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インフルエンザの検査っていつまで棒でやってくつもり?

10月28日。

娘が7歳になった。
けれど、その日を「おめでとう」と
晴れやかに迎えることはできず、心配が先に来た。

何故なら朝、いつものように「おはよう!」と声を弾ませていた
彼女の顔が…おかしい。
学級閉鎖の知らせを受けた翌日の月曜の朝。
腫れぼったい二重の「おはよう」

体温を測りなさい!


体温計の数字は38.6。
元気ではある。
むしろ、熱のわりにはケロッとしている。
それでも、妻は念のためにと病院へ連れていった。

何故なら…学級は閉鎖されてるぐらい流行しているからね。

私は仕事場で報告を待つ。
スマートフォンの通知音が鳴り、
「陰性だった」との文字を見た瞬間、全身の力が抜ける。
インフルエンザじゃない。
それだけで、その日はもう十分だった。

そして帰宅後、7歳娘に
「病院で泣いちゃった」と言われた。
あぁ、あの検査のことね。
私だって、あれは嫌いだ。

「泣いていいよ。あれは大人でも涙出るから。」

そう言うと、彼女は少しほっとしたように笑った。
その笑顔の奥に、小さな安心と、ほんの少しの誇らしさが見えた。
七歳になったばかりの、柔らかくも凛とした表情だった。

それにしても、と思う。
いつまで鼻に棒を突っ込むのだろう。
もう令和だ。
AIだ。月にも行く時代だ。
注射の針は細くなり、インフルのワクチンは点鼻薬になった。
それなのに、インフルの検査だけは、なぜこうも昭和のままなのか。

誰かが「まぁ、別に困ってないし」と思って止まっているのだろうか。
それとも、研究者たちは今まさに別の最前線で忙しいのか。
どちらにせよ、毎年この季節になるたびに、
あの痛みを思い出しては小さくため息をつき
進歩のなさに、何の貢献もできない私が勝手にイライラしている。

そんな感情を抱いて寝た翌日

ネットニュースが目に飛び込んできた。
「AIによる喉の画像診断で、インフルエンザを特定可能に。」

あぁ、よかった。
人類は、ちゃんと前に進んでいた。
誰かが、私のぼやきを代弁するように、
静かに研究を続けていたのだ。

娘が大人になる頃には、
きっともう鼻の奥に綿棒を突っ込むこともないだろう。
「私の時代はね、鼻に棒を入れてたんだよ」と
言える時が来るだろう。

7歳の誕生日に熱を出した娘。
みるみる成長する娘。
そして世界もまた、静かに、確かに前へ進んでいることに気づいた
45歳2児の父なのでした。

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