【カネ②】行政の予算の性質
行政予算の3つの大きな特徴
民間感覚で見ると「不思議」に見える、行政特有のルールを解説します。
1. 「単年度主義」というルール
行政は、4月1日から翌年3月31日までの1年間で、その年の収入でその年の支出をまかなうのが原則です。
民間: 「今年は赤字でも来年回収できればOK」という中長期的な投資判断がしやすい。
行政: 1年ごとに財布を締めなければならないため、年度をまたぐ柔軟な運用が難しい(※繰越明許費などの例外はありますが、手続きが煩雑)
2. 「目的限定」の拘束力
・民間では「状況が変わったから、広告費を削って開発費に回そう」という変更が社内で完結します。しかし、行政の予算は「議会の議決」を得なければなりません。 一度「道路」として決まった予算を「教育」に流用することはできません。変更するには「補正予算」を組んで、再度議会で審議する必要があります。「役所はお役所仕事で融通が利かない」とよく言いますが、「勝手にお金の使い方を変えないように、民主主義的なブレーキがかかっている」という側面があります。
・国や都道府県からの補助金等も収入の大きな割合を占めており、これらのお金も使用目的が限定されているものも多く、適正に使われているか定期的に検査があります。不備があった場合は補助金の返還を求められることもあります。
3. 義務的経費の壁 経常収支比率とは
経常収支比率とは、自治体の一般財源のうち、人件費、扶助費、公債費などの「経常的経費」にどれくらい使われているかを示す割合です。「経常的収入」に対する「経常的支出」の割合で、100%に近いほど、自由になる財源(政策的経費に使えるお金)が少ないことを意味します。砂川市では公開されている令和4年のデータでは経常収支比率83.1%でした。何故か令和6年度以降の財政資料はHPになかったです。
・民間では売上が落ちれば、ボーナスカットや広告停止などで調整できます。行政では 収入が減っても、義務的経費である、福祉サービスや借金返済は止められません。そのため、「新しく自由に使えるお金(政策的経費)」は、実は全体の10〜20%程度しかない、という厳しい現実があります。砂川市は令和4年現在では周辺市町村の中では比較的良い方です。中には93%ほどになっている自治体もあります。
今回は行政の予算の性質について説明してきました。
次回はさらに予算の詳細な内訳について、引き続き砂川市を例に見ていきましょう
