトを利用しています。

【次の回(第8回)へ続く】


【このシリーズ(シリーズ16)の最初(第1回)はこちら】

※ここで書いている内容は、一般的な情報提供および一部の事例紹介を目的としたものであり、特定の病気や治療についての診断や処方を直接指示するものではありません。お薬の中止・変更を含む具体的な治療方針の決定は、この記事のみを根拠に自己判断で行わず、必ず主治医や薬剤師などの医療専門職とご相談ください。(2026年2月)

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