ちゃぬ、なんでそんなに吐くの?(創作大賞2025 エッセイ部門)
<読む前の注意喚起>
※このエッセイは、創作時の推敲でAI(ChatGPT)を使用しています。
具体的には、
私が作ったエッセイをAIに入力
→AIに改善点を出してもらう
→その改善点をもとに、私なりに文章を推敲しました。
※このエッセイには、子供の体調不良や嘔吐に関する描写が含まれます。
苦手な方は、どうか無理をなさらずに。
私はこのエッセイを“文字”にすることで、“ちゃぬ”のことも、そして自分のことも、今一度、見つめ直したかったのです。
そして、将来、大きくなった“ちゃぬ”に、この文章を贈ります。
梅雨が始まりそうな時期。
夜中の11時。
ーーーゴホッ、ゴホッ。
子供達が寝ている和室から、咳き込む音が聞こえた。
それに違和感を覚えた私は、脱衣所からバスタオル2枚とバケツを用意する。
「どうした?」
私の行動に気づいた夫が、自室から出てきた。
私は視線を、子供達のうちの1人・・・モゾモゾ動く4歳児に向けたまま、静かに、こう話した。
「嫌な予感がする」
4歳の子が、布団からゆっくりと身体を起こす。
ーーーゴホッ!!
やっぱり、来る!
私は、手に持っていたバケツを、子供の顔の下にセットする。
ーーーガッ!!!
「吐いた!」
「電気つける!」
夫の焦る声と同時に、和室の隣・・・リビングの明かりが灯る。
「うわあぁぁ!」
子供は目をギュッとしたまま唸っていた。
私は、バスタオルで子供の顔を拭き、優しく声をかける。
「大丈夫よ、ちゃぬ。気持ち悪かったね」
この子の様子を見る。
顔色は悪くない。
とりあえず、出すものは全部出したみたい。
吐いた内容物は、お米と、鶏胸肉。
揚げ焼きしたから、肉が脂っこくて胃もたれしたかも。
発熱は・・・無し。
目を開けない。眠そう。
布団に寝転がろうとする子供の顔を横に向け、もう1枚のバスタオルを下に敷く。
あ、下の子も起きた。
そっちは夫に任せることにする。
しばらくして、4歳の子も下の子も寝た。
私は、深夜の浴室で、汚れたバスタオルを処理した。
「食後すぐにジャンプして遊んでいたし、それで消化がうまくいかなくて、この時間まで胃に残ってたんじゃない?」
夫はそう言い残して、自室へ戻った。
私はリビングのソファに倒れるように転がる。
浴室で濡れたパジャマのズボンを、着替えることすらできない。
「小説の続きを書くつもりだったけど、疲れたなぁ」
最近の趣味・・・小説の創作をするために用意したタブレット端末は、ダイニングテーブルに放置されたまま。
それを取りに行く気力も無くなった。
再度、子供達が眠る和室を見る。
聞こえるのは、静かな寝息だけ。
「また吐くかな」
今夜は、果たして眠れるだろうか。
そんなことを思いながら、スマホのアラームを朝6時にセットした。
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私は、3児の母親だ。
心配性であることを自覚している。
4歳の子は、真ん中の子。
この子は、生まれた時から“吐きやすい体質“だった。
ここで、少しだけ時間を遡ることにしよう。
ことの始まりは、真冬の産院。
上の子の就寝時間直前に破水。私は即入院となった。
その後、日付が変わった頃に出産。
世界で流行した感染症の影響で家族の立ち会いができず、医師や助産師に囲まれながら。
陣痛開始から約4時間の、1人での出産だった。
元気に泣いている、約3キロの男の子。
出産後、陣痛が終わって安堵したと同時に、ひどい寒気があったことを覚えている。
その日の夕方、私は、出産した我が子を見に、新生児室まで足を運んだ。
ガラス越しに見える、我が子。
小さな命を抱え、身体が思うように動かない時期があっても、
耐えるにも辛い痛みが襲ってきたとしても、
