「親のフラつきと眠気──『歳のせい』だけで片づけない」
親の歩き方を見ていて、「前よりちょっと危なっかしいな」と感じたことはないでしょうか。
ソファでうとうとしている時間が増えても、「もう歳だから仕方ないよね」と、自分に言い聞かせて終わってしまうことも多いかもしれません。
もちろん、年齢とともに体力やバランス感覚が落ちていくのは自然なことです。
ただ、「薬の数が増えてきたタイミング」と「フラつきや眠気が目立ち始めたタイミング」が重なっているときは、一度だけ立ち止まってみても良いサインです。
たとえば、こんな変化が重なっていないでしょうか。
以前より、立ち上がるときにふらっとして壁や家具につかまることが増えた
食後や日中にウトウトする時間が増え、話しかけてもすぐに反応しづらいときがある
ここ数か月で、飲む薬の種類が2〜3個増えている
どれか一つだけなら「たまたまかな」ですみますが、いくつか重なってきたら、「薬の影響もあるかもしれない」と頭の片隅に置いておく価値があります。
ここで大事なのは、「薬が悪い」と決めつけることではありません。
そうではなく、
「最近薬が増えた頃から、フラつきと眠気が前より気になるようになりました。」
と、“いつ頃から・どんな様子か”をひと言にまとめて、医師や薬剤師にそっと渡してみることです。
薬のせいか、歳のせいか、病気そのものか。
その見きわめは専門家の仕事です。
家族にできるのは、「前と違うところに気づき、その変化をそのまま言葉にして届けること」。
シリーズ14では、こうした「ちょっとした変化」を一つずつ取り上げながら、親のからだと生活の中で、薬がどんな形で影響しやすいのかを、無理のない範囲で見直していきたいと思います。
親のフラつきや眠気に気づいても、「これを先生にどう伝えればいいんだろう…」と迷うこともあると思います。
忙しい外来でも伝わりやすいように、「いつ頃から・どんなふうに変わったか」を一言でメモして持って行くための『親の薬と医療の「質問ノート」』マガジンもつくりました。
病院や薬局に行く前に一度のぞいて、「今日はこの一言だけ聞こう」というフレーズを決めてから出かけてみてください。
【このシリーズの次の回(第2回)はこちら】
【前のシリーズ(シリーズ13)の最初(第1回)はこちら】
※ここで書かれている内容は、一般的な情報提供および一部の事例紹介を目的としたものであり、特定の病気や治療についての診断や処方を直接指示するものではありません。お薬の中止・変更を含む具体的な治療方針の決定は、この記事のみを根拠に自己判断で行わず、必ず主治医や薬剤師などの医療専門職とご相談ください。(2026年2月)
第1回:「親のフラつきと眠気──『歳のせい』だけで片づけない」 シリーズ14「薬が増えると、からだと生活に何が起きやすいのか」
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