シェフがExcelでUI改修案を持ってきた日──ベンダー依存だった現場DXが回り始めるまで
Scene1:アナログ一筋のシェフが、Excelを開いた
ホテリエちゃん 👩💼:マネージャー、なんだか嬉しそうですね。何かあったんですか?
コーギーマネージャー 🐾:先日ね、うちのシェフがExcelで「システムのUI改修イメージ」を作って持ってきてくれたんだ。ここを押したらこうなってほしい、って画面の絵付きで。
ホテリエちゃん 👩💼:えっ、シェフがですか? 厨房の方って、正直デジタルは苦手なイメージが……。
コーギーマネージャー 🐾:そう、うちのシェフはもともとアナログしか信用しないタイプだった。その人が、自分から改善案を"作って"持ってくるようになった。私はこれ、下手なDX施策よりずっと大きな出来事だと思っていてね。今日はその話をしようと思う。
Scene2:「ベンダー依存」のDXで起きがちなこと
ホテリエちゃん 👩💼:でも、システムの改善要望なんて、普通は現場から出てくるものじゃないんですか?
コーギーマネージャー 🐾:それが、なかなか出てこないんだ。多くの現場のDXはベンダー依存になりがちでね。不具合が出てベンダーに連絡しても、どうしても対応が遅れることがある。そういう経験が積み重なると、現場はどうなると思う?
ホテリエちゃん 👩💼:「言っても変わらないし……」って、諦めちゃう?
コーギーマネージャー 🐾:その通り。不具合報告ですらおっくうになって、改修案なんてもってのほか、という空気になる。道具は「与えられたもの」で、自分たちが口を出せる対象だとは思わなくなるんだ。
Scene3:内製に切り替えてから変わった2つのこと
ホテリエちゃん 👩💼:それが、どうして変わったんですか?
コーギーマネージャー 🐾:私がBubbleで作った自作POSに、作り手として現場に入り始めてから風向きが変わった。変えたことはシンプルに2つ。不具合は即日対応すること。そして改修案は作り手のほうから現場に聞きに行くこと。
ホテリエちゃん 👩💼:即日……! ベンダーさんだと数日待ちもザラなのに。
コーギーマネージャー 🐾:「言えば直る」「聞きに来てくれる」という体験が積み重なると、現場のデジタルへの見方が変わってくる。受け身の利用者から、一緒に作る側に回ってくれるんだ。シェフのExcelは、その積み重ねの先に出てきたものだった。
💡 ポイント:現場が変わったのではなく、「言っても無駄」の前提が崩れただけ。もともと現場は改善のアイデアを持っている。
Scene4:もうひとつの事件──経営者が褒めたのは「現場発」の機能だった
ホテリエちゃん 👩💼:他にも「現場が作る側に回った」出来事ってあるんですか?
コーギーマネージャー 🐾:あるよ。経営者が試泊をしたときに、部屋置きタブレットのある機能を褒めてくれたんだ。注文をしていない間のスクリーンセイバーとして、施設のおすすめドリンクを流す、という機能。
ホテリエちゃん 👩💼:客室のタブレットが、待ち時間にメニューの宣伝をしてくれるんですね。それ、いいアイデア……。
コーギーマネージャー 🐾:でしょう。そしてここが大事なんだけど、これは私が指示したものではない。現場と、私がコーチングしているスタッフのRさんが相談して生み出したものなんだ。
📊 現場の実績:アナログ派だったシェフがExcelで改修案を自作/現場とRさん発案の機能が経営者試泊で好評/不具合対応は即日
コーギーマネージャー 🐾:こういう小さな成功体験が起点になって、DXによる現場改善は回り始める。トップダウンの号令よりも、現場発の工夫が評価される体験のほうが、ずっと強い燃料になるんだ。
Scene5:正直な限界──「即日対応」は内製の芸当
ホテリエちゃん 👩💼:でも待ってください。それって「作った人が現場にいる」から出来る話ですよね? システムを外注してる施設は真似できなくないですか?
コーギーマネージャー 🐾:痛いところを突くね。その通りで、即日対応は作り手が現場に常駐する内製だから成立する芸当だ。外注構成のまま同じスピードを求めるのは酷だと思う。
ホテリエちゃん 👩💼:それに、マネージャーがいなくなったら誰が直すんですか?
コーギーマネージャー 🐾:それも正直に言うと弱点で、属人化リスクの裏返しなんだ。だから私は構成をドキュメントに残す習慣とセットで進めている。あと、シェフの件も経営者の件も、まだそれぞれ1件の出来事で、売上や口コミへの定量効果が測れているわけじゃない。そこは盛らずに言っておきたい。
Scene6:人が「デジタルへの信頼」の橋渡し役になる
ホテリエちゃん 👩💼:今日の話、道具の話のようで、ずっと人の話でしたね。
コーギーマネージャー 🐾:まさにそれが持ち帰ってほしい原則でね。本質的で長期的なDXを叶えるには、人が機械・デジタルへの信頼の橋渡し役を丁寧に務める必要がある、ということ。ツールの性能より先に、「言えば直る」「工夫すれば褒められる」という体験を現場に積んでもらう。DXが回り始めるのは、そこからだ。
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