・・・私は待つことができた。
我が子の笑顔が、ただ見たかったから。
新生児用のベッドに、私の名前や出生体重が書かれたカード。
その横に、上の子の出産時には無かった物が置かれていた。
透明なコップの中に、アイスの棒のようなプラスチックが差し込まれていた。
ピンク色の棒の上に書かれていた、その文字。
ーーー“排気注意“
この言葉の意味を、当時の私はまだ知らなかった。
のちに、ちゃぬの育児の中で、痛切に感じることになる。
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退院後、上の子と新生児、2児のワンオペが始まった。
夫の実家に育児を手伝ってもらうため引っ越したマンションは、私の年齢と変わらない築年数の建物。
入居してから、まだ1ヶ月程しか経っていない。
医療系の仕事を持つ夫は育児休暇を取らない。入院中の数日だけ有給を使用。
頼りにしていた義理の母は、上の子のお世話での疲弊が原因で、体調を崩してしまう。
私の実家は、訳あって疎遠だ。頼れない。
自分の世界に浸って1人遊びすることが大好きで、超が付くほど電車マニアの、上の子。
産院から“退院したら上の子を優先”との話があった。無視はできない。
そして、この子の幼稚園入園まで、あと2ヶ月ほどある。
いろいろと予想外の展開だった。
けど、始まったら止められないのが“子育て”だ。
上の子の経験を活かして、腹を括って、なんとかするしかない。
こうして、我が家は新しい家族“ちゃぬ”を迎えた。
“ちゃぬ”は、真ん中の子の愛称だ。
最初は、名前に“ちゃん”付けをしていた。
そのうち“ちゃんぬ”付けをし、最終的に“ちゃぬ”が愛称となった。
でも、その呼び方を使うのは、母親である私だけ。
“ちゃぬ”は、私だけの愛称なのだ。
この“ちゃぬ”という子。
とにかく!
毎回!
ミルクを吐く!
毎回!
ゲップが出ない!
産院の助産師は、
「吐きやすい子みたい。授乳は片方が終わったら5〜10分くらいかけてゲップさせて、できたらもう片方で授乳してね。あ!授乳前にゲップが出るか確認した方がいいかも!」
とのこと。
こまめなゲップ対応が必要だったので、上の子の時よりも、授乳時間がずっと長かった。
それでもゲップができず、ミルクをよく吐き出す。
新生児の服だけでなく、私のパジャマ、シーツ、授乳クッション、ソファカバーも、頻繁に洗濯機へ投げ込まれる。
不思議だったのが、
ちゃぬは吐いても、わりとケロッとしていたこと。
吐いた後は、機嫌良く笑っていることが多かった。
ちゃぬは、きっと上の子とは違うタイプなんだ、くらいにしか思っていなかった。
そして、ちゃぬが生後4ヶ月。
上の子が幼稚園に入園して1ヶ月。
ーーーここから、“排気注意”の洗礼が始まった。
ちゃぬが、初めて体調を崩した。
授乳しても、すぐに吐く。
呼吸が少し荒い。
排便も、少量だが回数が多すぎる。
「一般的に生後半年までは、母親からもらった免疫で風邪を引きにくいはずなんだけど」
当時のかかりつけの小児科医は、そう語っていた。
私は思い切って、この小児科医に質問する。
「この子、上の子より吐きやすいようなんですが」
「ああ、いますよ。そういう子。成長すれば、いずれは落ち着きます。様子を見てください」
ーーー様子を、見るしかない。
私ができることって、それしかない?
そういうもの、なのかな?
なんだか、モヤモヤする。
疑問は残るものの、この時はちゃぬの体調の方が心配だった。
これ以降、ちゃぬは体調を崩す度に、2〜3回は嘔吐するようになった。
しかも、ちゃぬは月に1回、必ず体調を崩した。
これが月2回の時もある。
幼稚園児の上の子から風邪をもらうことが多かったからだ。
子供が風邪を引きやすいことは、上の子で理解していたつもりだった。
だけど!
