第四話|理解できる側が、我慢する世界
三話を書き終えた今、
あらためて思う。
あの頃の私は、
ずっと「何かがおかしい」と感じながらも、
その正体が分からないまま、
時間だけを過ごしていました。
弁護士を通しているのに、
話は進まず、
気持ちだけが削られていく。
でもあるとき、
ふと、頭をよぎった言葉がありました。
【気づきの芽|小さな違和感】
「これって、本当に“話し合い”なんだろうか」
返事は来る。
でも、かみ合わない。
やり取りは続くのに、前に進まない。
こちらがどれだけ丁寧に伝えても、
返ってくるのは、
論点を外した言葉ばかり。
そのたびに私は、
「伝え方が悪いのかな」
「もう少し我慢すればいいのかな」
そうやって、
原因を自分に探していました。
【自分に矢印が向きすぎていたこと】
今思えば、
私はずっと、
・相手を刺激しないように
・場を荒らさないように
・子どもたちに影響が出ないように
そうやって、
自分の感情を小さく畳み続けていました。
「私が耐えればいい」
「私が飲み込めばいい」
それが、
“母親の私にできる対応”だと
思っていたのです。
【決定的な一言・出来事】
そんな中で、
忘れられないやり取りがあります。
相手からの返事の内容を共有したとき、
弁護士にこう言われました。
「このままでは終わりがないですね。
どこかに、落としどころを決めないと」
わかってる。
私には、わかってる。
でも、
これ以上私が譲歩するのは、フェアじゃない。
私だけが譲ることをしたくなくて、
そのために、
弁護士にお金を払ってお願いしているのに。
どうして、
話が分からない人が優遇されるの?
なんで、
理解できる方が、
我慢しないといけないの?
おかしいよ…。
口惜しさと、
不安と、
どこに何を吐き出せばいいのか分からないまま、
眠れない夜を過ごしました。
【違和感に名前がつく】
そのとき、
ようやく分かりました。
私が感じていたのは、
「安心」でも
「平和」でもなく、
消耗だったのだと。
衝突を避けているつもりで、
私は、
一方的に削られる場所に
立ち続けていました。
【まだ答えは出ていない】
この時点では、
私はまだ、
どうすればいいのか分かっていませんでした。
ただひとつ、
はっきりしていたことがあります。
「このまま続けたら、
私は壊れてしまう」
それだけは、
体が先に教えてくれていました。
【締め|次回への余白】
違和感に名前がついたからといって、
すぐに答えが出るわけじゃない。
でも、
気づいてしまった以上、
もう、元には戻れませんでした。
ここから先、
私は一度、
立ち止まることになります。
それが、
自分を守る側に回る
最初の一歩でした
【第5話 予告】
でも、
立ち止まることを選んだ私の前に、
一番向き合わなければならない存在が残っていました。
子どもたちです。
守りたい。
傷つけたくない。
けれど、
「母親である私」が選び続けてきた我慢は、
本当に子どもたちのためだったのか。
次回、
子どもたちを挟んだとき、
はじめて見えてきたものについて書きます。
▶︎ 第5話へ続く
