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晴れた日に書いた手紙【シロクマ文芸部】


晴れた日に
あなたへ手紙を書きたくなりました



あなたはずっと
わたしを待っていてくれました


あなたは一日も欠かさず


東の空で朝を届け
南の空でみんなを見渡し
西の空で名残惜しそうに色を変えながら


ゆっくりと
別の朝へ向かう


あのタワマンの77階に住む成功者にも
築30年のアパートの1階に住むわたしにも


等しく光を届けてくれる


わたしが外出できなかった一年
あなたに直接会えなかった一年


それでもあなたは
ときどき雨や雲と交代しながら
一日も欠かさず
わたしの様子を見に来てくれました


東側の窓から
「おはよう」と笑顔で現れて


わたしからの返事がなくても


レースのカーテン越しに
やわらかい光を
そっと置いていく



まるで観覧車のように

何周も

何周も


わたしのタイミングで乗れるように

ゆっくりと

ゆっくりと



わたしは
なかなかその観覧車に
乗れなかったけれど


あなたは
迎えに来るのを
やめませんでした


あなたの光は
直接当たらなくても


心地よい温度や
やさしい気配を
残してくれました


「一人にしないよ」

「何度でも来るよ」

そう言ってくれている
気がしました



ありがとう




わたしは



あなたの光の下で
自転車をこぎ
買い物に出かけ
ときどき仕事をしています



いつからか
あなたを浴びながら
外へ出られるようになりました



あなたを眩しく仰ぎながら


塩だけでにぎられた
おむすびを
頬張っています


少し塩が強かったのか
ちょっと辛い気もします


でも
たくさん動いた身体には
ちょうどいい塩加減でした


作ってくれた母に
感謝しました


米粒でふくらんだ頬を
春風がそっと撫でていきます


少し離れたところで


親子が砂場で遊び
犬を散歩させる老夫婦が笑い
ランナーが汗を流しています



あなたは
わたしだけでなく
みんなに平等に降り注ぐ


あなたの下に集まる人にも

まだ
あなたの下に出てこれない人にも


あなたは
淡々と
平等でいてくれた


わたしを見捨てずに
観覧車を回し続けてくれて
ありがとう


音もなく静かに
いつも明るく


待っていてくれて
ありがとう


今日も
晴れていてくれて
ありがとう


晴れた日に
あなたへ手紙を書きました




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