毎月体調を崩され、その度に数回嘔吐されるなんて・・・誰が予想できたか!
ーーーちゃぬ、なんでそんなに吐くの?
ちゃぬが新生児の頃よりも、私は眠れなくなってしまった。
特に、夜間。
突然嘔吐される恐怖と不安ばかりが、当時の私の脳内を・・・完全に支配していた。
かといって、仕事で忙しい夫を頼ることもできない。
夫は帰ってきたら、仕事の愚痴ばかり。
正直、この時の夫には気を遣った。
頼れるはずがない。
だから、
孤独なワンオペは、続く。
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ちゃぬの離乳食は、非常にゆっくりと進んだ。
次のステップにいったとしても、嘔吐したから前の食事形態に一時的に戻す。
様子を見てから、次のステップに。
3歩進んで2歩下がるとは、このことだ。
人生はワンツーパンチどころじゃない。
あまりの手間と気疲れに、スリーパンチ以上喰らってる。
しかも、ちゃぬは大食いだ。
緑色の野菜以外は、本当によく食べる。
フライドポテトや唐揚げなど、塩っぱい揚げ物も好物だ。
ーーーそれなのに、
ちゃぬの大きな思考に、ちゃぬの小さな身体が、明らかに追いついていない。
食べすぎて吐く。
胃もたれして吐く。
消化不良で吐く。
そして、吐いた後にスッキリして、すぐに食べようとする。
・・・分かってはいる。
母親として、ちゃぬの身体を第一に考えないといけない。
まだ食べさせるには早い、体調が戻っていない・・・なんて場面が多い。
・・・でも、私の意思は、弱くて脆い。
ちゃぬの“食べたい“という気持ちを、私は止めることができなかった。
これなら食べられるかもって、すぐに安易に考えてしまう。
ちゃぬの食欲を止めようとすると、大声で泣く。
それが原因で、また吐く。
その繰り返し。
早く、
早く・・・、
早く早く!
ちゃぬが成長できればいいのに!!!
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時は進み、ちゃぬの3歳児健診の時期になった。
場所は地域の保健センター。
ここでは、小児科医の診察と、保健師との相談ができる。
問診票に“吐きやすい体質”であることをハッキリ記入した。
臨月の重たい身体を無理やり引きずって、私はちゃぬを連れて出かける。
ーーーところが、
初めて風邪を引いた時に受診した小児科医と、
今回の小児科医の診察、
そして、保健師の相談の返答。
それは、
ーーー全く同じだった。
「いずれ落ち着きますから、ご自宅で様子を見てください」
私は保健師に尋ねた。
「吐きやすい体質って、いつ頃に落ち着くものなんですか?」
「個人差はありますが・・・」
次に綴られた言葉に、
私は目を見開き、息を詰まらせる。
「だいたい小学校高学年くらいまでですね」
小学校、高学年?
ていうことは、何歳?
10歳、くらい・・・?
ま、待って。
待ってよ?
ちゃぬは、まだ3歳!!
あと7年も、ちゃぬは風邪を引く度に、嘔吐するの!?
あと7年も、吐きやすい体質に苦しむの!?
私も・・・。
あと7年も、ちゃぬの嘔吐に付き合わなくちゃいけないの・・・?
上の子も下の子もいる、この状況で・・・。
1人で・・・?
ーーーその時、
産院で見た、“排気注意“と書かれた棒を思い出す。
あの言葉は、
ーーーちゃぬが、生まれつき“吐きやすい体質“であることを示していたんだ。
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1番きつかったのは、2024年。
下の子が生まれて、2回目の年明け。
まさかの、インフルエンザに感染。
家族全員、お陀仏となる。
9月からバッチリ予約して、2回も予防接種に行った・・・はずなんだけどなぁ。
年明けから、さまざまな場所で嘔吐する子供達。
布団の上、リビング、トイレの扉の前・・・。
しばらくの間、私は、バケツとタオルを持ち歩く“嘔吐キャッチャー”と化していた。
ヘッドスライディングで、吐きそうな子供達の元まで駆けつける!
ーーーでも、ちゃぬだけは、違った。
他の子より、吐く回数が多い。
昼夜問わず、吐く。
体調が落ち着かない。
元の食事に戻るまで、とにかく時間がかかる。
年明けから通うはずだった療育に、いつまで経っても行けない。
薬も嫌がる。
私が頑張って服薬させようとしても、ちゃぬは・・・かえって吐いてしまう。
子供達が元気になるまでの記憶は、これ以上思い出そうとしても無理だった。
もはや、それは、存在しない。
あ、
そうだった。
その時の私も、数年ぶりに高熱が出てフラフラしてたんだっけ・・・?
ここに引っ越してから、年末年始は何かと落ち着かなかった。
ちょっとだけ、
本当に、ちょっとだけでいい。
・・・勘弁してほしい。
でもね、
これだけは、断言する。
私は確かに、
ちゃぬが嘔吐して、
見るのも辛くて苦しいけれど。
いつもニコニコして、
口の周りをいっぱい汚して、たくさん食べてくれる。
そんなちゃぬが、
ーーー愛しいんだ。
====================
そして、現在。
ちゃぬは4歳。
吐きやすい体質は、ちょっとだけマシになった。
風邪を引かない期間が、月1回より少しだけ頻度が減った。
風邪を引いても嘔吐しないで済むパターンが出てきた。
最近は消化不良が多い。
胃腸が弱いようだから、普段の食事内容に気をつけている。
そんな中、ちゃぬは元気だ。
トランポリンがお気に入りで、上手にジャンプできる。
ミニカーをキレイに並べて遊んでいる。
それでいて、相変わらず、よく食べる。
好物のバナナを口いっぱいに頬張り、食べる。
私の手を引っ張って、何か食べたいと訴える。
ーーー本当に、よく笑っている。
一方で。
私はちゃぬの嘔吐にうまく対応できるようになった。
吐きそうなタイミングは、おおよそ把握している。
そのおかげで、夜は、ある程度まで熟睡できるようになった。
さらに。
ちゃぬの吐物処理に時間がかかる場合、下の子が邪魔しないように、上の子にしばらく見てもらえるようになった。
ーーー“いずれ落ち着きますから、様子を見てください”
何度も言われた言葉が、頭をよぎった。
吐きやすい体質は、成長によって落ち着く。
だから、それまで待ち続けるしかないんだ。
“待つ“という行為は、
母親である私が行動して解決できることじゃない。
ちゃぬの成長を、じっと、見守ることなんだ。
“待つ”ということが、
育児中だと、
こんなに苦しいものだとは、
・・・知らなかった。
今日も、ちゃぬのトイレに付き添う。
このトイレが、ちゃぬと2人っきりになれる時間だ。
「あ、ああ、ああっ!」
「ん?」
今日も、ソの音程で発声練習かな。
その声は、なんだか楽しそう。
「はい!おっ、ぱ、ぴー!」
・・・・最近よく観る子供向け番組の、あの芸人さんのモノマネか。
そう思いながら、私はちゃぬのほっぺたに触れる。
ちゃぬはくすぐったそうに、目を細めて笑った。
ーーー温かい。
ーーーちゃぬは、自分がどんな状況か理解してないと思う。
ーーーでも・・・確かにね。
ーーーー今を生きているんだ。
あの夜と同じように、バスタオルとバケツを用意するかもしれない。
それは今夜かもしれないし、1週間後、1ヶ月後かもしれない。
ーーーそれでも、
ちゃぬの笑顔があるから、
私は頑張って、
この子の成長を、
ーーーー「待とう」と思う。
